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イギリス大学留学Pre-Departure Event 2025@東京 #3|舞台裏に迫る

イギリスの大学留学を始める学生向けに8月23日にPre-Departure Event 2025が開催されました。この記事では開催までの経緯や当日の準備など、イベントの舞台裏をお届けします。

イベントの裏側はこちらの動画にもありますので、併せてご覧ください!

開催の経緯: Moi Educationとのコラボ

今回のイベントは4大学のJapanese Societyの合同開催ですが、中心となって進めてきたのがImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のJapanese Societyです。インペリアルJapanese SocietyのSecretaryのSaraさんによると、一つ上の学年のコミッティーから「いつか東京でイベントを開催したい」という話をずっと聞いていたと言います。

夏休みに代が替わり、25/26年度のコミッティーとしていろいろなイベントの企画が始まりました。その時に、Moi Education代表のMakiさんと別の件で打ち合わせをしていた際に、「東京で渡航前イベントを開催したいです」と話を持ち込み、Makiさんが「ぜひ一緒にやりましょう」ということでした。

インペリアルJapanese Society副会長のYukaさんによると、インペリアルにあるSingapore Societyなど、他の国の団体が毎年開催しているため、それらを参考にしたそうです。

事前準備: 4大学のJapanese Societyが打ち合わせで調整

イベントの運営は会場探しやInterest formを利用して参加者数を予測するところから始まりました。しかしインペリアルのみではかなり小規模になることが分かったそうです。加えて8月中旬にならないとA-levelの結果が出ず、その関係で参加を決められない新入生が多いことが浮かび上がりました。また、他大学からの参加希望者がいたことも踏まえ、合同開催に踏み切りました。

コミッティー全員が「去年の自分が渡英前にあったらうれしかったイベントを後輩たちに届けたい」という思いを原動力に準備を進めました。

本格的に動き出したのは開催の約1カ月前です。インペリアルのJapanese Societyのメインコミッティーがプログラムの大枠を決め、他の参加校のJapanese Societyとオンラインでミーティングを重ねました。イベント全体の企画は主にSaraさんが「去年の自分が渡航前に知っておきたかったこと」をベースに決めました。

それに加え、学部、大学、都市が異なるメンバーからも意見も入れて、より多様な視点から見たイギリス留学、そしてコミッティー全員が新入生に伝えたいことを追加していきました。

当日の準備: リハーサルなど最終調整

Pre-Departure Eventのポスター
Pre-Departure Eventのポスター

イベント当日の午後2時、コミッティーたちが会場に集まりました。まずは椅子や机の並べ替えなどをして会場設営をしました。第二部がスムーズに始められるように、大学ごとにテーブルを分け、印となる大学のロゴを貼った。その後、プレゼンテーションで使用する大型ディスプレーの準備と接続をし、発表の流れのリハーサルも行われました。

各大学のJapanese Societyのコミッティーが打ち合わせをしている様子
各大学のJapanese Societyのコミッティーが打ち合わせをしている様子

開場の時間になったらSaraさんが入口近くで受付の準備を始め、パソコン上に名簿を表示させました。受付と同時に参加者に名札を自分で書いてもらえるよう、名札シールが用意されました。

責任者のSaraさんインタビュー

今回のPre-Departure EventはImperial College LondonのSaraさんが企画し、他の3つの大学のJapanese Societyのコミッティーとの調整などを行いました。責任者のSaraさんに開催の経緯、準備の過程などについて聞きました。

Pre-Departure Eventでプレゼンテーションを行う責任者のSaraさん
Pre-Departure Eventでプレゼンテーションを行う責任者のSaraさん
Q: 実際に開催してみてどうでしたか?

イベントをやって本当によかった、というのが一番の感想です。何よりも「来てよかった!」「いろんな人と会って、話せて楽しかった」「役立つ情報をすでにイギリス留学している先輩たちから聞けて参考になった」という声をいただけたのがうれしかったです。

ぜひ今後も続けていきたいですし、来年度以降のコミッティーに引き継ぎたいですね。今回参加してくれた後輩たちに熱意とイベントの良さが伝わっていることを願います。

Q: 開催にあたって、大変だったことはなんですか?

一番苦労したのは、夏休みの時期に企画を動かしたことです。みんな旅行や予定がある中で、ミーティングに参加したりスライドを作ったりしないといけなくて。私も旅行先のホテルからオンラインミーティングに出たりしていました(笑)。

インペリのコミッティーは普段から仲が良いので、単に「仕事仲間」だけでなく、お互いの時間も大切にしつつイベントを成功させたい気持ちもあって、そのバランスを取るのが難しかったです。でもそういう中で「連絡のプラットフォームを仕事用とプライベート用に分ける」みたいな工夫も生まれて、チームとしても個人としてもすごく成長できたと思います。

Q: 今回開催した中でよかった点や改善点を踏まえ、次回以降はどのような変更を行いますか?

毎年続けていけるイベントにしたいと強く思っています。

今回のイベントの良かった点の一つとして、参加者同士が大学や学年、留学の形態や先輩後輩といった枠にとらわれず、自由に交流できる雰囲気が自然と生まれたことです。当初私が目指していた以上に素敵なものでした。

今後は参加校が増えたり認知度が上がったりして規模がより大きくなっていく可能性もありますが、数に流されず「温かい雰囲気のイベント」であり続けてほしいです。

プレゼンテーションの内容に関しては改善できる点も多いと感じています。就活関連の少しシリアスな内容から、各都市の日本食事情といった日常に密着した話題まで、バランスの取れた構成にはなっていたと思いますが、基本的にコミッティーが一方的にプレゼンする形だったので、今後はもっとインタラクティブにできると良いと思います。

第二部は各校のブースを設置して、自由に話せるフリートークタイムとしましたが、ワークショップのような形で、いろんなバックグラウンドの学生を集めたグループで何かアクティビティをするのも面白いかもしれません。

インペリのJapanese Societyの場合、毎年2年生がコミッティーを担当するのが慣例です。来年以降私がどんな形でJapanese Societyに関わっていくかは未定ですが、今回のイベントで得た学びや感想は、必ず次の世代に引き継ぎたいと思っています。

Q: 最後に新入生へのアドバイスをお願いします!

ワクワク、ドキドキ、緊張、色んな気持ちでいっぱいだと思いますが、ぜひ思いっきり楽しんでください!大学は自分の世界がどんどん広がっていく場所です。そしてロンドンは多様性にあふれ、毎日新しい刺激がある街です。たくさんの人に出会い、色んなコミュニティに参加して、多くの経験を積むことが、きっと素敵な大学生活になります!

もちろん、勉強という本業も忘れずに。Japanese Societyにもぜひ遊びに来てくださいね☺︎

Pre-Departure Eventに参加した新入生とJapanese Societyのコミッティーたちの集合写真
Pre-Departure Eventに参加した新入生とJapanese Societyのコミッティーたちの集合写真

コミッティー紹介

イベント中に主催したJapanese Societyのコミッティー3人に話を聞くことができ、現在の専攻やロンドン生活の楽しみなどをご紹介します。

Saraさん

Saraさん
Saraさん

所属: Imperial College London, Medical Biosciences
Japanese Societyでの役職: Secretary

小さい頃から理科が好きで、人体構造や病気の仕組み、薬効を学ぶことが面白くて、そこから医療生物学に惹かれるようになりました。また、エジプトやミャンマー、インドといった医療体制が十分でない国々で暮らした経験も大きな理由です。

質の高い医療にアクセスできない現実を目の当たりにし、国際機関やNGOが医療支援で果たしている役割に感銘を受けました。その中で私は、医薬品や医療機器の研究開発を通じて、人々が安心して医療を受けられる社会づくりに貢献したいと考えるようになりました。

インペリアルのMedical Biosciencesは、医療生物学を幅広く学べるだけでなく、研究者としての基盤を養うことができるコースです。自分のやりたいことや将来必要なスキルと一致していたため、進学を決めました。

大学生活では、3歳からずっと続けているバレエを楽しんでいます。ダンスサークルのバレエ部門に入っていて、毎週のクラスに参加したり、コンペティションチームで踊ったりしています。2年生からはチームのコミッティーとしてクラスのインストラクターもやっています。

寮生活が始まってから料理にハマっていて、自分のキッチンでディナーパーティーを開いたり、作り置きを工夫したり、各国の友人からレシピを教わったりと、多国籍な環境ならではの楽しみを満喫しています。

それからJapanese Societyの活動も、今年度からコミッティーとして本格的にスタートしました。大変なこともありますが、Secretaryとして仲間と一緒に楽しく仕事しています!

Rukaさん

Rukaさん
Rukaさん

所属: Imperial College London, Biomedical Engineering
Japanese Societyでの役職: Vice President

医療分野に応用できる工学の知識を幅広く学んでいます。1、2年のうちは講義とテストが中心で、3、4年になると実験・実習が増えると思います(MEng/学部・修士一貫課程なので4年間です)。

元々医学部を視野に入れながら医療系に関わりたいという気持ちがありました。将来のことを考えた時に、企業に入って医療機器の開発に携わりたいと思うようになりました。それで学部のコースをいろいろ調べていたら、インペリアルのBiomedical Engineeringが一番自分にぴったりだったのでそこにしました。

今のところ勉強は思っていたほどは忙しくないのですね。一応毎日勉強するように意識していますが、遊びに行く余裕は意外とあります。ロンドン生活の中で、観光が楽しいです。いろいろなマーケットというか屋台っぽいのがいっぱい集まっているバラマーケットなどがとても良かったです。

Shinichiroさん

インタビューを受けるShin-ichiroさん
Shin-ichiroさん(左)

所属: The London School of Economics and Political Sciences, Economics
Japanese Societyでの役職: Secretary and Language Officer

今回のイベントでは会長代理として来ました。LSEのJapanese Societyは他の大学と比べるとかなり小規模ですが、このイベントではLSEの新入生が一番多くてちょっと困惑しています(笑)。

今までブラジルのサンパウロ、インドネシアのジャカルタ、アラブ首長国連邦のドバイと、世界を転々としてきた中で、たくさんの気づきを得られました。貧困に直面している人や富裕層など、幅広い層の人々を見てきた中で、社会問題の解決に経済は大きいなツールの一つになると考えるようになりました。そこで経済に興味を持ち始め、社会科学に特化したLSEで経済学を専攻したいと決めました。

また、イギリスの大学の経済学専攻は数学重視で、どちらかというと理系寄りです。この点は自分に合っていたので、イギリスの大学を選びました。1年目の勉強はIBの延長線上くらいの感覚で、そこまで難しいとは感じなかったです。大体大学に入学できた時点であるの程度学力はあると思いますので、あとは努力を続けて、強い信念があればできると思います。

ロンドンでの生活はご飯がまずい以外は楽しいです。この前、久しぶりに日本に帰ってきて、お母さんが作った白米を食べた時は感動しました。


Pre-Departure Event全体の様子と新入生インタビューはこちらからご覧いただけますのでぜひ読んでみてください!


今回のイベントのスポンサー:

Moi Education
イギリスへの正規留学を経験したコンサルタントがボーディングスクール受験・海外大学進学のサポートをします。出願サポートだけではなくバイリンガル講師による英語や入試対策のサポートも受けられる、アカデミックに強い留学エージェントです。GCSE/I...

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僕がイギリスの大学を選んだ理由。留学先の決め方は?

僕は2021年にイギリスのKing’s College London(キングスカレッジロンドン)に進学し、2024年の8月に卒業することができました。生まれてからずっと日本で育ってきた僕は、高校で国際バカロレアコースを履修し始めたあたりで海外の大学に進学することを意識し始めました。今回の連載では、自分がキングスカレッジに進学することに決めた経緯とそこでの経験とを照らし合わせて、イギリス留学のメリットと留学先の決め方を紹介していきたいと思います。 King’s College London(キングスカレッジロンドン)のMaughan Library イギリスの大学に留学するメリットとは イギリスに留学するメリットは、世界トップクラスの大学で質の高い教育はもちろん、それ以外にも幅広い経験を積むことができるところにあります。ここではそんなイギリスの大学の特徴を紹介していきます。 質の高い教育 イギリスの高等教育機関の教育と研究は世界の中でも、高い水準を保っていることで知られています。様々な学部や学科があり、特に芸術系(アートやデザインなど)の学部などで日本にはないような幅広い専門分野を勉強することができます。僕は元々リベラルアーツ学科(Liberal Arts - 人文学・芸術などの知識を断面的に学ぶ学問)に興味があり、King’s College Londonのリベラルアーツでは自分が特に興味がある音楽や映画の授業を履修できるというのが大きかったです。インターンシップができる履修科目(イギリスではモジュール - Moduleという)があり将来のキャリアにつながるようなプログラムが組み込まれている学科もあります。 キャンパスの設備が豊富 イギリスの大学のキャンパスは設備が豊富で、図書館や研究室の他にも劇場や映画館がある大学もあります。高校2年生の冬に大学を見学しに行った時に、僕は大学の大きな図書館に強い印象を持った覚えがあります。King’s College Londonの他にも見学しに行ったUniversity of Leeds(リーズ大学)やThe University of Sheffield(シェフィールド大学)などはロンドンから離れた町にある分、静かな環境に大きなキャンパスがあり、勉強に集中できそうだなという印象を持ちました。 手厚いキャリアサポート 大学によっては卒業後もキャリアをサポートしてくれるところがあります。キングスカレッジには履歴書の添削や面接の練習を行なってくれるキャリアセンターがあり、僕も卒業前後にそれらをうまく活用しました。これらの充実した教育や設備があって、教育力や研究力などで世界中の大学の水準を評価するTimes Higher Education(THE)ランキング(2024年時点)ではトップ10にイギリスから3校、トップ100には11校が選出されています。 3年制なので学費を抑えられる 留学先で人気があるのはアメリカ、イギリス、カナダというイメージがありますが、イギリスは留学資金(学費・生活費)含めて残りの2カ国より割安というデータがあります。アメリカの大学が学士課程に4年間かかる中で、イギリスのほとんどの大学は学士課程が3年間で、2年制の学位を提供しているコースもあり留学費用の節約にもつながります。もちろん留学生向けに様々な奨学金制度があるのでそれらを調べることも大切です。 ロンドンの景色 ロンドン留学生の課外活動について 留学先を決める時は、授業外で何ができるかも考慮するべきポイントです。 ロンドン大学のサークル イギリスの大学にはSociety(日本でいうサークルのようなもの)があり、スポーツ系や芸術系など様々なジャンルのものが存在します。King’s College Londonには300種類近くのソサエティがありました。僕は小さい頃からバイオリンを弾いていて、大学に大きなオーケストラのソサエティがあると知った時、楽しそうだなと覚えがあります。ソサエティによっては気軽に参加できるものもある一方、賞や大会などの目標に向けて本格的に活動しているものもあります。 その他にも、イギリス、特にロンドンには博物館や美術館などがたくさんあり娯楽の選択肢がたくさんあることも魅力的です。特に僕は小さい頃からイギリスの音楽やサッカーが好きで、なかなか来日しないミュージシャンのコンサートに行ったり好きなサッカーチームの試合を現地のスタジアムで観戦できるのは憧れでした。イギリスは他のヨーロッパ諸国にすぐ旅行できる場所にあり、大学の休暇を利用して様々な文化を体験しに行くこともできます。 ロンドン中心部のレスタースクエア(Leicester Square) イギリスの多様性から得られるもの イギリスは移民の受け入れに積極的で多様な文化が共存しています。大学にも様々な国から学生や教員がやってきており、様々な文化を知ったり、物事を多角的な視点で考える力などを養うのに最適な場所です。国や地域ごとのSociety(King’s College LondonのJapan Societyには日本人の他にもアジア系の人だったり日本の文化に興味があるイギリス現地の人が集まる人気のソサエティです。日本語教室を開催したり、お正月の書き初めなどのイベントをしたりします。)もあり、様々なバックグラウンドを持つ人と交流できる機会があります。特にロンドンのような大都市では街を歩いているだけでも、様々な人にすれ違い様々な言語が聞こえてきます。ここで勉強できるのは自分の視野を広げるのにピッタリだなと思ったのも、イギリスに進学することを決めたきっかけでした。 【イギリスの大学】留学先を決める時のポイント 僕が志望校を選択したのは高校1年の終わりのことでした。大学進学に向けて目標(大学ごとに定められたIB、A-Levelの入学基準スコアなど)を設定したりPersonal Statement(パーソナルステイトメント)などの出願準備をするためにも、志望校は早めに絞った方がいいと思います。UCAS(イギリスの大学出願機関)を使って出願する際、第5希望まで決めることができます。ここでは志望校を選択する時にするべきこと、考えるべきポイントを書きたいと思います。 大学を徹底リサーチ 大学の教育・設備やそこでどのようなキャンパスライフが送れるかは場所によって全く違うので、各大学のリサーチは慎重にする必要があります。 まず参考にしたのは世界大学ランキング 僕の場合、まずは先ほど紹介した大学ランキングを見て、どの大学に自分の勉強したい学科があるのか調べるところから始めました。Times Higher EducationやQS World University Rankingsなどの大学ランキングは総合ランキングだけではなく、専攻別などのランキングも発表されているので調べる上でとても参考になります。 大学の公式サイトを読み込む 自分の気になる大学・学科を絞り出した後はその大学のウェブサイトを見てみました。イギリスでは大学の総合案内書をprospectus(プロスペクタス)と言い、ウェブサイトで紙のバージョンを申請できる大学もあります。大学のprospectusやウェブサイトには卒業生の就職率や留学生の割合などが書かれているので、大学でどのような生活を送れるかの大体の指標にもなります。 留学イベントに参加 日本ではSI-UK(Study International UK Limited)やbeoと言ったコンサルタント会社などが主催となって留学フェアや進学セミナーが毎年行われています。実際に現地の大学の教員の方と交流できたり資料をゲットできる機会なので、効率的に活用しました。一つの大学が日本に来て(もしくはオンラインで)説明会を行うこともあります。 オープンキャンパス(Open Day) 日本の大学と同じようにイギリスの大学もオープンキャンパス(Open Day)を開催しています。実際に大学内を見学するのは、学校への理解が深まるので志望校を絞るのにとても効果的でした。大学によって開催される時期は違うので、もしオープンキャンパスに行けない場合はオンラインでバーチャルツアーができる大学もあります。その他にもソーシャルメディア(Instagramなどの大学の公式アカウント、学部やソサエティのアカウントなど)を活用して、現地の学生や卒業生の声を聞いたりするのも1つの手段です。 大学の環境が自分に合っているか考える 志望校を選ぶ場合、大学の教育内容や設備などに目が行きがちですが、その大学が自分の性格や目標に合っているのかも考えるべきポイントです。例えばイギリスに留学する際は、ロンドンの大学で勉強するか、それ以外の都市に行くかの二択に分かれますが、結果的に自分に合ってない環境で3年間勉強することになるのは辛いので、自分が納得できる選択をするべきです。世界の中心地の一つであるロンドンでの生活は都市のスピード感が速く、多文化的な環境であることも含めて刺激的な経験をすることができます。その一方で、地方都市ではOxford(オックスフォード)やCambridge(ケンブリッジ)などその地域特有のコミュニティがあります。ロンドンに比べて物価が比較的安いことも含めて、リラックスした環境で勉強できる利点があると思います。 イギリスの大学選びは「自分軸」で決めよう 最終的に僕はロンドンの大学を3校、ロンドン以外の大学を2校選択して出願しました。どちらを選ぶかは、あなたが何を大学生活に求めているか、自分に合った生活スタイル、予算などで変わってくると思います。ここはランキングなどに流されず、自分がどうしたいかを大切にしましょう。 イギリス留学には多くの魅力があり、まず自分に合った大学を選ぶことがそこで充実した経験をすることへの第一歩です。今回紹介したポイントを参考にしながら、ぜひ理想の留学先を見つけてください。 https://jp.education-moi.com/article-30

