「ロンドンに留学しています」
こう話すと、たいてい「オシャレ!」「楽しそう!」と返されます。でも実際はどうかというと、うーん……。楽しいこともありますが、毎日そんなキラキラしていないです。授業と課題、自炊とバイト、たまにやってくるホームシックと日照不足。SNSでは見えない部分が、この生活にはたくさんあります。そんな時間も全部ひっくるめて、私の留学生活を作り上げています。
今回はそんなリアルな1週間を紹介してみようと思います。これから留学を考えている人、留学生は1日をどう過ごしているのかが気になる人に届いたらうれしいです!
自己紹介:イギリスの高校からUCLへ
私は京都出身の20歳。2020年に渡英し、高校に入学。卒業後、University College London(UCL)に進学して、現在大学2年生。専攻は社会科学系で、経済や国際法、数学に環境学まで幅広く勉強しています。
住んでいるのはロンドン。都会だけど自然が多く、4月に入ると暖かくなってくるので休日には公園に行ったり、カフェの外のベンチでゆっくりしたりするのがお気に入りです。こういうひと時に、「ああ、私いまロンドンで生きているんだな」としみじみ感じます。
月曜日:全休だけど、むしろ一番ハード?!
週で唯一、授業がない全休の月曜日。だけど11時から22時までバイトしています。日本食レストランでホールを担当していて、立ち仕事+スピード勝負で、終わる頃にはいつもヘトヘト。
出勤前には、勤務先の近くにあるグリーンパークに寄って、一息つく時間をとっています。目を閉じながら深呼吸して、「今週も頑張ろう」と自分に言い聞かせています。この時間、地味に救いです。
バイト先では賄いで日本食を食べられるから幸せです!やっぱり誰かが作ってくれるご飯は美味しい。

火曜日〜金曜日:授業、自習、バイト、グループ課題
火曜日から金曜日までは、授業がぎっしり……というわけでもないのですが、課題や自習、ミーティングで結局毎日フル稼働しています。
火曜日
- 11:00〜国際法の講義
- 午後:カフェや図書館で勉強
- 16:00〜グループ課題のミーティング
- 夜:友達とディナー🍽
授業やミーティングが入っていますが、他の日と比べるとちょっと余裕があります。友達と夜ご飯に行けるのはうれしくて、ご褒美タイムです。

水曜日
- 日中:データベースの講義→中国語のセミナー
- 夜:課題の読み物+グループ課題のオンラインミーティング
イギリスの大学は授業時間(コンタクトアワー)が少ないです。その分、自習や文献調査など自分でやる部分が多くて荷が重いです。コマ数が少なくても、全然ラクではありません。特にテスト前やレポート提出前は、ものすごいプレッシャーに押しつぶされます。
そして水曜日の夜に入りがちな予定は、グループ課題のミーティングです。日中はそれぞれ授業などがあり、なかなか集まれません。その結果、夜10時スタートなんてこともしばしば。でも、その中で「こんな考え方があるんだ!」と刺激を受けたり、ちょっとした雑談で笑ったりする時間が、実はわりと好きなのです。
木曜日
- 日中:経済・数学とデータベースの授業
- 帰宅後:連載原稿を書いたり家庭教師の準備をしたり
経済の2時間講義と数学で頭がパンパンになる日。でもこういう日は、「今日はこれだけでOK」と自分に言い聞かせるのが大事だと思っています。全部完璧にやろうとするとパンクしますからね。
金曜日
- 午前:数学の講義
- 午後:家庭教師
- 夕方:友達が出演している演劇を観に行く!
ロンドンはミュージカルの街としても有名で、観光地としても超人気です。
私はそこまでミュージカルガチ勢ではありませんが、友達にすごく才能ある子がいます。その子が大学の演劇に出演しているのでたまに観に行きます。知人が舞台で輝いている姿を見るとなんだか不思議な気持ちになりますね。「私たち、同じ大学生だよね……?」と思ってしまうくらいプロ顔負けで、純粋に尊敬します。そしてふと、「こんな文化が身近にある街で学んでいるんだな」と、ありがたみを再確認する機会になります。
留学生活の何気ないこういう瞬間に気づきがあるから面白いのです。
土日:ちょっとリセット、でも完全には休めない
土日は授業がないです。その分、平日にはできないことにまとまった時間が使えます。休みつつも、やらなければいけないことが多いです。
土曜日
- 午前:平日にできなかった掃除、洗濯、買い出し
- 午後:ロンドン市内をぶらぶら、サンプルセールやカフェ巡り
- 夜:Netflixでだらだらタイム
日曜日
- 午前:毎週恒例、お母さんとのビデオ通話(時々、東京で大学生をしている姉も登場)
- 午後〜夜:翌週の予習、授業のノート整理
一人暮らしで一番つらいのはやはり孤独感に襲われることです。だから家族とつながる時間は本当に大事です。ちょっとした愚痴でも、誰かが聞いてくれるだけで気持ちが全然違います。
あとは普段忙しくてできないような込み入った料理を作ってみたりしながらリラックスします。

