はじめに
こんにちは!Kotokoです。今回は、正規留学生としてイギリスで暮らす私が体験したバイト事情についてお話しします。私がバイトを始めたきっかけは、ファウンデーションコースに通い始めた頃、たまたま日本食レストランの前を通りかかり、店頭に貼られていた求人チラシを見つけたことでした。そこから応募し、現在もそのレストランで働いています。
この記事では、私自身の経験や大学の友達の話をもとに、イギリスで留学生が働くための条件や、実際の仕事の様子、バイトを通して得たこと・大変だったことなどをリアルにお伝えします。
イギリスでバイトをするための条件
イギリスで実際にバイトを始めるには、いくつかのルールや準備が必要です。ここでは、私自身の体験をもとに、バイトを始めるためにまず知っておくべき基本的な条件についてご紹介します。
働ける時間の制限
イギリスでは、 Student Visa(学生ビザ)を持っていればアルバイトが可能です。ただし、働ける時間には制限があります。
私がファウンデーションコースに通っていた時は、週10時間以内という規定がありました。一方、学部生(大学生)は週20時間以内まで働くことが認められています。
なお、冬休みや夏休みなどの長期休暇中は、この時間制限が解除され、フルタイムで働くことも可能です。
National Insurance Number(NIナンバー)の取得
イギリスで正式に働くには、National Insurance Number(国民保険番号/NIナンバー) が必要です。これは、日本でいうマイナンバーや年金番号のようなもので、納税や保険の記録に使われます。
取得はオンラインで可能で、手元にパスポートを用意しておく必要があります。申請フォームに従って、名前・住所などの個人情報を入力していきます。申請が完了すると確認メールが届き、2〜4週間ほどでNIナンバーの書類が郵送されてきます。
申請ページはこちら(英語):

銀行口座の開設
バイトの給料を受け取るためには、イギリス国内の銀行口座が必要です。
私は父のすすめで、ネット銀行(オンライン銀行)のMonzo(モンゾ)を選びました。口座開設はとても簡単で、すべてアプリ上で完結します。
Monzo口座の開設手順:
- アプリをダウンロード
- メールアドレスを入力し、届いたリンクから認証
- 名前・生年月日・住所・携帯番号(SMS認証)を登録
- 職業・収入・住居・NIナンバーなどを入力
- パスポートなどの身分証明書、顔写真、指定された動画を撮影してアップロード(本人確認)
- PINコードと配送先住所を設定
- 数日でデビットカードが自宅に届く(私の場合は1週間以内でした)
カードが届く前でも、スマホのタッチ決済(Apple PayやGoogle Pay)で支払い可能なので安心です。
バイトを始めるまでの流れ
イギリスでバイトを始めるには、日本とは少し異なる手順や文化があります。最初は戸惑うかもしれませんが、流れを知っておくことでスムーズにスタートを切ることができます。ここでは、実際に私が体験したバイトを始めるまでの流れをわかりやすく紹介します。
求人の探し方
イギリスでの主なアルバイト探しの方法は、日本と少し似ています。代表的なのは以下のようなものです:
- Indeed:日本にもある有名な求人サイトのイギリス版
- MixB:イギリス在住の日本人向け掲示板で、求人情報も多く掲載
- お店に貼られている求人ポスター
- 友達の紹介
- 大学内の求人(キャンパス内の仕事など)
私は日本食レストランの店頭に貼ってあった求人ポスターをたまたま見つけて、そこに書かれていた連絡先に直接応募しました。
CV・カバーレターの準備
イギリスでは履歴書のことをCV(Curriculum Vitae/カリキュラム・ヴィタエ)と呼びます。記載内容は、日本の履歴書と似ていて、名前・連絡先・学歴・職歴・スキルなどです。
私はCanva(キャンバ)という無料アプリを使ってCVを作成しました。テンプレートが豊富で、おしゃれで見やすいCVが簡単に作れるのでとてもおすすめです。
職種や応募先によっては、カバーレター(志望動機書)の提出が求められることもあります。カバーレターにはなぜその仕事に応募したのか、自分がどう貢献できるかなどを簡潔にまとめます。Microsoft Wordなどで作成するのが一般的です。
応募・面接・トライアルシフト
求人情報に沿って応募したら、いよいよ面接へ……と言いたいところですが、実際には応募しても返信がこないことがよくあります。
私の大学の友達も10件応募して1件返事が来るかどうかというくらいの感覚で応募していました。なので、落ち込まずに数を打って根気よく応募することが大事です。
返信が来たら、次は面接の日程調整です。私の場合、面接では以下のような質問をされました:
- なぜ応募したのか(志望動機)
- アルバイト経験の有無
- 自分のスキルや長所
- どのくらい働けるか(週何日、何時間など)
英語での面接は緊張しますが、事前に聞かれそうな質問の答えを準備しておくと、落ち着いて受け答えできます。
さらにイギリスでは、Trial shift(トライアルシフト)と呼ばれるお試し勤務が行われることがあります。これは採用前に1〜3時間程度、実際の職場で働いてみる制度です。職場との相性や仕事への適性を確認するためで、無給の場合が多いです。
その場で採用が決まることもありますが、後日連絡される場合や、不採用になることも普通にあります。トライアルまで行って落ちると落ち込むかもしれませんが、イギリスではよくあることなので、諦めずに応募を続けることが大切です。
私のバイト経験談
イギリスに来てから、勉強だけでなく実際に働くことで得られる経験にも興味がありました。ここでは、私が実際にバイトを通してどんな仕事をしてきたのか、英語での接客や職場の雰囲気など、リアルな体験を紹介していきます。
仕事内容・時給
私の職場は日本食レストランで、ホールスタッフ(イギリスでは「Server(サーバー)」と言います)として働いています。主な仕事内容は、オーダーを取ること、料理の配膳、そしてお会計などです。料理名は日本語が多く、スタッフにも日本人がいるため、英語にまだ自信がなかった私でも比較的働きやすい環境でした。まかないも出るので、食費の節約にもなって助かっています。
時給は£13.85(約2632円)※で、イギリスの最低賃金(2025年4月現在£12.21)よりも少し高めです。私の職場ではチップを受け取ることがルール上できませんが、イギリスのレストランによってはチップがあるところもあります。友達のバイト先では、お店の売上に応じてその日のチップをホールスタッフとキッチンスタッフで均等に分けているそうです。
※1ポンド=190円で計算
英語での接客対応
英語での接客に最初は毎回緊張し大変だったことを覚えています。しかし使うフレーズはだいたい同じで慣れれば自信をもって接客できるようになりました。日本に比べてビーガン、ベジタリアンの人が多く、メニューについて質問されることがよくあります。そのため、料理に使われている食材を英語で覚えたりメニューについて説明したりできるようにすると完璧だと思います!
職場、お客さんの雰囲気
私の職場では、日本人だけでなくさまざまな国籍の人が働いているため、最初は英語でコミュニケーションを取りながら仕事をするのに苦労しました。日本では当たり前だと思っていたこと(たとえば時間を守ることなど)が、こちらでは必ずしも当たり前ではない場面もあります。でも、そういった違いも含めて、日本ではできないような貴重な経験ができていると感じていて、今は楽しく働いています。