ごく普通の高校生がロンドンの大学生に: 留学までの道のり

はじめまして。Kotokoです。現在、Goldsmiths, University of London(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ)のMA Promotional Media(プロモーショナルメディア修士課程)に通っています。今回は、東京で生まれ育った私が2023年にロンドンへ来るまでの道のりを皆さんにシェアしたいと思います。 英語が身近にあった幼少期〜高校時代 私は、小・中学校は地元の学校に通い、友達と外で遊ぶのが日課の、ごく普通の子どもでした。昔から海外に行く機会はあまりなかったものの、父はアメリカの大学を卒業していることから外国人の方との交流は他の人より多く、その影響もあって英語を勉強したいと思うようになりました。 高校は都立の外国語コースがある学校に進学しました。このコースでは、数学や理科の授業が少ない分、普通科で行われる文法に加え、ディスカッションや英作文に力を入れた授業がありました。 受験英語は得意な方でしたが、スピーキングやリスニングの能力はあまり高くなく、英語が少し得意な高校生だったと思います。 きっかけは「留学プロジェクト・次世代リーダー育成道場」 そんなふうに高校生として日々を過ごしていたある日のこと。学校の先生から、東京都が主催する留学プロジェクト(次世代リーダー育成道場)について全体に案内がありました。そしてこれが、私の運命を大きく変えることになるのです。 海外の高校に1年留学できる「次世代リーダー育成道場」とは 「次世代リーダー育成道場」は、東京都教育委員会が実施している、都立高校・中等教育学校・都立中学校に在籍し、校長の推薦を受けた生徒を対象とした留学支援プログラムです。この制度では、参加者は海外の高校に1年間通いながらホームステイをすることができます。派遣時期により冬出発のオセアニア地域と夏出発の北米地域の2つのコースから選べます。 出典: 東京都教育委員会「次世代リーダー育成道場」公式サイト (https://www.ryu.kyoiku-kensyu.metro.tokyo.lg.jp/about.php) このプログラムは事前・事後研修もあり、留学中のみならず学ぶチャンスが多くあります。 ① 留学前の国内事前研修 研修は月に2回程度、主に日曜日に実施されます。参加者全員が集まり、語学力の向上に加えて、講演会などを通じて日本の伝統・文化・歴史への理解を深め、自分の目標について考える機会も得られます。 この事前研修の中でも特に重要なのがゼミナール研究です。 研修生はそれぞれ現代社会の課題を見つけ、国内での調査を行いながら、留学先での調査へとつなげていく研究のアウトラインを作成します。そして、留学期間を通じてこの研究を発展させ、論文としてまとめていきます。 ②ホームステイをしながら送る留学生活 現地の高校に入学し、授業を受けながら実践的な英語力を養います。 また、ホームステイ先が用意され、現地の家族との交流や多文化に触れる体験を通して、大きな成長が期待されます。 ③帰国後の成果発表会 留学での経験や学びをしっかりと形にするために、帰国後には成果発表会が行われます。 そこで出発前から取り組んできたゼミナール研究の成果を発表し、自らの成長や仲間たちの変化を改めて感じることができます。 ここまで紹介してきたように、語学力だけでなく、文化理解や社会課題への探究心を育てられるこのプログラムですが、実はもうひとつ大きな魅力があります。それは、費用面のハードルが非常に低く、手の届きやすいプログラムであるという点です。 参加するための費用は? 費用は、渡航費・滞在費・学費などの基本的な留学経費として80万円が必要です。 それ以外にかかる費用(パスポート取得、ビザ申請、保険、健康診断、予防接種、事前研修への交通費、制服代や教材費など)は、別途約70万円が自己負担となります。 そのため、総額はおよそ150万円です。しかし、通常の1年留学(200〜400万円程度)と比べると、非常にリーズナブルです。多くの生徒にとって現実的な選択肢となっています。 ※1ポンド=190円で換算しています 募集人数 令和7年度の募集人数は、A(冬出発)コース、B(夏出発)コースともにそれぞれ75名以内、合計150名以内となっています。 ただし、募集人数を含めた詳しい要項は毎年変わります。最新の情報は東京都教育委員会の公式ホームページに掲載されます。必ずその年度の次世代リーダー育成道場研修生募集要項でご確認ください。 コロナで留学断念!でも再び現れたチャンス ここまで次世代リーダー育成道場の概要や費用、応募条件について紹介してきましたが、実は私自身もこのプログラムに応募し、無事に合格。研修生として参加することができました。 しかし残念ながら、私が参加した年はコロナ禍と重なってしまいました。そのため本来予定されていたオセアニア地域への留学は叶いませんでした。それでも、事前研修を通して語学力だけでなく、社会課題への関心や自分自身の目標について深く考える機会を得ることができました。この経験から、日本を飛び出して、もっと広い世界を自分の目で見てみたいという思いが一層強くなりました。 そして高校3年生の夏前、幸運にも父のロンドン転勤が決まりました。これをきっかけに、ロンドンの大学を目指してみようと本気で決意したのです。 ロンドン大学に出願するまでの道のり: ファウンデーションコース 私はただ英語が好きなだけで英語力に自信もなくA-levelやIBといったイギリスの学部に直接入学が可能な国際教育資格を持っているわけではなかったのでFoundation Course(ファウンデーションコース)に入ることにしました。このことを担任の先生に相談すると、留学エージェントを紹介されました。それ以降、出願手続きやビザ申請など、専門的なサポートをエージェントにしてもらいました。 https://jp.education-moi.com/universities/uk/foundation 海外大学の情報収集 まず、大学で何を学べるのかを調べることから始めました。イギリスの大学では、1年次から専攻分野の学習が始まります。そのため出願時に専攻を決めておく必要があります。また、イギリスにはビジネス、アート、コンピューターなど、幅広い分野の学科があるため、自分に合った学科を見つけることができます。 私はメディアに興味があったので、「ロンドン」「メディア」「大学」といったキーワードで調べ、各大学の公式サイトで学費や必要なIELTSスコアを確認しながら検討を進めました。その結果、Goldsmiths, University of London(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ)とUniversity of Westminster(ウェストミンスター大学)それぞれのファウンデーションコースに出願することにしました。 必要書類について 出願を決めてから、各大学のファウンデーションコースのウェブページから必要書類や資格を調べました。大学によって多少異なりますが、一般的に求められる書類は以下のとおりです: 高校の成績証明書(英文) 卒業証明書(英文) 高校の先生からの推薦状1通(英文) personal statement(志望動機をまとめた英文エッセイ) パスポートのコピー IELTSスコア 私の通っていた高校には非常勤のALT(外国語指導助手)がいました。その先生に添削してもらいながらエッセイを完成させました。英文の成績証明書は英語の先生に相談したら作成してくれました。これらの書類がそろったら、留学エージェントに提出し、出願を代行してもらいました。 イギリスの大学出願は、UCAS(Universities and Colleges Admissions Service/ ユーカス)という専用のプラットフォームを通して行う必要があり、操作や手続きが少し複雑です。私の経験から言えば、エージェントのサポートを受けるのがおすすめです。 IELTSの勉強と必要スコア獲得 情報収集や必要書類の準備と並行して、IELTS対策もしっかりと進めました。  当時高校3年生だった私は、英検2級しか持っておらず、正直なところIELTSって何?という状態からのスタートでした。まずは出題傾向を理解することから始め、4技能それぞれに対して計画的に対策しました。ここでは、私が行った対策をスキル別にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください! Reading 時間内に問題を解けることを目標に、毎日時間を測って大問ごとに練習していました わからなかった単語はノートに意味と一緒にメモ。オリジナル単語帳を作って通学時などに繰り返し復習。毎日少しずつ語彙を増やすことを意識していました 私が作った単語帳 自作の単語帳では、左側に単語を、右側に品詞と意味を書いています。使い方も同時に調べました。特殊な使い方をする単語には例文をつけて使い方までマスターできるようにしています。 Listening 専門的な語彙も出てくるため、問題を解くだけでなく、BBCニュースを定期的に視聴して耳を慣らしました 特に聞き取れなかった単語は、スペルや発音をしっかり確認しました。意味はわかるのに聞き取れないのを防ぐようにしていました。ここでも単語帳が大活躍しました Writing 毎日1~2行でもいいので英語で日記をつけ、自分の考えを英語で表現する練習をしました。わからない表現は調べながら書くことで、語彙力と構文力が自然と身につきます 問題集を解き終わったら、ただ答え合わせするのではなく、英語の先生に添削してもらい、文法の細かいミスや表現の言い換えなどを学びました Speaking 動画に英語・日本語の同時字幕をつけられる拡張機能「Language Learning with Netflix」を使って、日常会話で使われるフレーズを中心にshadowing(シャドーイング)の練習をしました 学校のALTにお願いして、放課後に会話練習をさせてもらいました。最初は緊張してなかなか声をかけられませんでしたが、先生は初心者に慣れているので、思い切ってお願いすることが上達の近道だと感じました このような形で、4技能バランスよくIELTS対策を行っていました。 もちろん、高校3年生だったので定期テストもありました。成績も出願に必要な書類のひとつです。そのためテスト勉強とIELTS対策を並行してコツコツ取り組むことが大切です。 また、英検と違ってIELTSは受験料が通常 27,500円と高額です。そのため何度も気軽に受けることはできませんでした。そこで、留学エージェントが提供していた模擬テスト(公式IELTSの受験料の1/4ほど)を活用して、実力を確認したうえで本番に臨みました。 その結果、必要スコアであるoverall 5.5を無事に取得し、出願に至りました。 ロンドン大学ゴールドスミスカレッジに無事合格! 2月中には、出願していた2校どちらからも結果が届きました。ありがたいことに両方とも合格し、第一希望のGoldsmiths, University of London(ゴールドスミス大学)に進学することを決めました。 ただし、2月の時点ではまだ高校を卒業していなかったため、合格はConditional Offer(条件付きオファー)という形式でした。その後、高校を卒業し、証明書を提出したことでUnconditional Offer(無条件オファー)に切り替わり、ビザの申請手続きへと進むことができました。 メモ イギリスの大学からの合格通知には、大きく分けてConditional Offer(条件付きオファー)とUnconditional Offer(無条件オファー)の2種類があります。 ・Conditional Offer(条件付きオファー)→あとでIELTSスコアの提出や高校の卒業成績が一定以上であることなど、いくつかの条件をクリアすれば正式に合格になる ・Unconditional Offer(無条件オファー)→すでにすべての条件を満たしている場合に出される、正式な合格通知 詳しくはこちらの解説記事にわかりやすく説明されています。 イギリス留学: 出発までの日々 高校を卒業した後も、英語の勉強は続けていました。IELTS対策のときに使っていた単語帳を引き続き活用し、新しい単語にできるだけ多く触れるよう意識していました。それに加えて、今度は会話で使えるカジュアルなフレーズを中心に学ぶようにしました。 特に、私が今でも続けているのが、InstagramやTikTokで紹介されている英語フレーズの動画を活用した学習です。さらに、特定のフレーズが映画やドラマの中でどのように使われているかを検索できるplayphrase.meというサイトを使って、実際に使われる生きた英語を身につけるよう心がけていました。 もちろん、勉強だけでなく友達との時間も大切にしていました。イギリスに行ってしまうと日本の友達と気軽に会うのが難しくなります。高校卒業後の時間は、思い出をたくさん作る良い機会でもありました。 そうしているうちにあっという間に8月になり、イギリスでの大学生活がスタートしました。 イギリスへ飛び立った ロンドンで見た景色ービッグベン 「普通の高校生」だった自分が今思うこと この体験談を読んでいただければ分かるかと思いますが、私は特別な存在ではなく、どこにでもいる「英語が好きな高校生」でした。そんな私が今、ロンドンの大学に通いながら、毎日新しい発見に満ちた日々を過ごしています。 もちろん、言葉の壁は高く、今も決して楽な毎日ではありません。それでも、日本では出会えなかった人々や経験に触れ、かけがえのない学びを得ています。 だからこそ、皆さんに伝えたいです。英語が好きという気持ちと、努力があれば、イギリス留学は決して夢ではないです。この記事が、少しでも「自分も挑戦してみたい」と思うきっかけになってくれたら、とても嬉しいです。応援しています! 続きの記事も見てくださいね! https://passport-to.com/articles/16/ 次世代リーダー育成道場: https://www.ryu.kyoiku-kensyu.metro.tokyo.lg.jp ロンドン大学ゴールドスミス校公式サイト: https://www.gold.ac.uk