留学生活の工夫いろいろ
イギリスでの生活は日本と異なる部分が多く、無理し過ぎず自分に合った習慣を見つけることが大事です。ここでは私が実践していることを紹介します。
- 食費節約術: 自炊が基本。野菜+卵は最強コンビで、最近はキャベツと卵のオイスターソース炒めが定番メニュー。アジアンスーパー、ほんとありがたい
- 時間管理: GoogleカレンダーとToDoリストで、予定とタスクを見える化
- 冬のメンタル対策: ロンドンの冬は暗い。光目覚まし時計、カフェの明るい照明、外に出て歩く、など試行錯誤中

ロンドン2年目の今、少しだけ「バランス」がわかってきた
ロンドン暮らし1年目の去年は、物価の高さにびっくりしました。この大円安時代においてなおさら、何もかも高く感じます。そんな中で「節約しなきゃ……」と焦り、あまり楽しめなかった部分もあったと思います。
特に周りには派手で華やかなライフスタイルを送ってる人が多く、「羨ましいな〜」と思ってしまったり、自分と比べてしまったりすることがよくありました。
でも2年目に入ってから、少しずつ自分に合ったバランスがつかめてきた気がします。例えば普段から以下のようなことをしています。
- 平日は基本、自炊。コーヒーも家で淹れて、タンブラーで大学へ持参
- カフェはご褒美として週1〜2回くらい
- 週末はちょっといいレストランやバーで友達と過ごす
ロンドンで学生生活を送れるのは人生の中でも限られた時期だけです。将来社会人になって、ロンドンにいられる保証はないからこそ、今しかできない経験をしておきたいと思うようになりました。

週末の味方:図書館と、がんばる人たちの背中
ありがたいことに、UCLの図書館は週末も開いています。場所によっては24時間利用可能で、深夜も灯りがついています。
私は夜型ではないため遅くまで残りませんが、土日も使えるのは本当に助かります。そして何より……
いつ行っても図書館は混んでいます。
みんな黙々と課題に取り組んでいる姿を見ると、「よし、私も頑張ろう」と自然と思えるんですよね。たぶん、勉強のモチベーションは環境の影響が大きいと思います。
人とのつながりは、何よりのライフセーバー
留学生活で一番大切だと思うのが、「人とのつながり」です。
- しんどい時に「大丈夫?」と声をかけてくれる友達
- 情報をシェアし合える仲間(例:穴場カフェ、学割が使えるミュージカルなど)
- 「なんか最近落ち込んでいるな」と察し、ランチに誘ってくれる友達
こういう小さな支えの積み重ねが、留学を続ける力になっていると思います。
最近は就活も少しずつ意識し始めていて、コネクションがより重要になっていると感じました。助け合いは情報の共有から生まれることも多いのです。だから情報を持っている人と話す、自分もシェアするという姿勢は、これからもっと大切にしていきたいと思います。
🎓 最後に
留学生活はSNSで見るよりずっと地味だし、孤独だし、大変です。でも、その中で「どうやって自分の生活を整えるか」を少しずつ学んでいます。「今日は頑張ったな」と思える日も、「何もできなかった……」と落ち込む日も、どっちもあっていいと思います。完璧じゃない生活の中で、ふと見つけた自分だけのルーティンや居場所が、私にとっての“留学の醍醐味”かもしれません。
これから留学を考えてる人にとって、ほんのちょっとでも参考になったらうれしいです。そして、今留学中でバタバタしてる人へ──「がんばっているの、ちゃんと自分が知ってるよ」とお伝えしたい。