お客さんの雰囲気は、日本よりもフレンドリーな人が多い印象です。日本食レストランということもあり、日本に興味を持っている方が多く、話しかけてくれることがたくさんあります。そうした会話を通して、英語力も少しずつ上達していると感じます。ただ、たまにホームレスの人が店に入ってきて暴れるので、日本に比べると少し治安に不安を感じる場面もあります。
バイトを通して感じたこと
留学生活の中でバイトをしている私の感想を2つ紹介します。
学業との両立の難しさ
テスト期間や課題の提出締切が近づくと、どうしてもやることが増えてしまい、バイトとの両立が大変になります。私も実際、忙しい時期は時間のやりくりに苦労しました。そのため、テスト前のシフト調整がしやすく、学業を優先させてくれる柔軟な職場をあらかじめ選ぶのがおすすめです。
お金の使い道と自由度
バイトを始めると、お給料が自分のお金として自由に使えるようになります。そのおかげで、好きなものを買ったり、友達とおいしいごはんを食べに行ったりと、イギリス生活がさらに楽しくなりました。特に、イギリスからヨーロッパ諸国への旅行も比較的安く行けるので、私はバイトで貯めたお金を使って旅行に行くのが最近の楽しみになっています!


バイトをするうえでの注意点
私がバイトを始めるうえで特に大切だと思う、最低限注意しておくべきポイントを2つ紹介します。
労働条件の確認
イギリスでバイトをする際に特に注意したいのが、労働条件の確認です。まず、交通費が支給されないのが一般的なので、自分で通勤費用を負担する必要があります。また、まれに給料の未払いが発生することもあるため、給与がきちんと支払われているかをしっかりチェックしましょう。さらに、最低賃金より低い時給で働かされるケースもあるので、応募前にその職場の時給がイギリスの最低賃金を満たしているか確認することが大切です。
応募の厳しさとメンタルの大切さ
先ほども紹介した通り、イギリスでは応募しても返信がなく、面接やトライアルシフトに進むだけでも一苦労ということがよくあります。また、ようやく採用されてもシフトが徐々に減らされ、最終的には働けなくなる(事実上の解雇)ことも珍しくありません。だからこそ、落ち込むことも多いかもしれませんが、これはよくあることだと割り切り、強いメンタルを持って挑むことが大切です。
まとめ
私は学生でありながらアルバイトを経験し、大学での学びと同じくらいたくさんのことを肌で感じ、勉強になりました。日本とは異なる国で働くのは大変ですが、とても刺激的で、英語力だけでなくさまざまな面で成長できると感じています。アルバイトを始めてから交流の幅も広がり、本当に始めてよかったと思っています。大学生は勉強で忙しいので、学業を優先し無理しないことが大切ですが、興味がある方はぜひ挑戦してみてください。一緒に頑張りましょう!