イギリス留学の持ち物リスト | 現役ロンドン大学生による完全ガイド

こんにちは! Goldsmiths, University of London(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ)でメディアを勉強しているKotokoです。 9月入学が主流のイギリス留学。渡航を控えた皆さんは、そろそろ荷物の準備を始める時期ですね。実は私も渡英前は「何を日本から持っていけばいいのか」とずいぶん悩んだものです。限られたスーツケースのスペースを有効活用するためには、日本から持っていくべきものと現地調達可能なものをしっかり区別することが大切です。 今回は、実際にイギリスで生活している私の経験から、日本から持ってきたほうがいいものと現地でも購入できるものに分けてお伝えします。荷物を最小限に抑えつつ、留学生活に本当に必要なものだけをピックアップできるよう、この記事を参考に準備を進めてください! 【イギリス留学準備】日本から持参すべきアイテム 基本的に多くの必要なものはイギリスでも買えますが、日本のように便利でコスパの良い商品はなかなか見つかりません。物価が高い上に、機能性やデザイン性で物足りなさを感じることも。 ここでは、実際にイギリス生活を送る中でこれは持ってきて正解だった!と実感したアイテムを厳選してご紹介します。 医薬品 普段から使い慣れている薬は、日本から持参することをおすすめします。急な環境の変化で体調を崩しやすい上に、イギリスの冬は厳しい寒さが長く続くため、風邪薬などの常備薬があると安心です。(私個人の経験ですが、イギリスの風邪薬はあまり効きませんでした) さらに、イギリスでは夏以外は晴天が少なく、冬場は午後4時頃には暗くなってしまいます。このため、日光を浴びることによって体内で生成されるビタミンDが不足しがちで、気分が沈みやすくなることも。そんな時に備えて、あらかじめ日本の薬局でビタミン剤を購入しておくと安心です。 使い捨てカイロ イギリスの厳しくて長い冬を乗り切るには、使い捨てカイロが必須アイテムになります。現地ではDisposable heat packとしてAmazonなどで購入できますが、スーパーなどではほとんど見かけません。特に靴用の小さなカイロはイギリスでは売っているのを見たことないので、日本から多めに持参することを強くおすすめします。寒さ対策として重宝すること間違いなしです。 ユニクロのヒートテック イギリスにもユニクロの店舗はありますが、日本の方が価格が安く、特に薄手で保温性の高いヒートテック商品は現地調達よりも日本から持参することをおすすめします。コンパクトに畳めるので、複数枚持って行ってもかさばらないのがおすすめポイントです。 ユニクロのウルトラライトダウン(コンパクト)ジャケット イギリスの気候にピッタリなのがユニクロのウルトラライトダウン(コンパクト)ジャケット!とにかく軽くて、かばんにサッと入れられるからいつでも持ち歩けるのが最高。寒い朝はジャンバーの下に着込んで、教室で暑くなったらサッと脱ぐ――という具合で、脱ぎ着しやすいのが本当に助かります。ウルトラライトダウンコンパクトジャケットのほうは折り畳み傘くらいの大きさにまとめられるのでどこにでも持っていけます! 厚手のもこもこ靴下 イギリスでもPrimark(プライマーク)※でもこもこ靴下は買えますが、個人的に超おすすめなのは日本から持ってきたカイロソックス!今年の冬、日本の友達からプレゼントでもらって大活躍しました。普通のもこもこ靴下と違って、冷えがちな足先までしっかり温めてくれる優秀アイテムです。 ※日本でいう「しまむら」のようなお手頃ファストファッションブランドで衣類から日用品までなんでも揃います。 歯ブラシ イギリスでも歯ブラシは買えますが、個人的には日本のものが断然おすすめ!特にヘッドの大きさが全然違います。イギリスの歯ブラシは全体的に大きめで、口の中でゴシゴシしづらい印象があります。かさばらないし、数本まとめて持ってきても荷物にならないので、使い慣れた日本製を持参するのがベストです。 イギリスのスーパーで販売されている歯ブラシ ヘアケア用品 イギリスの水は硬水であるため、同じヘアケア用品でも日本で使っている時と比べて髪がパサつきやすくなります。さらに、現地の美容院は日本に比べて料金が高く、気軽に通えないのも悩みどころです。とはいえシャンプーなどは毎日使うものなので、大量に持っていくのはスーツケースの容量的に現実的ではありません。そのため、個人的には小さめのヘアオイルやヘアミルクを持参することで、髪のダメージを多少でも抑えられると思います。 ハンディファン イギリスの夏は基本的に20℃前後で過ごしやすい気候ですが、まれに30℃を超える日もあります。また、電車やバス、一般家庭にはクーラーが設置されていないことがほとんどなので持っておくと快適に過ごせます。 日本食 イギリス生活では、ふと日本食が恋しくなる瞬間が必ずあります。しかし、現地の日本食レストランは値段が高く、いつも行けるわけにはいかないです。そのため、手軽に食べられるカップラーメンやレトルト食品、インスタント味噌汁、ふりかけ、お菓子などを持参しておくといいでしょう。 ※肉製品・乳製品・生の果物野菜は、イギリスへの持ち込みが禁止されています(検疫対象)のでご注意ください。 ミニ炊飯器 私は父と同居しているため普通サイズの炊飯器を現地で購入しましたが、イギリスで一人暮らしをするなら、100均で売っているような一合用の電子レンジ炊飯器があると便利です。 変換プラグ 日本のプラグとは違いイギリスはBFタイプ(3ピン角型)です。現地でも買えますが、すぐに必要なので渡航前に買っておいたほうが便利でしょう。イギリスからヨーロッパ旅行に行く際は違うタイプのものが必要となるため、マルチタイプを買うのがおすすめです。 イギリスのプラグと変換プラグの使い方 イギリスで手軽に買える物(事前に買わなくても大丈夫な物)  イギリスに来てから「あれ、日本から持ってこなくても、ここで買えたんだ!」と気づくものが意外とたくさんあります。特に生活必需品や毎日使う消耗品は、現地で調達した方が荷物を減らせます。ここでは日本からわざわざ持っていかなくてもイギリスで手に入るものを紹介します! 衣類 イギリス留学で荷物を圧迫するのが洋服類。でも安心してください!日本でもおなじみのユニクロがロンドンをはじめ主要都市にあり、PrimarkやH&Mなどお手頃ファストファッションも充実しています。なので必要最低限な量だけで大丈夫です! 調理器具 イギリスでもスーパーやIKEAで基本的な調理器具は揃えられます。ただ、日本の100均にあるような便利でお手頃なキッチン用品はあまり見かけないので、特に愛用している調理器具があるなら持っていくことをおすすめします。 スキンケア用品 スキンケア用品は、日本製品の方が価格も品質も優れている場合が多いですが、化粧水など液体のものを大量に持っていくのは現実的ではありません。幸い、イギリスでも無印良品でスキンケア商品が購入できますし、最近では韓国コスメ専門店も増えてきて選択肢が広がっています。お気に入りの基礎化粧品を1、2週間分ほど持参し、あとは現地で調達するのがおすすめです。 生理用品 生理用品については「日本のものの方が良い」という意見もありますが、私自身はそれほど違いを感じませんでした。かさばる上に、長期留学の場合必要な量を持っていくのは現実的ではないので、現地調達で十分だと思います。イギリスでもスーパーや薬局でさまざまなタイプの生理用品が手に入りますし、特に困ることはありませんでした。荷物のスペースを節約したいなら、現地で購入するのがおすすめです。 イギリス現地のおすすめ買い物スポット このセクションでは、私が実際にイギリス生活で欠かせないお店を、スーパー・ドラッグストア・日本関連商品の3つのカテゴリーに分けてご紹介します。 スーパー イギリスには様々な価格帯のスーパーマーケットが存在します。低価格チェーンのLidl(リドル)やALDI(アルディ)から、高品質な食品を扱うM&S(Marks & Spencer/マークス&スペンサー)やWaitrose(ウェイトローズ)まで、選択肢は豊富です。特に印象的だったのは、どのスーパーでも日本と比べて手頃な価格で新鮮なフルーツが手に入ること。また、焼き立てのパンの種類の多さにも驚かされました。 イギリスのスーパーで販売されている焼き立てのパン ドラッグストア イギリスで主流なドラッグストアはBoots(ブーツ)とSuperdrug(スーパードラッグ)の2大チェーンです。Bootsは品揃えが非常に豊富で、医薬品から化粧品まで幅広く取り扱っています。一方SuperdrugはHealth&Beautycard(ヘルス&ビューティーカード)のポイントサービスが特徴で、会員登録をするとポイントが貯まり、会員限定価格でお得に購入できます。 日本の物が手に入るお店 ロンドンで日本食材を手に入れるなら、Japan Centre(ジャパンセンター)が便利です。Leicester Square(レスター・スクエア)駅近くにあり、様々な日本食材が揃っているだけでなく、ラーメンなど日本食も楽しめます。また、重たいお米や冷凍食品などはWASO(ワソ)というオンラインショップで購入可能です。私は特にお米やレンジでチンしてすぐ食べられる冷凍惣菜をこちらでよく購入しています。 日本のスキンケア・ヘアケア製品が欲しくなった時、私のおすすめはロンドンのチャイナタウンにあるP2Bus(ピー・ツー・バス)です。Leicester Square(レスター・スクエア)駅からすぐの好立地で、日本の人気美容製品から韓国コスメまで幅広く取り揃えています。 日本価格と比べると割高にはなりますが、いざという時の緊急購入先として重宝しています。また、オンラインストアでも限定品を扱っているので、ロンドン郊外にお住まいの方も要チェックです! パッキングのコツ イギリスで実際に生活している私が、これだけは絶対に押さえておいてほしいパッキングのコツをまとめました。渡航前にぜひチェックしてから荷造りを始めてください。 航空会社の荷物規定をチェック 荷造りを始める前に、まずは航空会社の荷物規定を必ずチェックしましょう。エコノミークラスの場合、一般的に預け入れ荷物は23kgまで(1個)、手荷物は7~10kgが目安です。ただし航空会社によって規定が異なるので、必ず最新情報を確認してください。荷物を詰め終わったら、事前に重量計で量ることを強くおすすめします。 荷物の詰め方と機内手荷物の分け方 衣類を詰める際は、圧縮袋を使うとスペースを大幅に節約できます。さらに、衣類をロール状に丸めて収納すると、しわになりにくく隙間にも詰めやすくなります。 貴重品や重要書類(パスポート、入学許可証、保険証など)は必ず機内持ち込み手荷物に入れましょう。万が一預けたスーツケースの遅延や紛失に備え、1、2日分の着替えと洗面用具を機内持ち込み手荷物に入れておくと安心です。液体物を持ち込む場合は、100ml以下の容器に入れ、透明なジップロックにまとめる必要があります(1人1袋のみ)。 機内で快適に過ごすために 機内は思ったより寒くなることがあるので、チャック付きパーカーなど温度調節しやすい服装がおすすめです。乾燥対策としてマスクやハンドクリームがあると快適に過ごせます。 まとめ 今回の記事では、実際にイギリスで生活する私が厳選した日本から持参すべきアイテムと現地調達が可能なアイテムをご紹介しました。日本製品は品質が良く価格も手頃なものが多いため、可能な限り持参すると便利ですし、安心感もあります。 一方で、意外と多くの日用品が現地で調達できることもお分かりいただけたかと思います。現地に到着してから「あれを持ってくればよかった......」と後悔することのないよう、ぜひ計画的に準備を進めてください。この記事が、皆さんの荷物準備の参考になれば幸いです! https://passport-to.com/articles/14/

マンチェスター大学日本人会会長: 「日本人」の使命感を胸に、語学とビジネスで広げた視野【インタビュー】

Ryotaroさん ⽇本の公⽴⼩学校を卒業後、イギリスのボーディングスクール(全寮制学校)で7年間学び、その後The University of Manchester(マンチェスター⼤学/ UoM)に進学。ポルトガル語とビジネスマネジメントをダブル専攻し⽇本⼈会の会⻑を務める傍ら、パーカーブランドを運営。ラグビーに夢中。 マンチェスター大学: ポルトガル語とビジネスマネジメント専攻 専攻について教えてください。 マンチェスター⼤学のSchool of Arts, Languages and Culturesに所属しており、Portuguese and Business Management(ポルトガル語とビジネスマネジメント)の2つを専攻しています。 ポルトガル語は語学としての4技能を習得しながら⽂化⾯や歴史⾯の内容も学びます。この専攻の⼈数は学年で15⼈ほどと少ないため、lecture(講義)は会話教室のようなアットホームな環境で先⽣や学⽣同⼠の対話が活発に⾏われます。当然、どの授業に⾏っても同じメンバーと会うため、全員顔⾒知りで仲が良いです。3年次になると専攻している⾔語が話される国で1年間の交換留学に⾏きます。私はブラジルのサンパウロ⼤学に留学します。 ビジネスマネジメントでは、選べる講義の内容はさまざまです。私はマーケティング理論の基礎、国別の資本主義やその歴史などを履修しました。こちらはポルトガル語の授業とは異なり講義となると100⼈規模で⾏われます。講義のほか、seminar(セミナー)があり、その週の講義内容に関連したものを実践します。例えば講義で経済情報がまとめてあるグラフが出され、読解⽅法を教わったらセミナーでは作り⽅を学び、実際に⼿を動かします。授業の数は多くありませんが、テスト期間が近くなるとリーディングの課題が増えます。内容をしっかり読んで、関連の⽂献を調べながら理解を深めます。 https://jp.education-moi.com/article-62-manchester その専攻を選んだきっかけは何ですか? ポルトガル語を専攻したのはイギリスで通っていたボーディングスクールの環境が⼤きく影響しています。そこは50カ国以上から⽣徒が集まるグローバルな校⾵で、周りは常にさまざまな⾔語が⾶び交っていました。私は16歳の時にスペイン語を学び始め、スペイン語が話せる友⼈と⽇常的に会話していたことでかなりのスピードで上達しました。その成功体験から、⼤学でも⾔語を学びたく、南⽶で主要なポルトガル語を選びました。 ビジネスに関しては、⾃分たちで何かを作り上げて、それをお⾦に変えられるところが⾯⽩いと思っています。 実は中学⽣の頃、学校に置いてあった無料のオレンジを搾ってジュースにして寮の部屋まで配達するというサービスを思いつき、1杯0.5ポンドで販売したことがありました。インスタで宣伝すると毎⽇のようにオーダーが⼊り、この無謀なビジネスは思いのほか⼤繁盛しました。しかしオレンジの減り具合が激しくて学校側にバレてしまいました。2週間で私の初めてのビジネスは幕を閉じましたが、その過程はとても⾯⽩く、有益でした。 また、⾼3の秋には卒業⽣の起業した話など、キャリアについての講演を聴きました。それをきっかけに卒業生とつながり、2カ⽉間メキシコとコロンビアで⽣活も共にするインターンをする機会に恵まれました。起業している⽅々の活動を肌で感じ、彼らの⾏動⼒やメンタリティー、情熱に魅了さました。このインターンの経験が更なるビジネスへの興味につながりました。 ポルトガル語とビジネスマネジメントを1年半以上学んで、どうですか? この2つの組み合わせを選んだのは最⾼の決断です。ポルトガル語は⽇に⽇に上達を感じます。新しい単語や表現を学び、頑張れば結果が出るのでやりがいを感じます。ポルトガル語に加え語学と同じくらい関⼼があり、かつ語学と全く違う分野であるビジネスを勉強することでバランスが取れていると思います。これよりいいチョイスはないと⾔えるくらいすごく楽しいです。 「みんなを笑顔にしたい」日本人会の会長として Manchester Japan Society(日本人会)の会長を務めていると聞きました。 昨年度会⻑職に⽴候補し、当時の執⾏部による⾯接などを経て選んでいただきました。僕は11歳からイギリスの全寮制学校に⼊り⽇本⼈は数⼈しかいなかったです。そのため、必然的に⾃分はある種その場の「⽇本代表」として⽇本のイメージを背負っているといったnational identity(国民意識)がありました。そのため、「⽇本のために何かをやりたい」と常に思いながら⽣活していました。この思いは⼤学に⼊ってからも続いていて、⽇本⼈会の会⻑になれば⽇本のためにできることの幅が広がると思いました。 日本人会の仲間たちと 会長として、どういう方針で会を運営していますか? 会としての仕事をしっかりやるプロフェッショナルな⾯はもちろんですが、「楽しくないといけない」と思っています。笑顔を絶やさず、元気で楽しい会にするのがモットーです。会⻑の雰囲気が組織の空気を⼤きく左右するので、⾃分が先頭に⽴って笑顔で、楽しく取り組むことを⼼がけています。 Ryotaroさんが会長になってから始めた取り組みはありますか? ⾃分の代になってからいつくか変更したことがあります。 定期的に⾏われている「パブソーシャル」という皆がパブに集まって飲みながら交流するイベントがあります。昨年まではただ場所を提供しているだけでしたが、今年からはビンゴ⼤会や変顔⼤会などのミニゲームを追加し、飽きずに参加してもらえるようにしました。 また、イベントのクオリティを上げるため、会員制を導⼊し、年間7ポンドの会費を徴収しています。 もう1つ⼤きなイベントとしてロンドンで開催された⽇本⼈のボートパーティに初めて参加したことです。イギリスの13の⼤学にいる⽇本⼈学⽣約700⼈が集まり、UoMからも25⼈が参加しました。他⼤学にいる⽇本⼈と交流できた実りのある会だったので来年につなげていきたいです。 マンチェスター大学でのビジネスチャンス 課外活動は日本人会以外に何かしていますか? 授業で習ったこともそうなんですが、インターンの経験を何かに⽣かしたいと思い、昨年夏に「Manny Bees」というパーカーのブランドを⽴ち上げました。 UoMの公式グッズはいろいろありますが、あまりクオリティが良くないと感じております。値段か⾼い割にそれほどかわいくない点にも注⽬し、それなら⾃分で作ろうということで始めました。 友達に助けてもらいながら、Student Union(学⽣会館)のフリースペースで試験的に展⽰販売をしたり、インスタに投稿する宣伝⽤の写真の撮影会を開いたりしてすごく楽しいです。これをマンチェスターの思い出の⼀つとして⼿に取ってほしいので、クオリティが良くて、かわいくて、低価格にできたものを提供したいと思っています。 自身が立ち上げたパーカーブランドの宣伝用写真 大学に入ってからもインターンしていますか? はい、⻑期休暇にインターンします。昨年はドイツのミュンヘンのオークションハウスに⾏きました。出品者から物を預かって、それをオークションで売ります。先ほど⾔ったコロンビアとメキシコでのインターンは今も続けています。例えばソフトウェアの新サービスのピッチプレゼンテーションを⽇本の⻁ノ⾨ヒルズやスペインのビルバオで行うなどをしました。このようにマーケティング関連のことを主にしています。 ケガをしても冷めないラグビーへの愛 スポーツは何かやっていますか? ⼩1からサッカーを始め、中3にラグビーに転向し、それからずっとラグビーをやっています。しかし2年前の夏、プレイ中に転倒し膝の前⼗字靭帯を痛めてしまいました。そこからは体を動かす程度です。本来は⼿術をして治すべきですが、術後のリハビリを考えると留学に影響が出てしまうため今は諦めています。そう⾔いつつもたまに我慢できずラグビーをしてしまいます。 打ち込んでいるラグビー マンチェスター大学留学生活: 日常の幸せ 現在は寮に暮らしていますか? 初年度は学⽣寮に暮らしていました。2年⽣になってからは⼤学より南のエリアで友達3⼈と⼀緒にシェアハウスしています。⼤学からやや遠くバスで20分かかり、毎⽇満員バスに乗ってキャンパスを往復しています。 このエリアはナイトライフが活発で、夜は結構騒がしく⽇本⼈学⽣からあまり好かれないエリアかもしれないです。⽂化的に合っていないというか。ただ、私は⼈と交流したり友達とパブに⾏ったりするのが好きなのでこのエリアは⾃分に適していると感じています。 シェアハウス生活はどうですか? すごく楽しいです。ハウスメートたちとは仲も良くトラブルもありません。これ以上良いハウスメートはいないんじゃないかと思うくらいです。 また、スーパーが近いというロケーションもすごく重要です。シェアハウスをすると話し合った時にスーパーから近いところにしようと決めました。夜、急にチョコチップアイスを⾷べたくなった時にすぐに買いに⾏けるんですよ。この利便性は本当に⼤事ですね。家でラグビーの試合を⾒ている時なんかは、ハーフタイムにダッシュで買いに⾏っても後半戦に間に合うんです。 食事はどうしていますか?ハウスメートと一緒に作りますか?それとも各自ですか? たまに⼀緒に作って⾷べることもあるんですが、基本的には各⾃で作りますね。⾷べたいものが全然違うので。僕はスパゲティを作ることが多いです。安くて簡単で速い、⼤学⽣に必要な三要素がそろっています。そしてビタミン不⾜には気をつけるようにしています。 マンチェスターは学生が住みやすい街 マンチェスターに2年間暮らしてみて、どうですか? とても住みやすい街だと思います。マンチェスターはシティセンターの端から端まで歩いて30分しかかからないです。⾏きたいは基本的に徒歩範囲内です。加えて、バスが24時間⾛っているのがありがたいです。 街と⼤学が⼀体になっているところも住みやすいと感じる理由です。ロンドンの⼤学だとキャンパスが街の中⼼から離れているところが多いのですが、マンチェスター⼤学はキャンパスの周りにいろいろな店や施設がそろっているので便利です。 日本の公立小学校を経てイギリスへ留学 11歳に渡英したとのことですが、どういう経緯でイギリスに来ることになったのですか? イギリスに⾏こうと思ったのは⼤きく2つの理由があります。1つは当時サッカーをしていて、海外のレベルで挑戦してみたかったからです。もう1つはハリウッド映画にすごくハマっていて、英語への憧れがあったからです。 ⼤⼈になるとアイデアが浮かんでもあれこれ考えてしまうと思うのですが、当時⼩学⽣の私は「サッカーがしたい」「英語がしゃべりたい」という2つの原動⼒だけで両親に相談したら背中を押してくれました。イギリス南東部の中⾼⼀貫のボーディングスクールに⼊学し留学⽣活が始まりました。両親は⽇本に残り、単⾝で渡英して今に⾄ります。振り返ると当時はよくやったなと思います。 最初の1年間はとにかく何をやっても⼤変でした。⾔葉が通じなくて、指⽰が理解できず何をすればいいか分からなかったです。授業にもついていけなかったです。意味が分からないことで怒られたこともありました。 高校時代の凌太朗さん 英語があまり話せなかったということで配慮してもらいましたか? 僕は11歳で⼊学しましたが、この年齢で英語ができないという⼦がそれほど多くなかったので特別扱いはなかったです。そういう体制が整っていなかったと言ったほうが正確かもしれません。⾼校⽣の学年になると留学⽣も増えるので英語の補習クラスなどがありました。ですが、私の⼊学した年齢ではそれがなかったので、英語の海に投げ込まれた感じです。今考えるとそれが良かったですね。最初からネイティブと⼀緒に授業を受けたので、現地の⼦たちとの関わり⽅が早いうちに分かり、彼らに溶け込むのが⽐較的スムーズでした。 つらいことだらけだった生活をどうやって乗り越えたんですか? 気合ですね。本当は諦めることもできました。両親に「もう無理」と⾔えばやめることができたと思います。でも自分としては諦めるという選択肢はなくて、何が何でもやり切りたかったです。我慢と忍耐⼒で乗り越えた当時の経験が今の私の礎になっています。 留学生活に慣れるまでどれくらいかかりましたか? 1年もかからないうちに慣れました。英語⼒に関しては、1年⽬は⾃分の気持ちを少し伝えられて、2年⽬は相⼿の話を聞いてしっかり受け答えができるようになりました。3年⽬になると思い通りに会話ができました。このように成⻑していることを⾃分でも段階的に実感しました。3年⽬が終わる頃にはいわゆる“英語ペラペラ”になっていたと思います。 その時点で英語が話したいという目標はクリアしたということですね。 はい、確かに英語が学びたいという1つの⽬的は達成しました。しかし私にとって英語は⽬標ではなく1つのスキルです。⽬標を達成したというよりはある1つのスキルを⼿に⼊れたと捉えています。 なるほど、ではもう1つの目的だったサッカーはどうなりましたか? 僕が⼊った学校にはChelsea Foundation(チェルシーファンデーション)がありました。Chelseaはイギリスプレミアリーグのサッカーチームで、そのアカデミーファンデーションに加⼊しました。このクラブがあったことが⼊る学校を選んだ理由の1つです。 でもラグビーをやってみて分かったのですが、⾃分のサッカーへの愛というか、情熱はラグビーに⽐べると全然⾼くなかったです。ラグビーの魅⼒には⼀試合で染まりました。今は「ラグビー⼤好き!」です。 ラグビーが好きになったのは試合を観戦したのがきっかけということですね。 いえ、16歳の時、他校との試合に「1⼈助っ⼈が欲しい」と⾔われたことが始まりです。「じゃあ俺がやるよ」と、タックルの仕⽅すら分からないのに出場しました。 初戦で相⼿のデッカい選⼿がボールを持ってこっちに向かってきました。私の後ろがタッチラインだったので抜かれたらアウトになってしまうと思い、必死に守ろうとしました。アタックのやり⽅が分からないのでその選⼿に抱きつき、どうにかして⽌めようとしました。だが次の瞬間、相⼿の肘がバーンと顔を直撃し、⿐が折れてしまいました。結局トライを決められ、「俺の⿐⾎はなんだったんだ」となりましたが……。 それでも、ラグビーのメンタリティーや団結感がすごく好きになりタックルも楽しいなと思い、サッカーを置き去りにしてラグビーに転向してしました。 普通はトラウマになると思うのですが、すごいですね。 それは両親と家族のお陰だと思います。 実はラグビーで前⻭が1回折れかけたことがあります。普通の親御さんですと動じて「そんなスポーツやめなさい」などと⽌めるのではないかと思うのですが、私の⺟は「しっかりやりなさいよ」と。こんな感じで、⼤変なこともサポーティブに前向きにしてくれたことでトラウマにもならずに続けることができています。また、そういう姿勢は海外⽣活する上での助けになっています。 海外大学生の就職: 日本の企業に就職したい 卒業後はどういう予定ですか? ⽇本の企業で働きたいです。 海外で勉強した学⽣は結構外資系企業に就職する⽅が多いと思います。でも私は⽇本⼈⼀⼈⼀⼈が⾃信を持ち、世界で戦うリーダーや組織の成功例を増やしていきたいからこそ、⽇本企業にこだわります。その理由は⽇本⼈の団結⼒というものはすごく強いと感じているからです。 例えばサッカーを⾒ても、ブラジルとの試合では、選⼿⼀⼈⼀⼈のレベルは圧倒的にブラジル⼈のほうが⾼いですが、最後は⽇本が勝ちます。なぜかというと団結⼒という⽇本の素晴らしさがあるからです。これはビジネスでも共通するところがあると考えています。⽇本企業で同じ⽬標に向かって団結すれば⼤きなものを⽣み出していけると思います。 https://www.manchester.ac.uk

イギリスの名門ボーディングスクール【コンコルドカレッジでの1日】

こんにちは、Kenshuです。4年前にイギリスの全寮制学校(ボーディングスクール)であるConcord College(コンコルドカレッジ)に入学し、今年の6月に卒業しました。コンコルドカレッジでの1日を振り返ってどのようなものかを共有できればなと思います! 寮生活で住民同士の交流が盛ん 僕がForm 4(中学3年生)の時にBell House という名前の寮に入っていました。この寮はほとんどのForm 3、Form 4、Form 5の男子生徒が暮らす学校内で一番大きい寮でした。Bellの中ではAからGブロックに分かれていて、自分はForm 4の時にAブロック、Form 5ではBブロックに住んでいました。各ブロックには10人ぐらいいました。 学年が上がるごとに部屋が広くなりました。部屋の中には机、ベッド、棚、クローゼットの他に洗面台も備え付けられていました。トイレとシャワーは5人で共用です。大人数が使うので朝のシャワーの時間帯になると渋滞していたのを覚えています。寝過ごした時や超渋滞していた時は朝シャワーを諦めて中休み中にシャワーを浴びていました。 雪の日の寮(Bell House) Bellには寮の先生が4人いて、交代で朝と夜の点呼や寮の管理をしていました。AからGブロックの他、Common RoomというBellに住んでいる生徒全員が使える場所があります。そこにはキッチンやゲーム(スイッチやPS4)、ソファなどがありました。授業が終わるとみんなでそこに集まって料理やゲーム(マリオカートやFIFA)をして、すごく賑わっていました。 Common Roomの横には寮の先生のオフィスがあり、何か問題などがあればすぐに助けてもらえます。毎週土曜日の夜には先生主催のパーティーがあり、アイスクリームやワッフルなどのデザートやタコスなどの料理が振る舞われました。 点呼は毎朝7時半と夜10時の2回ありました。夜10時までに寮に戻らないとStrike(注意)をもらい、それを3回もらうとDetention(罰としての居残り)を受けます。 毎日の3食はボーディングスクールの食堂で食べる コンコルドでは毎日3食が提供されます。食堂は一つしかなく、しかも学校の一番端にあるのでたどり着くまで歩いて5分ぐらいかかりました。生徒全員が長いテーブルに座り一緒に食事を取ります。定位置はありませんが、みんなほとんど毎日同じテーブルに友達と座っています。 朝食: 午前8時〜 朝ご飯は8時からで、メニューは毎日ほぼ同じです。典型的なイギリスの朝食がビュッフェ式で用意され、欲しいものをなんでも食べられます。ソーセージとベーコン、スクランブルエッグと目玉焼きはそれぞれ日替わりです。パン・オ・ショコラ、クロワッサンと食パンは毎日出てきます。4年間も通ってると本当に飽きました。他にもいろんな種類のコーンフレークがあり、加えて牛乳や豆乳、アーモンドミルクも充実しています。個人的にコンコルドの朝食はイギリスのボーディングスクールの中でもいい方だと思います。 朝ご飯のパン・オ・ショコラとクロワッサン 昼食: 午後12時〜、夕食: 5:30PM〜 昼ご飯は12時ごろで夜ご飯は午後5時半から始まります。朝食とは違って肉、魚、ベジタリアンの三つからメインディッシュを選べます。肉はポーク、ビーフ、チキン、ラム、ダックなどが日替わりで出てきました。魚は主にハドック(フィッシュ&チップスなどに使われる魚)しか出てきません。イギリス特有の文化で金曜日の昼ご飯には必ずフィッシュ&チップスが出ます。4年間のほとんど毎週フィッシュ&チップスを食べていたので日本に戻ってくるとたまに恋しくなります。 毎週金曜日に出されるフィッシュ&チップス 日曜日のブランチ 日曜日は特殊でBrunch(ブランチ)が朝ご飯と昼ご飯の代わりに、11時ぐらいからあります。BrunchではScampi(えびの揚げたやつ)やブリティッシュソーセージ、オムレツなどまさにイギリスのBrunchの定番メニューが出されました。個人的にBrunchが一番好きでした。 ブランチ イギリスのボーディングスクールの時間割り 午前8時35分: ホームルーム〜授業〜昼休み 朝の点呼を終え、朝食も済ませて8時35分にTutor(ホームルーム)が始まります。Tutorでは最近の出来事や連絡事項などを話し合います。1限目は9時に始まり、中休みと昼休みを挟み9限目、4時まで授業があります(1限35分)。 昼休みは40分しかなく、しかも食堂で長蛇の列ができるので実質食べる時間は20分しかありません。いつもめちゃくちゃ急いで食べていたのを覚えています。本当に時間がない時には全部食べ終わらないまま次の授業に出ていました。その後空腹で授業に集中できなくなり、途中で寮の部屋に帰ってお菓子などを食べていました。 A-levelの授業 Form 6からのA-levelでは4教科(物理、化学、数学、応用数学)と英語(IELTS)の授業をとっていました。一般的にA-levelでは3教科しかとらなくていいので自分は他の生徒よりも授業量が多く、Free Period(自由時間)が少ししかありませんでした。一週間のうち、1教科あたり8授業分あり、英語は4授業分ありました。 授業後の課外活動〜就寝まで 4時に授業が終わるとTwilight という自由時間があります。Twilightではスポーツやクラブ活動、補習などいろいろなことが行われます。僕はほとんどの場合寮に帰って昼寝をするか、テスト期間だったら勉強をしていました。たまにバレーボールやサッカーの練習があり参加していました。他の生徒たちは音楽室を借りてバイオリンやピアノの練習などをしていたり、ランニングなどに行っていたりしていました。 さすがに飽きた夕食メニュー 5時半からはSupper(夜ご飯)の時間になり食堂に行きます。1年目から3年目まで同じようなメニューを食堂で食べていたので4年目になるとさすがに飽きるので出前を頼むようになりました。しかし配達料金が8ポンド(約1520円)※だったのを見てすごく驚きました。日本では200円から500円のところイギリスでは3倍以上かかるのでショックを受けました。食べ物自体も結構な値段をするので週に数回しか頼みませんでした。 ※1ポンド=190円で換算 午後6時30分: Prep Time(自習時間) 夜ご飯が終わると、6時半から8時10分(100分間)までPrep Timeという時間があります。これは生徒全員が各教室に集まり、自習をする時間です。Prep Timeでは宿題をやったり土曜日のテストに向けて復習したりします。僕は通常月曜日と火曜日は宿題や他の課題をやり、水曜日、木曜日、金曜日はテスト対策をしていました。Prep Time中は先生たちが見回りに来るのでサボったりゲームをしたりしているとDetentionをもらいます。 Prep Timeのあとは夜の自由時間 Prep Timeが終わったら夜の自由時間に入ります。この時間では基本的にクラブ活動があまり行われず、まさに生徒たちの「真の自由時間」と言えます。 この時間は体育館が開かれているので希望者はバドミントンやバスケットボール、バレーボールなどを行うことができます。例えば月曜日はバスケットボール、火曜日はバレーボール、水曜日はフットサルみたいなスケジュールでした。コンコルドには体育館が二つあり、一つはバドミントン専用、もう一つは他のスポーツ用に分かれていました。バドミントンだけが一つのコートを独占できるのは、コンコルドのバドミントンチームがすごく強いからです。スポーツ終了後、10時までに寮に帰らなければいけませんでした。 午後11時: 就寝 10時以降は勉強したり友達と遊んだりしていました。11時になるとWi-Fiが切れます。加えてコンコルドはすごく田舎なところにあるので自分のモバイルデータ通信を使おうとしても電波が悪く、ユーチューブやインスタグラムなどインターネットを使うアクティビティが封じられました。そのためほぼ半強制的に11時に寝させられていました。ただ4年目のテスト期間中などは1時まで勉強することもありました。 土曜日午前9時〜11時: 毎週行われるSaturday Test Saturday Testとは毎週土曜日のテストのことです。テストは9時に始まり、11時ぐらいに終わります。各教科40分のテストが毎週2か3教科あります。テストの成績は次の週の月曜日か火曜日に返されます。Saturday Testの結果はEnd of Term Reportにも記載されるので毎週必死に復習していたのを覚えています。 End of Term Reportというのは毎学期の終わりに親に送られる通知表的なもの(レポート)です。このレポートでは各教科の先生からのコメント、全てのSaturday Testの平均点、End of Term Testの成績とEffort Grade(学習態度やクラスでの貢献度などの総合評価)が書かれます。このレポートは親に届くのでみんな親に怒られないよう(中にはあんまり気にしてない生徒もいました)に必死に勉強していました。 ボーディングスクールで大事なEnd of Term Test(期末テスト) Saturday Testの他にEnd of Term Test(期末テスト)が年3回あります。このテストはSaturday Testよりも重要で、生徒全員のストレスの源です。 End of Term Testは科目と学年によりテスト数が異なります。 End of Term Testの時間割 息抜きの時間:Saturday Town Trip 毎週土曜日に学校から無料でShrewsbury(シュルーズベリー)という街行きのバスが出ています。Shrewsburyはコンコルドから一番近い町で、どちらもShropshire(シュロップシャー)郡にあり、Shrewsburyが郡庁所在地です。そこまでバスで20から30分かかります。 バスはSaturday Testの後に3台出ていて、毎週結構な人数が乗ってShrewsburyに行きます。そこで昼ご飯を食べたり、買い物をしたり、髪を切ったりしていました。僕はよくThe Beefy BoysやHickory’s Smokehouseなどのレストランに行っていました。 帰りのバスは4時半にShrewsburyから学校に帰るので4時間ぐらいしか街にいられませんでした。 最後の2年間(Form 6.1、6.2)になると水曜日にもShrewsburyに出られるようになりました。 Shrewsburyの街の様子 特に何もすることがない日曜日 日曜日は基本的に何もすることがなく、僕は昼にサッカーチームの練習、夜はバレーボールチームの練習をしていました。日曜日にはよく友達とかとピザの出前を頼み一緒に食べていました。 最後に 以上がコンコルドでの1日でした。「ボーディングスクールってどんなところ?」とて気になっている人にとって、この1日の流れが少しでもイメージの助けになればうれしいです。イギリスでの留学生活に進む一歩のきっかけになれたらいいなと思います。 https://passport-to.com/articles/18/

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イギリスのNHS利用 | 留学生が知っておきたい医療サービス

イギリスの病院に行くとき、多くの人はNHS(エヌ・エイチ・エス National Health Service)という公共の医療制度を利用しています。留学生もビザ申請時に健康保険付加料(IHS)を支払えば、NHS提携の公立病院を受診できます。ですが、NHSをうまく活用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があるんです。 この記事では、留学前に知っておきたいNHSの基本的な使い方や、ビザ申請時に支払うIHSについて、さらに病院やGP(かかりつけ医 General Practitioner)の違い、実際に病気になったときの流れまでわかりやすく解説します。 Haruna これまでに何度もイギリスの病院を利用している現地在住者が解説します!どんな流れで医療サービスが受けられるのか、ぜひ参考にしてみてくださいね。 イギリスのNHSって何?医療制度の基本 はじめに、イギリスの公的医療制度「NHS」の仕組みや利用方法についてわかりやすく解説します。 NHS(National Health Service)の概要 1948年にスタートしたイギリスのNHS(National Health Service)は公的な医療制度です。特徴は、多くの医療サービスが無料だったり、もしくは低料金で受けられること。留学生ももちろん対象。ビザ申請時にIHS(健康保険付加料)を支払うことで、NHSのサービスを使えます。 一部は自己負担になる場合もありますが、一般診療、救急医療、入院治療、妊産婦ケアなど幅広いサービスが無料です。 IHS(Immigration Health Surcharge)について イギリスに6か月以上滞在する留学生は、ビザ申請時に「IHS(Immigration Health Surcharge)」を支払っておくことで、ビザの開始日からNHSの医療をイギリス住民と同じように利用できるようになります。料金はビザの有効期間によります。 ビザの期間ごとのIHS料金 ビザの期間料金 ポンド/円6か月以下なし(申請がイギリス国内の場合は£388 / 約73,720円必要)6か月超〜1年未満£776 / 約147,440円 (1年分)1年£776 / 約147,440円1年超〜1年6か月以下£1,164 / 約221,160円 (1年半分)1年6か月超〜2年未満£1,552 / 約294,880円 (2年間分)2年£1,552 / 約294,880円 参考 https://www.gov.uk/healthcare-immigration-application/how-much-pay ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。IHS支払い時には最新の情報を必ずご確認ください。 オンライン上でビザ申請時にコースの開始日と終了日を入力し、デビットカードかクレジットカードで支払います。もしも支払いを忘れたり、金額が足りていないと UK Visas and Immigration(UKVI)からメールで知らされます。指定期間内に全額を支払わない場合はビザの申請が却下されてしまいます。 病院とかかりつけ医の違い(Hospital と GP) 日本では、自分の症状をベースに専門医を選んで直接病院に行くことが多いですよね。しかし、イギリスではまずかかりつけ医であるGP(General Practitioner)を訪問し、そこから病院(Hospital)の専門医を紹介してもらう流れです。 病院の外来は基本的に紹介制で、専門的な検査や手術、入院治療が必要な場合に利用します。救急(Accident and Emergency)でなければ、基本的にはGP→病院の流れが一般的です。 GPで相談できること GPは地域の診療所、かつ最初に相談する窓口で、必要に応じて病院や専門医を紹介してくれます。風邪や体調不良、慢性的な症状など病気や健康全般について相談でき、処方箋も出してくれます。 GPで診てもらい検査に進む場合は、その結果が出てから精密検査や追加診療で専門医のいる病院に紹介されるケースが多いです。診察は対面のときもあれば、GPに行かずに電話で遠隔診療する場合もあります。 閑静な住宅地にひっそりとたたずむGP 渡英後はまず「GP登録」から始めよう イギリスに到着したら、なるべく早めに「GP(かかりつけ医)」への登録をしましょう。登録のタイミングや方法をここからお伝えします。 登録のタイミングと方法 GPの登録方法は、直接GPに行くかオンラインのどちらかです。大学によってはキャンパスに近いGPを紹介しているので、スタッフに尋ねてみましょう。 GPの登録方法 ①GPを探す NHSの公式サイト「Find a GP(GPを探す)」から、新規登録者を受け入れているか、受付時間、利用者の口コミを確認できます。自宅から近く便利なGPに登録する人が多い傾向にあります。 ②登録フォームに入力/記入する 登録フォームは、各GPのウェブサイト、NHSアプリから入手できます。GPで渡される用紙も可能です。 【登録に必要な情報】 氏名 住所 生年月日 学生ビザ証明の共有コード(Share Code) 連絡先(緊急連絡先も含む) 現在の健康状態・病歴 アレルギーの有無 服用中の薬 など 身分証明や住所証明についてはGPによります。地域内の住民のみを受け入れているGPへの登録には、住所証明を用意した方が無難です。また、なかには新規の登録者を受け入れていないGPも。 もしも、留学中に住所が変わる場合はGPへ報告しましょう。NHSの予約に関することや検査結果などが郵便で送られてくることがあります。引っ越し先が登録中のGPの地域外でも、新居に近い新しいGPに移ることができます。 GPの予約方法・診察の流れ 診察は予約制です。コロナのパンデミックを経て、多くのGPでは感染拡大を避けるために、予約をしてからGPへ来てもらう形を取っています。予約方法は、電話、もしくはオンラインです。電話予約はすぐにつながらず、かなり待たされる場合も。オンライン予約を実施しているGPでは、NHSアプリや各GPの予約サイトからリクエストできます。 私が登録しているGPの場合は、GPの予約システムからメッセージ形式で問い合わせをし、少し待ったあとにメッセージや電話で返信があります。問い合わせ内容によっては、看護師や医師と遠隔で会話し、そこで診察が終わる場合もあります。もしくは対面での予約日を決めていきます。 オンラインのいいところは、問い合わせ内容を細かくテキストで伝えられるところです。電話での会話では医療専門用語がすぐに出てこず、詳細をすべて伝えきれないことも。オンラインで履歴を確認できるため、あとで詳細を振り返るのにとても便利です。近年どんどんオンライン化が進み、以前よりサービスの手軽さが上がったと感じています。 夜間や土曜日に予約が取れることもあり、大学のスケジュールに合わせて利用できるのは留学生にとってもうれしいですね。 実際に病気になったら?病院の使い方ステップ 実際に体調を崩したとき、どうすればいいのか不安に感じる方も多いかもしれません。ここでは、症状が出てから病院で診てもらうまでの流れや、緊急時の対応まで、具体的なステップをわかりやすく解説します。いざというときの参考にしてくださいね。 【NHS利用】症状が出てから病院へ行くまで ここでは、GPや病院などNHSを利用するフローの例をご紹介します。長年NHSを利用しているなかで遭遇した、よくあるパターンをシェアさせていただきますね。 NHS利用の流れ 問い合わせ(電話、オンライン) 問診(GP、電話、ビデオ通話) 必要に応じて診察や血液検査や尿検査などの実施(処方箋のみの場合もあり) 検査結果を聞く(GPか電話の場合が多い) 治療が必要な場合は処方箋をもらう or 病院紹介 【病院紹介の場合】 病院での診察予約に関する手紙が届く(病院が指定する予約日時の記載あり) 指定された予約内容を変更したい場合は病院に電話 予約日時の希望を伝え、確定 病院で診察・検査 GPで結果を聞く(病院の検査結果がGPに送られる場合) ※追加で検査を実施する場合は医師から連絡があり、新しい予約日時を相談する流れになります。 病院はGPと違って、多くの専門科が揃っており規模が大きいです。施設が広いため、初めて訪れる場合は指定の場所を見つけるのが難しいことも。予約時間の前に早めに到着しておきましょう。 病院の内部 NHS 111の使い方 NHS 111は、電話やオンラインですぐにGPにつながらない場合や、GPの診療時間外でも相談したいときに利用できる便利なサービスです。まずは電話かオンラインで問い合わせることで、どういったアクションを踏めばいいかをアドバイスしてくれます。相談内容によって対応は変わりますが、以下のような例があげられます。 看護師からの折り返し電話を予約 夜間・週末のGP診療を案内 歯科やメンタルヘルスなどの専門サポートを紹介 登録しているGPに連絡するよう指示 薬剤師に相談するよう案内 自宅で経過観察するよう指導 NHS 111では、病院の予約・キャンセルや診断書の発行はしてもらえないので注意してください。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/urgent-and-emergency-care-services/when-to-use-111/ 緊急の場合はどうする? GPの診察を待てずに急いでいる!そんなときは緊急外来(A&E)や救急車(999)を利用します。 まず、A&Eについて。 A&E(Accident and Emergency/事故・緊急外来)は、GPの予約を待っていられないほどのつらい症状や怪我があるなど、緊急性の高い場合に利用します。Accident and Emergencyのほか、Emergency Department(救急部)やCasualty(救急)とも呼びます。着いたらまず受付で症状を伝えます。 過去に利用した感想は、とにかく待ち時間が長いということです。予約を取らないことと、重症患者が優先されるため、先に着いているのに後から来た人が早く診てもらっていたりします。診察の流れは、各自の状態によって変わります。 緊急時の例 緊急性が低く深刻でないと判断→GPの予約をすすめられる、処方箋をもらう 緊急の場合→専門病棟に移り場合によっては入院 病院の正面玄関と別にある緊急外来用の入り口 緊急外来ではとても待てないような、命に関わる緊急時であれば、999へすぐ電話を。交通事故や発作など重大なシチュエーションには迷わず利用しましょう。電話で聞かれる内容は、場所、999にかけた理由、連絡先など。救急隊員の到着を待っている間ににできることや、どれくらいで着くかも教えてくれます。 黄色と緑が目印の救急車  処方薬と薬局の使い方 診療後に薬が出されたら...?ここからは、NHSの処方薬の受け取り方や薬代について、基本的な情報をわかりやすくまとめました。 薬はGPが発行する「処方箋」で薬局でもらう GPでの診察が終わり、処方薬が必要であれば処方箋が出されます。診察後にGPと連携している近隣の薬局(Bootsなど)に行き、Prescription(処方箋)というコーナーでスタッフに自分の生年月日、名前、住所を伝えると、あらかじめ用意してある薬が手渡され、支払いに進みます。 薬局内の処方薬受け取りカウンター 薬代の仕組み NHSで処方してもらう薬の料金は、2025年の時点で処方薬1品につき※£9.90(約1,880円)です。ひとつの処方箋に複数の処方薬がある場合は、すべての薬の合計金額を支払います。ですが、留学生でも18歳以下で大学やカレッジでフルタイム教育を受けている学生はNHSの薬代が無料です。 処方薬が頻繁に必要な人は、処方箋前払いシステム(Prescription Prepayment Certificate)を利用するのも手です。各自のケースが対象になるかの確認は必要ですが、利用できる場合はかなりお得です。 例えば有効期限が3か月間のPPCは、事前に£32.05(約6,090円)支払えば、有効期間中にいくつでも薬を受け取れます(一部は適用外)。PPCの購入はオンラインがメインで、申請日から有効です。申請を完了すると、メールでPPCの証明書が送られてくるので、薬を受け取るときに提示できると便利です。 ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/prescriptions/save-money-with-a-prescription-prepayment-certificate-ppc/ 市販薬はスーパーや薬局でも買える 処方薬以外はどうでしょうか。結論として、スーパー、薬局で簡単に手に入ります。痛み止めや風邪薬、胃腸薬、花粉症などのアレルギー薬、目薬、塗り薬など種類は豊富です。自分に合えば、留学中にイギリスで薬を買って服用することもできるので、必ずしも日本から持ち込まなくてもなんとかなる場合もあります。 ※個人差がありますので、薬の調達については慎重に判断されることをおすすめします。 NHSと留学保険の違い これまでNHSのサービスについてご紹介してきましたが、イギリス留学中に本当にNHSだけあれば安心なのだろうか?と不安に思う人もいるでしょう。ここからは、NHSのサービスが対象外になる場合と、留学保険との違いについてお話ししていきます。 NHSで医療費の支払いが発生する例 処方薬1品につき£9.90(約¥1,880円)かかるとお伝えしましたが、そのほかにも支払いが発生する例があります。 ・歯科医療 ・眼科治療 ・かつらや布製の医療用サポーター NHSのサイトでは、歯科医療について、治療が始まる時点で18歳未満、または19歳未満で所定のフルタイム教育を受けている場合は、NHSでの歯科治療が無料になると伝えています(治療内容によっては費用が発生する場合もあり)。 治療費がかかる場合には、日本より高いと言われていますので、渡英までに歯の状態を診てもらうと安心ですね。 眼科の例では、街中の眼鏡屋で行っている一般的な視力検査なら£20(約3,800円)ぐらいから受けられますが、専門的な検査になるとさらに費用がかかります。眼鏡を作る場合、場所によっては学生割引が使えるので、検査の前にリサーチしてみましょう。 NHSを使って治療ができる街中の歯医者 Haruna 実は私も、イギリスで歯の詰め物が取れてしまって、数ヶ月放置したあとに日本の歯医者にかかったのですが、衛生的に良くない!こんなに放っておくなんて!とすごく怒られた記憶があります…。 留学保険で補える部分もある NHSのサービスがこれだけ充実しているのなら、留学保険はいらないんじゃ?と思う人も多いでしょう。しかし、留学保険に入ることで受けられる恩恵も多いのが事実です。 NHSの病院、つまりはイギリスの公立病院を利用するとなると、無料で診療が受けられる分、長く待たされることもザラです。問題の症状が落ち着くまでに、ある程度の時間を要すこともめずらしくないのです。その点、留学保険に入っておくことで、プライベートの私立病院が利用できます。ロンドンには日系クリニックが数件あるため、日本人ドクターに日本語でサポートしてもらえる点もありがたいです。 私がまだ学生だったころ、もうダメかと思うような辛い症状があったときや、小さな手術を受けたときもすべて留学保険が適用され、プライベートの日系クリニックを利用しました。電話一本ですぐに予約がおさえられ、スムーズな日本語のサービスが受けられたことで、改めて保険の大切さを知りました。 ※持病や既往症は補償されない場合がありますので、各保険会社に問い合わせてみてください。 医療以外のトラブルにも留学保険が活躍します。加入するプランによりますが、盗難や破損、飛行機の遅延も補償されるケースがあります。 「何がどこまでカバーされているか」知っておくと安心 NHSのサービスだけでいいの? 心配だから留学保険に入る?答えは人それぞれ。留学生のなかには、医療サービスにおいてはNHSだけでじゅうぶんだった、という人もいれば、留学保険があってよかった、という人も。しっかりとそれぞれの特性を把握したうえで、自分に合った選択をしてみてくださいね。 医療の備えは安心な留学生活の第一歩 イギリス在住の筆者も、これまでに何度もNHSのお世話になってきました。幸い、GPの受付スタッフや看護師、医師たちには毎回親切にしてもらっています。電話やオンラインでの問い合わせには、ほとんど返信があり、しっかり話を聞いてくれます。ただ、サービスの質に関してはGPによりけり、という声も多いです。GP登録をする際には、口コミをチェックしたり、同じGPに登録している学生の話を聞いたりと、下調べをしておくとより安心です。 安心して留学生活が送れるように、医療面での準備を万全にしておきましょう! https://www.nhs.uk

【実体験】イギリス留学準備術: 合格通知からビザ取得までの記録

3月に入り、イギリスの大学や大学院から合否結果が届いてきたと思います。大学からオファー(合格通知)を受け取るといよいよ本格的な留学準備が始まります。入学までには多くの手続きがあり、スムーズに進めるためには計画的な準備が必要です。本記事では、オファーを受け取った後の具体的な準備プロセスについて、僕の経験を踏まえて詳しく解説していきます。 合格結果の確認と入学手続き 出願してからオファーをAcceptするまで 合格結果が届く時期は大学や学科によって異なり、ここは待つしかありません。僕は出願した5校のうち4校は2月初旬までに結果が届きました。しかし第一志望の大学だけ3月までオファーが来ず、もどかしさを覚えました。遅くて7月ごろに結果が出る場合もあるそうなので、気長に待つことが大事だと思います。UCASのTrackシステムをこまめにチェックしましょう。 オファーの種類(Conditional・Unconditional) イギリスの大学からのオファーには、「条件付きオファー(Conditional Offer)」と「無条件オファー(Unconditional Offer)」の2種類があります。条件付きオファーは、IELTSスコアや最終成績の提出といった特定の条件を満たすことで合格となります。UCASで出願した全ての大学から合否が届いた後は、Firm Acceptance(第一希望)とInsurance Acceptance(第一希望に合格できなかった場合の第二希望)の大学とコースを選択します。第一希望の大学からUnconditional Offerをもらった場合はInsurance Acceptanceを選択する必要はありません。 オファーを受け取った後の対応 自分が受け取ったのが条件付きオファーの場合は手続きを早めに済ませることが大切です。通常、オファーの承諾期限が設定されているため、遅れないように注意しましょう。一部の大学ではInternational Students(留学生)がオファーを承諾する際、デポジット(Deposit - 入学金)の支払いが必要です。この金額は大学によって異なりますが、£1,000~£5,000が一般的です。支払期限も設けられているため、期日を確認して早めに対応しましょう。 不合格だった場合の選択肢(Extra・Clearing) もし出願した全ての大学が不合格(Unsuccessful)だったとしても、結果をもらった後に追加で一つのコースに出願できる「エキストラ(Extra)」と定員に達していないコースに出願できる「クリアリング(Clearing)」というシステムがUCASにあります。Extraは2月末から7月初旬まで、Clearingは7月中旬から9月~10月ごろまで行われます。期待した結果が出なかった場合でも諦めずに他の大学やコースにトライしてみましょう。  イギリス学生ビザ(Student Visa)の申請を徹底解説 イギリスでの長期留学には学生ビザ(Student Visa)が必要です。申請にはいくつかの書類が必要で、その用意やビザ発行までに時間がかかります。とにかく早めの行動が大事です。  必要書類 CAS 大学からのオファーを承諾し、パスポートなどの書類を提出すると、「CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)」という入学許可証が発行されます。CASはビザ申請に必須な書類で、入学証明となる番号(CASナンバー)が書かれています。発行には通常数週間かかりますので、余裕を持って手続きを進めましょう。  パスポート パスポートの有効期間が留学期間をカバーしている必要があります。期限が短い場合、事前に更新しておきましょう。申請時にパスポートを提出し、そこにビザが発給されることになります。また、見開き2ページ以上の余白ページがあることも確認しておきましょう。  過去のパスポート 過去10年間の渡航歴を聞かれた時、昔使っていたパスポートがあると便利です。ただし、トランジットで立ち寄り、滞在期間が1日未満だった国も渡航歴に含まれます。こういった場合はパスポートにその記録がない時があります。できるだけ正確な情報を書くことが推奨されているので、僕は法務省の出入国在留管理庁というところで自分の渡航歴に関する開示請求を行いました。500円程度で調べてもらえます。https://www.moj.go.jp/isa/publications/privacy/record.html 英語力の証明書 大学によってビザ申請時に英語力の証明を求めるところもあります。GCSEやIBなどのスコアで証明できる場合と、イギリス政府が認定するSELT(Secure English Language Test)の結果しか受け付けてくれない場合があります。このSELTはイギリスのビザ取得専用の英語力試験です。中には「IELTS for UKVI」や「Pearson PTE Academic UKVI」などがあります。IELTSとは異なるもので、指定のスコアを満たすため改めて受験する必要があります。 申請費用と健康保険料(IHS) 申請時にはビザ申請料(£490)の支払いが必要です。さらにIHS(Immigration Health Surcharge)という健康保険料(£776×コースの年数)も支払います。IHSを支払うと、イギリス滞在中にNHS(国民保健サービス)を原則無料で受けられます。 ビザ申請の流れ 書類の準備ができたら、イギリス政府のUKVI(UK Visas and Immigration)の公式サイトから専用の申請フォームに情報を入力し、書類をオンラインで提出します。オンライン上の手続きが済んで、申請料及びIHSを支払うとVFS Globalのビザ申請センターの来館予約ができるようになります。日本には東京と大阪にビザ申請センターがあります。予約した日にパスポートを提出し、生体認証情(指紋と顔写真)を登録します。審査は通常3週間ほどかかり、終了しないとパスポートが返却されません。ビザはパスポートと共に返却されます。ビザ申請センターで受け取るか、郵送してもらうかを選べます。 審査開始後に財政能力証明書の提出を要求される場合があります。これはイギリスでの生活費をカバーできる資金があることを証明するためのものです。ロンドンの大学で勉強する場合は£12,492以上。ロンドン以外の場合は£10,224以上(授業料を除く)。つまりロンドンでの生活費: £1,438/月、ロンドン以外での生活費: £1,136/月: 9ヶ月分の生活費をカバーできる証明が必要です 。預金通帳や金融機関の取引明細書を英文に翻訳したものが必要です。あらかじめ準備しておくとビザ申請がスムーズに進むでしょう。  より詳しい流れについては下のサイトに説明してあるので、確認してください。https://www.westminster.ac.uk/sites/default/public-files/general-documents/student-visa-application-guide-applying-from-outside-uk-v2.pdf  申請は「何事も早めに」が鉄則! 前述の通りビザの審査には通常3週間ほどかかると言われています。繁忙期にはそれ以上の時間がかかることもあります。ビザ発行が渡英日に間に合わずフライトを変更せざるを得なかった友達が何人かいました。審査期間が多少長くなってもいいように、早めに必要書類を集めて申請することが大事です。「ビザ申請ドットコム」や「IMMIGRATION.UK」といったビザ申請を代行してやってもらえるサービスがあり、書類の翻訳など自分でできるか不安があった僕は活用しました。利用すれば必要な書類を揃えて代行者に提出するだけです。その後の申請フォームの入力やビザ申請センターの予約などは全部やってもらえます。  寮とシェアハウスの探し方 ビザ申請と並行して、イギリスでの住居を確保する必要があります。選択肢としては大学が運営している大学寮、民間の学生寮、シェアハウスなどがあります。 大学寮 vs 民間の学生寮の違い 同じ大学の人と交流できる大学寮は、初めての留学で最も安全で便利な選択肢だと思います。特にロンドンなどの都市部では、民間の賃貸物件の家賃が高いです。そのため、大学寮を利用することでコストを抑えられます。僕は大学1年の時に大学寮で暮らして、2、3年の時は民間の学生寮で暮らしていました。民間の学生寮だと、ロンドン中の大学から学生が集まるので他大学生との交流が深まります。ただし、これらの寮は人気が高く、申込期限が早いです。オファーを受け取ったらすぐに申し込むことをお勧めします。早めに申し込みをしなかったせいで、キャンパスから遠い場所にあったり、家賃が高い寮しか残っていなかったりという話も友達から聞きます。 大学が寮の情報を発信していますし、部屋の予約ができるResidence(住居)のサイトやWebポータルにも情報があるので、そこのSNSなどに登録して最新情報をチェックしましょう。  僕が住んでいた民間の学生寮 シェアハウス探しの注意点と便利サイト シェアハウスは費用を抑えつつ、学生のみならず現地の人々と交流できる点が魅力的です。ただし、契約詐欺や知らない人とシェアしなければいけないというリスクもありますので、信頼できるサイトを利用して物件を探し、可能であれば現地で内見してから契約を結ぶことが望ましいです。住居探しには、Rightmove(https://www.rightmove.co.uk/)やZoopla(https://www.zoopla.co.uk/)などの物件検索サイトが便利で、よく使われています。また、SpareRoom(https://www.spareroom.co.uk/)を利用すれば、ルームシェアの相手を見つけることもできます。  必須手続き: eVisaについて 返却されたパスポートに載っているビザはあくまで仮のEntry Clearance Visa(入国許可証)というもので、発行されてから90日まで有効です。正式なビザはeVisa(Online immigration status)という電子書類です。UKVIから送られてくる案内に従い、オンライン上でビザの申請番号やパスポート番号を登録して、アカウントを作成します。 イギリスに入国する際、パスポートのビザだけでなくeVisaの提示が求められる場合があります。そのため渡航前に手続きを済ませておくといいでしょう。これまではBRP(Biometric Residence Permit)カードという物理的な書類だったのでした。2025年の1月からオンラインに置き換わりました。 今回紹介したプロセスの他にも航空券を予約したり、持ち物を準備したりするなど、渡英までにやっておく必要があることはたくさんあります。それらについてはまた別の記事で書きますので、楽しみにしていただければ幸いです。CASやビザの発行などには思っている以上に時間がかかるものもあります。留学生活がスムーズに始められるよう、計画的に準備を進め、安心して渡英しましょう。  https://www.gov.uk/student-visa

インペリアルカレッジロンドンの年度初め: 学期最初の1週間

こんにちは!Kenshuです。今回は9月に始まったImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)での新学期の最初の1週間を紹介していこうと思います。海外の大学での新学期の始まりはどんな感じなの?って疑問を持っている皆様の参考になれば嬉しいです。 イギリスの大学はいつ始まる? イギリスの大学が始まるのは大体9月から10月です。大学によって始まる日にちは違います。例えば今年(2025/26年度)だとUniversity College London(UCL)は9月22日、King’s College London(キングスカレッジロンドン)だと9月22日、University of Cambridge(ケンブリッジ大学)だと10月1日などと大学ごとに変わります。僕の通っているImperial College Londonでは9月29日に始まりました。 大学によってはWelcome WeekやOrientation Weekと呼ばれる期間が設けられていて、本格的な授業はその翌週から始まることが多いです。 いつイギリスに行けばいい? 学期が始まる数日前に着くことをおすすめします。自分の住む家(寮やアパートなど)の入居可能日や家族と一緒に来るのかなどを総合的に考慮して決めるといいと思います。僕は一人で渡って、寮に入ったので学期が始まる2日前の27日に行きました。 初日は時差ボケや荷解き、買い出しなどで結構忙しくなります。そのため最低でも1、2日前には到着しておくと余裕をもって学期開始を迎えられて安心です。 インペリアルカレッジロンドンの寮はどんな感じ? インペリアルの1年生は寮に入れることが確約されています。入学する年の5、6月ぐらいにインペリアルからフォームが送られてきて、希望する寮を記入します。 インペリアルには6つの寮があり、キャンパスからの距離、設備、値段などがさまざまです。僕がいるWoodward Buildingsはキャンパスから一番遠い分、値段が安いです。キャンパスに近いSouthside HallsやEastside Hallsでは値段が倍ぐらい違うことがあります。 インペリアルカレッジロンドンの寮 WoodwardにはBlock A、B、Cがあり、各棟に200人ほどが住んでいます。各フロアには10人ほど住んでいて2つのキッチンを共同で使っています。キッチンは結構充実していてIH式のコンロが8つ、オーブン、冷蔵庫がそれぞれ2つ、電子レンジなどがあります。 毎日夕方の6、7時になるとみんなが料理をしに来るのでその度に仲良く話しています。共同生活ならではの出会いや会話が生まれやすく、友達を作るきっかけにもなります。 寮に着いた初日に学生全員がStudent Cardをもらいます。この学生証は講義棟や寮、自分の部屋に入る時などに使います。僕は入居して間もない時に一度Student Cardを部屋に忘れ、1階にあるReceptionまで行ってドアを開けてもらいました。10~15分かかったので絶対になくさないで常に持ち歩くようにしないといけないなって痛感しました。 寮からインペリアルカレッジロンドンまでの通学路 寮はNorth Acton駅の近くにあり、ヒースロー空港からは比較的簡単に辿り着けました。Central Lineが通っているのでロンドンの中心街(SOHO)にも乗り換え無しで行けます。 寮からインペリアルのSouth Kensingtonキャンパスまでは電車を2本乗り継いで行けます。でも個人的には乗換駅で次の電車に乗らず、そこから徒歩でHyde Parkを通過して大学まで行くのが好きです。毎朝友達とHyde Parkを歩くのは気分が晴れます。ビル群ではなく、自然の中が通学ルートになるのはとても魅力的です。 毎朝登校中に通り抜けるHyde Park Hyde Parkのすぐ近くにあるRoyal Albert Hall イギリスでの生活用品の準備 渡英してすぐに必要になのが生活用品の買い出しです。寮には家具が備え付けられていますが、枕、布団、調理器具などは自分で揃える必要があります。僕は到着した日に近くのJohn Lewis(家具量販店)で寝具一式、数日後によくわからない地元の店でフォークやスプーンなどを調達しました。Amazonを活用する人も多く、寮に直接届けてもらえるので便利です。 インペリアルカレッジロンドン: 年度初めのイベント Freshers Fair Freshers FairとはいろいろなSociety(サークル)やスポーツクラブなどが一堂に会して1年生に活動内容を紹介する新入生歓迎祭です。このイベントは2日間にわたって開催されます。 インペリアルには300を超えるSocietyがあり、文化、スポーツ、趣味などいろいろな種類があります。スポーツクラブだとトライアウトがあり、2、3回チャンスが与えられます。大学生活で勉強だけではなくスポーツにも打ち込みたいっていう人にはいい機会だと思います。 無料のグッズやクーポンを配っているブースもあるので、気軽にいろいろ回ってみるのがおすすめです。 Freshers Event 最初の1週間は寮単位や学部単位、Student Union(学生連合)主催のいくつものイベントが行われます。Halls Mixersやクラブを貸し切るイベントもあります。 Halls Mixersでは自分の寮の人たちとお酒を飲みながら交流します。新しい友達を見つけられることもあります。 他にはクラブを貸し切ってインペリアル生だけのパーティが行われます。ビールやテキーラなどのショットだけで6ポンド(約1200円※)以上するのでお金に余裕がない人にはあまりおすすめしません。経験を得るため友達やFlatmatesなどと行くにはめちゃくちゃいい機会です。 ※1ポンド=200円で換算 各コースのイベント 各専攻にもイベントが開催されます。僕はChemical Engineeringを専攻しているのでそれに関する講演やアクティビティなどがありました。インペリアルの学長やChemical Engineering Departmentの学部長によるスピーチ、自分と同じ専攻の新入生たちと一緒にランチを食べながら情報交換するなどいろいろ充実していました。 最後に 最初の1週間は勉強というよりかは学校のことをよく知り、周りの人たちと仲良くなる期間です。そのため比較的時間に余裕ができるので、友達や家族などとロンドン観光をしてみてもいいかもしれません。Natural History Museum(ロンドン自然史博物館)やいくつかの美術館などがインペリアルから徒歩数分のところにあるので行きやすいです。 https://passport-to.com/articles/27/

UCL現役大学生の留学体験記!イギリス留学のリアルと道のり

京都からイギリスへ: UCL大学留学を決めるまで 自己紹介・バックグラウンド  はじめまして。Nanaです。京都市出身で、中学まで地元で過ごし、高校からイギリスの学校に進学しました。  現在は、University College London(UCL、ユニバーシティカレッジロンドン)でArts and Sciences(アーツアンドサイエンス)学科で勉強しています。一つの専門分野を3年間かけて学ぶ一般的なイギリスの大学とは異なり、この学科ではリベラルアーツ教育に似ていて、文理問わず幅広い分野の科目・デパートメントの授業を取ることができます。  留学を決意したきっかけ 中学2年生の時にスイスでサマースクールに参加した体験が留学を志した原点です。いろいろな国から生徒が来ていて、英語だけでなく、ドイツ語、イタリア語、フランス語などを操る同年代の生徒と出会いました。言語がもたらす新しい人との出会い、つながりや発見に心躍らされました。私もグローバルな世界で過ごしたいと強く思った経験でした。 学校選びから出発まで 本格的に留学を考え始めたのは中学2年生の冬あたりでした。サマースクールで訪れたスイス、友人がすでに留学していたアメリカとイギリスを留学先の候補にしましたが、結局イギリスとアメリカの学校に出願し、先にオファーが来たイギリスの学校に入学することに決めました。 友人に紹介してもらった留学エージェントを通して、学校の選定、受験、インタビュー(面接)を経て、イギリス南西部にあるTaunton School International(TSI、トーントンスクールインターナショナル)への入学が決まりました。インタビュー(面接)や試験はすべて、オンラインで行いました。 Taunton School International(トーントンスクールインターナショナル) の校舎 しかし、この時期(2020年)にちょうど新型コロナウイルス感染症が流行り始め、4月に予定していた渡英は先送りされてしまいました。イギリスには行けなかったものの、学校側がいち早くオンライン授業を導入したため、4月-6月の1学期間は日本の自宅で授業を受けました。思い描いていた留学の始まりではありませんでしたが、振り返ってみればホームシックにならず、少しずつ英語に慣れていく良い機会だったと思います。 TSIではGCSEと呼ばれる中学課程に当たるものを1年間学習しました。2年目からはLancing College(ランシングカレッジ)という現地校に入学し、A-level経済、数学、応用数学、日本語を履修し、受験を経て、UCLに入学しました。 Lancing College(ランシングカレッジ)のチャペル UCL大学生のキャンパスライフ ロンドンならではの魅力と学びの日々 現在通っているUCLはロンドン中心部にあり、1826年に設立された大学で、150を超える国から学生が集まる国際性と400以上のコースを提供し幅広い研究分野を持っているのが特徴です。ロンドンという大都市ならではの刺激的な環境もあり、学びだけでなく生活面でも多くの発見がある大学です。 University College London(UCL)に入学 リベラルアーツ型の学び: Arts and Science学科の特徴 大学ではArts and Science(アーツアンドサイエンス)と呼ばれるリベラルアーツの学科で勉強しています。この学科はイギリスの大学にしてはとてもユニークです。イギリスの大学では基本的に高校で専攻した教科を中心により深く学びます。例えば高校で経済を専攻すると大学でも経済学部やビジネス系の学部に進み、その学部で必修授業をとります。 しかし私の学部では多くの学問の知識をいかに融合させて社会課題の解決策にアプローチするのかに重きを置いています。こういった学問を英語ではInterdisciplinary studiesと呼び、分野横断的(学際的)な学びを意味します。社会課題を解決するのにもさまざまな切り口や専門知識が必要なうえ、分野が異なる人々と協力することも欠かせません。そのようなことを中心に学んでいます。 そのため、履修する授業の半分以上を自分で選択できます。学科の中で、3年間を通して全く同じクラスの組み合わせを取っている学生は誰一人いません。こういった環境が自分の学習生活を唯一無二にします。 実際に履修している授業紹介 私が今年取っている科目は、Principle of international public law(国際法)、Mathematical analysis, Real analysis(解析学)、Database system(データベースシステム)、Macroeconomics/Open and Closed economy(マクロ経済学)、Quantitative methods(定量調査)、Sustainable energy(持続可能エネルギー)、Mandarin(中国語)です。 分野がバラバラでそれぞれ全く関係なさそうに見えますが、Sustainable energyで学ぶエネルギー政策はMacroeconomicsの経済政策につながっていたり、Quantitative methodsで習得する基礎プログラミングはDatabase systemで応用できたりと、他の学生とは違った視点で問題の解決法を見いだすことができます。 課外活動とロンドンでの暮らし 日本語を教えるJapan Societyでの活動 授業外では、Japan Societyと呼ばれるソサエティ(サークル)に参加していて、2週間に1度、学生に日本語を教えています。 Finance and Economics Societyで得た学びと人脈 また、Finance and Economics Societyにも参加しており、週1くらいの頻度で開催されるロンドンの投資銀行などの金融業界で働く方によるセミナーに参加しています。UCLのネットワークはかなり広く、トップ企業で働く卒業生も多いので、いろんな人から話を聞けるチャンスがたくさんあります。 ロンドンの美術館・博物館巡りで深める学び ロンドンには大英博物館(British Museum)やナショナルギャラリー(National Gallery)など、たくさんの権威ある美術館と博物館が集まっていて、ほとんどが入場無料ということもあり、休日にはなるべく行くようにしています。 昨年取ったSocial Theoryの授業ではオリエンタリズム(西洋が東洋をどのようにとらえていたのかを研究する学問領域)のトピックを扱ったのでテムズ川畔にあるTate Britain(テート・ブリテン) の絵画を見に行きました。 Colonialism(植民地主義)などのトピックを考える際、博物館の作品は貴重なソースとなり、実際に鑑賞することでコンテンツの理解をより深めることができます。 高校留学・大学留学を通じて得た学び 広がった視野と情報へのアンテナ 留学して良かったことは、視野が広がったことと得られる情報が増えたことです。異なる文化や価値観を持つ人たちと関わる中で、自分が当たり前だと思っていた考え方が、実は国や環境によって大きく異なることに気づきました。Taunton School時代のルームメートはブルンジ人でした。初めて聞く国からの生徒だった彼女とどうしても話をしたくて、どんな国なのか、何語を話すのかなどを調べた記憶があります。 多様な視点を学べる国際的なクラスメートとの出会い 授業では、さまざまなバックグラウンドを持つクラスメートと意見を交わす機会が多く、同じテーマでも多様な視点があることを学べたのは、とても刺激的でした。日本では、自分がどの政党を支持しているか、政策まで議論することはなかったですが、イギリスでは自国の政策はもちろん、他のヨーロッパ諸国の政策まで網羅している学生も何人かいて、意識の高さがうかがえました。 経済の授業では特に、GDP(国内総生産)成長率やインフレ、利子率を必ず頭に入れておく習慣ができました。円安など、身の回りで起きていることが身につけた知識で理解できるようになっていくのが楽しかったです。 英語力と自己発信力の向上 また、英語でコミュニケーションを取る力が自然と身につき、自信を持って自分の意見を発信できるようになったのも大きな成長です。さらに、留学生活を通じて新しい友人や経験に出会い、自分自身の挑戦する力や柔軟性も養われたと感じています。 留学生活で感じた辛さと乗り越えた経験 言語の壁とコミュニケーションの葛藤 留学で辛かったことのひとつは、最初の頃に感じた言語の壁です。英検2級を取得後に渡英しましたが、授業では、ネイティブスピーカーや先生たちのスピードについていけなかったです。留学当初は宿題を終わらせるのにも、クラスメートの3倍時間がかかりました。 授業がわかるようになっても、友達との会話や冗談を理解し、話すまでにはかなり時間がかかりました。小学校の間に英会話塾に週1で通っていましたが、実際に会話しようとすると、自分のシャイな性格も相まって単語が出てこない場面が多くあり、自分の意見を思うように表現できず、もどかしさを感じることがありました。 辞書を片手に専門用語と格闘する日々 大学に入ってからは、専門的な単語も多くて、今でも辞書は手放せません。ですが、一つ一つの単語の意味を調べる習慣がついたことで、理解できない単元があっても、わかるまで調べたり文献を読んだりして、人一倍深い学びを得たと思います。 これからイギリス留学を目指す人へのメッセージ 留学は挑戦の連続ですが、ぜひ恐れずに一歩踏み出してみてください。その経験が、自分自身を大きく成長させ、未来への大きな力になるはずです。 https://jp.education-moi.com/article-51-ucl https://www.ucl.ac.uk

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現役KCL生が解説!キングスカレッジロンドンのファウンデーションコースからPPE学部進学

こんにちは!現在King’s College London(KCL)でPPE(哲学・政治学・経済学)を専攻しているAyanoです。私は日本の高校を卒業後、イギリスの大学へ進学するため、昨年1年間は同大学のファウンデーションコースに通っていました。今回は、ファウンデーションの内容や学部課程への進学などについて紹介したいと思います。 https://passport-to.com/articles/30/ ファウンデーションコースとは? ファウンデーションコースは、日本の高校など、イギリスの大学入学資格(A-levelやIB)を持っていない高校を卒業した生徒が、イギリスの大学に進学するために必要な準備をする1年間のプログラムです。 このコースでは必要な英語力に加えて、学部課程で希望する専攻に近い内容を学びます。 https://jp.education-moi.com/universities/uk/foundation ファウンデーションコースの種類: 民間と大学 ファウンデーションコースは大学が実施しているものと、大学以外の教育機関が実施しているものがあります。私はKCLのファウンデーションに出願し、入学しました。このファウンデーションからそのままKCLの学部課程へ進学する場合は、決められた成績をとる必要あります。 ファウンデーションコースには民間の教育機関が提供しているものと大学が運営しているものがあります。出願を検討している人がいれば、大学が提供しているものをおすすめします。 キングスカレッジロンドンのキャンパス 民間のファウンデーションだとUCASを通して学部課程に出願するのが難しいケースがあります。大学直営のファウンデーションであれば、その大学への進学保証があるだけでなく、他大学への出願もできます。例えば、ユニバーシティカレッジロンドン(UCL)やLondon School of Economics and Political Science(LSE)などへの出願は大学直営のファウンデーションしか認めていない場合があります。 上記の例からわかるように、実際のファウンデーション後の進路に融通が利きやすいのは大学直営のものだと思いますので、私は大学直営のものをおすすめします。 キングスカレッジロンドンのファウンデーションコース KCLのファウンデーションコースの中でもいくつかpathway(分野)があります。それぞれのpathwayごとに、進学できる学部のコースが決まっているため、それを参考にして私もpathwayを選びました。 現在のKCLのファウンデーションでは大まかに以下の4つのpathwayがあり、さらにそこから細かく分かれています。 https://www.kcl.ac.uk/international-foundation/pathways ・Health, Life & Biosciences Pathway・STEM & Natural Sciences Pathway・Politics, Culture & Social Sciences Pathway・Business & Economics Pathway 私が通っていたのはPolitics, Culture & Social Sciences Pathwayの中のGlobal Politics and Social Sciencesというものです。このコースからは、主に政治学といった社会科学を中心とした学部課程へ進むことができます。例えばPPEや政治学、国際関係学、国際開発学、地理学、法学部などです。 現在このコースは無くなってしまったのですが、代わりにあるGlobal Politics + Economicsというものが一番近いです。 私が修了したファウンデーションでは数学の授業がなかったため、KCL以外の大学のPPEの出願資格を満たしていなかったです。新しいものは経済学を含むため、この点が改善されたのかもしれません。 キングスカレッジロンドンのファウンデーションコースで履修した授業 このファウンデーションで4つの授業をとりました。 Global Politics Social Sciences Culture and Society English for Academic Purposes 1. Global Politics 1つ目のGlobal Politicsでは政治学の基礎について学びました。「権力とは何か?」「どうやって権力が影響していくのか?」といった抽象的な部分から、民主主義など様々な政治体制を各国のケーススタディをしながら学んでいきました。 2. Social Sciences 2つ目のSocial Sciencesでは「社会科学を学ぶための基礎」を学びました。社会科学という学問分野は社会学、政治学、経済学、人類学、など広い範囲を含みますが、ここでの社会科学は「社会科学ってどんな考え方・研究方法を使う学問なのか?」というテーマに沿ってカリキュラムが組まれていたように思います。 授業内容としては、ジェンダー、フェミニズム、教育、マルクス主義など広い範囲を学び、リサーチ方法も習得しました。 授業の様子 2学期にあったグループプレゼンテーションでは、「リサーチプロジェクトをデザインする」というテーマでリサーチ設計を行いました。例えばどういう方法で研究を進めるのか、研究者の立場がどう結果に影響するのか、文献に基づいた仮説などについてグループ内でディスカッションを行い、結果をまとめて発表しました。リサーチプロジェクトのテーマは授業で扱った内容と関わっていればなんでもOKでした。 私のグループは「K-popの世界的な人気が、韓国人のアイデンティティにどう関わっているのか」というテーマでした。実際の研究は行わず、設計するだけなのですが、私も楽しく参加することができました。 ここまでの2つがこのコースのメインの科目です。 3. Culture and Society 次に3つ目のCulture and Societyについて説明します。学ぶ内容としてはSocial Sciencesとかなり近いですが、アプローチが統計的ではなく、理論的でした。アセスメント(成績評価)もエッセイが多かったです。 4. English for Academic Purposes 最後のEnglishでは、アカデミック英語を学びました。エッセイの書き方や、プレゼンの仕方、どうやってリサーチすればいいかなどを身につけました。これらのスキルはその後の学部課程においても重要であるため、しっかり学ぶことができて留学生としてはとてもありがたかったです。 実際にPPEへ進学してからは、政治学の授業以外でもファウンデーションの内容と重なる部分が多く、身になっているなと日々感じています。 学部課程への進学 前述の通り、KCLのファウンデーションで成績条件を満たしていれば、そのpathwayから進学できる学部課程へは無条件で合格がもらえます。ただ法学部や医学部などへの進学はファウンデーションコースの成績に加え、別の試験や面接があります。 KCLの学部へ進学する場合は最低でも総合成績65%以上でファウンデーションを修了する必要があります。65%以上で進学できるコースもあれば、70%以上が条件となるコースもありました。つまり、KCLの学部課程へ進学したい場合は、64%以下の成績で卒業すると実質failとなります。 1月末に、大学側へ進学したいコースの希望を2つ出します。この時、両方65%のものを選ぶことはできますが、2つとも70%以上のものを選ぶことができません。つまり1つ70%以上なら、もう1つは必ず65%以上である必要があります。最終成績で70%以上取れなかった時に、バックアップを残しておくためです。 キングスカレッジロンドンのキャンパス周辺の建物 65%で進学できるコースは私の政治学のpathwayでは多くなかったため、ほとんどの人が第1希望で70%のコースを、第2希望で65%のコースを選んだと思います。これはpathwayにより大きく異なります。 私は「70%以上取らなきゃ、希望のPPEへ進学できない」という気持ちで1年間頑張っていたので、試験やエッセイのプレッシャーは学部課程の今よりも大きかった気がします。 とはいえ、ファウンデーションなので、日々真面目に頑張っていれば70%を取るのは難しいことではなく、実際私も余裕を持った成績を取ることができました。 授業にしっかり出席するのはもちろんですが、授業の準備も怠らず、セミナーでも積極的に関わっていけば、良い結果は出やすいのかなと思います。 成績の評価方法 アセスメントは、エッセイと試験がほとんどでしたが、プレゼンテーションで評価されたのは2つありました。 これもpathwayによると思うのですが、試験中心のものもあれば、私のようにエッセイがある場合もあります。 KCLのファウンデーションの1学期はFormativeと呼ばれるエッセイや試験がほとんどでした。Formativeは練習なので実際の成績には影響しません。ここで得たフィードバックをもとに、その後の本番のエッセイなどに活かしていきます。 私もFormativeのエッセイの結果は良くなかったのですが、その後のエッセイにつながるアドバイスをしっかりもらえたので、最終的に満足のいく結果を出せました。 キングスカレッジロンドンのファウンデーションコースに通って良かったこと まず、大学が提供するファウンデーションに通って良かったことは、キャンパスや大学図書館、大学の寮など、学部生と同じ環境で学べることです。ファウンデーションは正規の学位ではありませんが、大学の中で学ぶことができるので、学部生や院生とつながることもでき、刺激のある時間でした。 ファウンデーションからそのままKCLへの進学であればある程度保証されているのも良かったです。 また、先生方(一部は教授ですが)がとても支えとなり、親身になってくれました。日本の高校を卒業してそのまま入学した私は、英語圏での勉強にそもそも慣れなかったり、なかなかついていけないと感じたりすることも1学期には多くありました。勉強でわからないことがある場合はもちろんですが、個別の悩みにも親身になってアドバイスをくれ、居心地のいい場所だったと感じます。 休みもあり、ヨーロッパ旅行に行きました もちろん、ファウンデーションは学問の基礎を学ぶコースですし、A-levelやIBを履修できない高校の出身者しかいないという意味で学生のバックグラウンドがかなり限られてくるため、学部生になった今の方が勉強や日々の生活は楽しめているなと思います。  最後に 日本の高校卒業だと直接イギリスの大学へ進学できないため、ハードルが高く感じるかもしれませんが、私はむしろファウンデーションコースを通しての学部課程進学で良かったと感じています。 ファウンデーションは学部での勉強の準備だけでなく、そもそも留学の準備期間になる気がするからです。ファウンデーションがあったからイギリスでの生活や、英語圏での勉強に慣れることができたと思います。 最後まで読んでいただきありがとうございました!みなさんの留学を応援しています! https://jp.education-moi.com/universities/uk/foundation

ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部|日本人学生にインタビュー!

    こんにちは! Goldsmiths, University of London(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ)でメディアを勉強しているKotokoです。今回はファウンデーションコースの時に出会った音楽専攻の日本人学生、Shuntaさんにインタビューをしました。日本では音楽専攻や音楽大学に進む人は限られていて少し特別なイメージがあると思います。イギリスの大学の音楽専攻では実際どんなことをするのか、そして留学生活はどんなものかなど同じ留学生として気になることを聞いてみました! イギリス留学のきっかけ まず留学を考えたきっかけを教えてください。 5歳の頃からバイオリンを始め、クラシック音楽が盛んなヨーロッパでの挑戦を望んでいたからです。日本とは全く異なる環境でハイレベルな学習がしたかったです。 なぜイギリスを選んだのですか? 自分の好きな音楽と英語を同時に学べる国だからです。英語があまり話せなかったのですが、調べていたときにロンドン大学ゴールドスミスカレッジにファウンデーションコースがあることを知り、ここなら挑戦できると思いました。県立高校に通った後に必死に勉強し、IELTSを取得して渡英しました。 https://www.gold.ac.uk/international/pathways/ifc ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部: 授業・専攻 専攻について教えてください。 音楽学部バイオリン専攻です。クラシックやコンテンポラリー(現代)音楽など、形式に縛られることなく様々な音楽を学んでいます。 ブルガリアのイベントでバイオリンを演奏しているShuntaさん なんでその専攻を選んだのですか? 音楽が好きで特にクラシカルやコンテンポラリーは自分の好きなジャンルだからです。また将来は音楽関係の仕事に就きたいのでそれにつなげたいと思っています。 どんな授業を受けているのですか? 2年生では必修4科目(作詞や作曲など)に加え、選択科目で映画音楽やペア演奏を取っています。演奏の授業では、ホールなどでの演奏形式が多く、先生が成長を見て評価してくれます。今はバイオリンのソロ曲、アンサンブル曲、オーケストラ曲を含めた6、7曲を練習しています。 作曲の講義では曲の作り方の基礎を学び、そこから実際に紙で作曲します。最近はPC上での作曲アプリもあり、それを授業で使うこともあります。そのあとに作曲家の先生からアドバイスをいただいています。 映画音楽の授業では講義やセミナーを通して理論を学び、実際に映画のオーディオビジュアルを分析します。その結果をエッセイやビデオエッセイ※にまとめ、成績評価されます。 ※文章として書かれたエッセイのように、議論を進めていく動画コンテンツのこと。 クラスの雰囲気は? 20人ほどの少人数クラスで、みんなフレンドリーで授業に積極的に参加しています。イギリス人が多いですが、日本人が3人いて心強いです。先生との距離も近く、個別に相談に乗ってくれるPersonal tutorがいるのも魅力です。私はtutorの先生と友達のように仲良くしています。 日本の音楽教育との違いはありますか? 日本では理論などを重視しますが、イギリスでは理論はできていることを前提にして自分の演奏に対して真摯に向き合うスタイルです。演奏する曲も自分で決められるし、表現の自由度が高いです。また先生たちは個人の成長をよく観察しながら評価してくれるので、自分らしさを伸ばせる環境だと思います。 イギリスでの留学生活 寮で生活していますか?どんな感じですか? 大学1年生の去年と大学2年生になった今年の2年とも寮に住んでいます。 去年: ドアノックをするようないたずらや夜の11時過ぎに廊下にスピーカーを置いて音楽を流すような騒音がありました。 今年: うるさい人がいなくなったので快適になりました。乾燥機が壊れているから部屋干しするしかなくて、それ用にハンガーを買いました!キッチンとトイレは共用ではなく部屋の中にあってよかったのですが、シャワーヘッドが固定されていて使いにくいです。 総合的に見ると、大学の迅速な対応や友達の助けもあり、何とかなっています。特に寮内のキャンパスサポートの方たちは親切です。いつでも相談を受け付けてくれる体制があるので、私の場合は部屋の交換などの的確なサポートをしてもらいました。 留学生活で心がけていることは? 自分の芯を持っていることが大切だと思います。日本と違って自分の意見を伝えることが大切でYES/NOだけでもはっきりと伝えるほうがいいと思います。 ロンドンのおすすめスポットはありますか? 自分は音楽が好きなので楽譜店に行くのが好きです。 その他、Wimbledon(ウィンブルドン)などの町がきれいで歩いているだけでも楽しいです。特に本屋さんをよく訪れます。 大学の授業以外にしている活動はありますか? アルバイトを始めようかと思い、tutorの先生に相談したら劇場の受付案内バイトの応募サイトを紹介してくれました。今はCV(履歴書)を作成中です! 今年の夏の思い出はありますか? バイオリンの先生がブルガリアでTrayvna Festivalというバイオリンのイベントがあることを教えてくれたので一緒にブルガリアまで行って参加してきました。先生がとても親切でバスなども手配してくれました。そこで大会に参加して見事受賞しました。そのあとにはアカデミー参加者によるコンサートがあり自分も演奏しました。 ブルガリアの街並み ブルガリアの首都ソフィアにあるアレクサンドル・ネフスキー大聖堂 イギリスの大学を卒業したあとの予定 留学して成長したと思うことは? 英語力が上がったのはもちろん、自分に素直になれたことが大きいです。無理せず、自分らしく努力する大切さを学びました。またヨーロッパでの生活や先生・友人から刺激を受けて、ますますバイオリンが好きになりました。 将来は何をしたいとか考えていますか? ベストな道として大会で優勝して奨学金を獲得し、ロンドンにあるGuildhall School of Music and Drama(ギルドホール音楽演劇学校)などレベルの高い大学院に行くことです。将来の夢としては演奏家になることが一番ですがレコード会社などの選択肢も考えています。 最後に、これからイギリスで学びたい人へメッセージをお願いします。 恐れずに挑戦することです。誰もあなたをジャッジしません。SNSの世界はリアルじゃないからこそ、自分自身に集中して、留学でしかできない経験を思い切り楽しんでください! https://www.gold.ac.uk

インペリアルカレッジロンドンの年度初め: 学期最初の1週間

こんにちは!Kenshuです。今回は9月に始まったImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)での新学期の最初の1週間を紹介していこうと思います。海外の大学での新学期の始まりはどんな感じなの?って疑問を持っている皆様の参考になれば嬉しいです。 イギリスの大学はいつ始まる? イギリスの大学が始まるのは大体9月から10月です。大学によって始まる日にちは違います。例えば今年(2025/26年度)だとUniversity College London(UCL)は9月22日、King’s College London(キングスカレッジロンドン)だと9月22日、University of Cambridge(ケンブリッジ大学)だと10月1日などと大学ごとに変わります。僕の通っているImperial College Londonでは9月29日に始まりました。 大学によってはWelcome WeekやOrientation Weekと呼ばれる期間が設けられていて、本格的な授業はその翌週から始まることが多いです。 いつイギリスに行けばいい? 学期が始まる数日前に着くことをおすすめします。自分の住む家(寮やアパートなど)の入居可能日や家族と一緒に来るのかなどを総合的に考慮して決めるといいと思います。僕は一人で渡って、寮に入ったので学期が始まる2日前の27日に行きました。 初日は時差ボケや荷解き、買い出しなどで結構忙しくなります。そのため最低でも1、2日前には到着しておくと余裕をもって学期開始を迎えられて安心です。 インペリアルカレッジロンドンの寮はどんな感じ? インペリアルの1年生は寮に入れることが確約されています。入学する年の5、6月ぐらいにインペリアルからフォームが送られてきて、希望する寮を記入します。 インペリアルには6つの寮があり、キャンパスからの距離、設備、値段などがさまざまです。僕がいるWoodward Buildingsはキャンパスから一番遠い分、値段が安いです。キャンパスに近いSouthside HallsやEastside Hallsでは値段が倍ぐらい違うことがあります。 インペリアルカレッジロンドンの寮 WoodwardにはBlock A、B、Cがあり、各棟に200人ほどが住んでいます。各フロアには10人ほど住んでいて2つのキッチンを共同で使っています。キッチンは結構充実していてIH式のコンロが8つ、オーブン、冷蔵庫がそれぞれ2つ、電子レンジなどがあります。 毎日夕方の6、7時になるとみんなが料理をしに来るのでその度に仲良く話しています。共同生活ならではの出会いや会話が生まれやすく、友達を作るきっかけにもなります。 寮に着いた初日に学生全員がStudent Cardをもらいます。この学生証は講義棟や寮、自分の部屋に入る時などに使います。僕は入居して間もない時に一度Student Cardを部屋に忘れ、1階にあるReceptionまで行ってドアを開けてもらいました。10~15分かかったので絶対になくさないで常に持ち歩くようにしないといけないなって痛感しました。 寮からインペリアルカレッジロンドンまでの通学路 寮はNorth Acton駅の近くにあり、ヒースロー空港からは比較的簡単に辿り着けました。Central Lineが通っているのでロンドンの中心街(SOHO)にも乗り換え無しで行けます。 寮からインペリアルのSouth Kensingtonキャンパスまでは電車を2本乗り継いで行けます。でも個人的には乗換駅で次の電車に乗らず、そこから徒歩でHyde Parkを通過して大学まで行くのが好きです。毎朝友達とHyde Parkを歩くのは気分が晴れます。ビル群ではなく、自然の中が通学ルートになるのはとても魅力的です。 毎朝登校中に通り抜けるHyde Park Hyde Parkのすぐ近くにあるRoyal Albert Hall イギリスでの生活用品の準備 渡英してすぐに必要になのが生活用品の買い出しです。寮には家具が備え付けられていますが、枕、布団、調理器具などは自分で揃える必要があります。僕は到着した日に近くのJohn Lewis(家具量販店)で寝具一式、数日後によくわからない地元の店でフォークやスプーンなどを調達しました。Amazonを活用する人も多く、寮に直接届けてもらえるので便利です。 インペリアルカレッジロンドン: 年度初めのイベント Freshers Fair Freshers FairとはいろいろなSociety(サークル)やスポーツクラブなどが一堂に会して1年生に活動内容を紹介する新入生歓迎祭です。このイベントは2日間にわたって開催されます。 インペリアルには300を超えるSocietyがあり、文化、スポーツ、趣味などいろいろな種類があります。スポーツクラブだとトライアウトがあり、2、3回チャンスが与えられます。大学生活で勉強だけではなくスポーツにも打ち込みたいっていう人にはいい機会だと思います。 無料のグッズやクーポンを配っているブースもあるので、気軽にいろいろ回ってみるのがおすすめです。 Freshers Event 最初の1週間は寮単位や学部単位、Student Union(学生連合)主催のいくつものイベントが行われます。Halls Mixersやクラブを貸し切るイベントもあります。 Halls Mixersでは自分の寮の人たちとお酒を飲みながら交流します。新しい友達を見つけられることもあります。 他にはクラブを貸し切ってインペリアル生だけのパーティが行われます。ビールやテキーラなどのショットだけで6ポンド(約1200円※)以上するのでお金に余裕がない人にはあまりおすすめしません。経験を得るため友達やFlatmatesなどと行くにはめちゃくちゃいい機会です。 ※1ポンド=200円で換算 各コースのイベント 各専攻にもイベントが開催されます。僕はChemical Engineeringを専攻しているのでそれに関する講演やアクティビティなどがありました。インペリアルの学長やChemical Engineering Departmentの学部長によるスピーチ、自分と同じ専攻の新入生たちと一緒にランチを食べながら情報交換するなどいろいろ充実していました。 最後に 最初の1週間は勉強というよりかは学校のことをよく知り、周りの人たちと仲良くなる期間です。そのため比較的時間に余裕ができるので、友達や家族などとロンドン観光をしてみてもいいかもしれません。Natural History Museum(ロンドン自然史博物館)やいくつかの美術館などがインペリアルから徒歩数分のところにあるので行きやすいです。 https://passport-to.com/articles/27/

イギリス大学留学Pre-Departure Event 2025@東京 #3|舞台裏に迫る

イギリスの大学留学を始める学生向けに8月23日にPre-Departure Event 2025が開催されました。この記事では開催までの経緯や当日の準備など、イベントの舞台裏をお届けします。 イベントの裏側はこちらの動画にもありますので、併せてご覧ください! https://www.youtube.com/watch?v=pGcj4TY1IrA 開催の経緯: Moi Educationとのコラボ 今回のイベントは4大学のJapanese Societyの合同開催ですが、中心となって進めてきたのがImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のJapanese Societyです。インペリアルJapanese SocietyのSecretaryのSaraさんによると、一つ上の学年のコミッティーから「いつか東京でイベントを開催したい」という話をずっと聞いていたと言います。 夏休みに代が替わり、25/26年度のコミッティーとしていろいろなイベントの企画が始まりました。その時に、Moi Education代表のMakiさんと別の件で打ち合わせをしていた際に、「東京で渡航前イベントを開催したいです」と話を持ち込み、Makiさんが「ぜひ一緒にやりましょう」ということでした。 インペリアルJapanese Society副会長のYukaさんによると、インペリアルにあるSingapore Societyなど、他の国の団体が毎年開催しているため、それらを参考にしたそうです。 事前準備: 4大学のJapanese Societyが打ち合わせで調整 イベントの運営は会場探しやInterest formを利用して参加者数を予測するところから始まりました。しかしインペリアルのみではかなり小規模になることが分かったそうです。加えて8月中旬にならないとA-levelの結果が出ず、その関係で参加を決められない新入生が多いことが浮かび上がりました。また、他大学からの参加希望者がいたことも踏まえ、合同開催に踏み切りました。 コミッティー全員が「去年の自分が渡英前にあったらうれしかったイベントを後輩たちに届けたい」という思いを原動力に準備を進めました。 本格的に動き出したのは開催の約1カ月前です。インペリアルのJapanese Societyのメインコミッティーがプログラムの大枠を決め、他の参加校のJapanese Societyとオンラインでミーティングを重ねました。イベント全体の企画は主にSaraさんが「去年の自分が渡航前に知っておきたかったこと」をベースに決めました。 それに加え、学部、大学、都市が異なるメンバーからも意見も入れて、より多様な視点から見たイギリス留学、そしてコミッティー全員が新入生に伝えたいことを追加していきました。 当日の準備: リハーサルなど最終調整 Pre-Departure Eventのポスター イベント当日の午後2時、コミッティーたちが会場に集まりました。まずは椅子や机の並べ替えなどをして会場設営をしました。第二部がスムーズに始められるように、大学ごとにテーブルを分け、印となる大学のロゴを貼った。その後、プレゼンテーションで使用する大型ディスプレーの準備と接続をし、発表の流れのリハーサルも行われました。 各大学のJapanese Societyのコミッティーが打ち合わせをしている様子 開場の時間になったらSaraさんが入口近くで受付の準備を始め、パソコン上に名簿を表示させました。受付と同時に参加者に名札を自分で書いてもらえるよう、名札シールが用意されました。 責任者のSaraさんインタビュー 今回のPre-Departure EventはImperial College LondonのSaraさんが企画し、他の3つの大学のJapanese Societyのコミッティーとの調整などを行いました。責任者のSaraさんに開催の経緯、準備の過程などについて聞きました。 Pre-Departure Eventでプレゼンテーションを行う責任者のSaraさん Q: 実際に開催してみてどうでしたか? イベントをやって本当によかった、というのが一番の感想です。何よりも「来てよかった!」「いろんな人と会って、話せて楽しかった」「役立つ情報をすでにイギリス留学している先輩たちから聞けて参考になった」という声をいただけたのがうれしかったです。 ぜひ今後も続けていきたいですし、来年度以降のコミッティーに引き継ぎたいですね。今回参加してくれた後輩たちに熱意とイベントの良さが伝わっていることを願います。 Q: 開催にあたって、大変だったことはなんですか? 一番苦労したのは、夏休みの時期に企画を動かしたことです。みんな旅行や予定がある中で、ミーティングに参加したりスライドを作ったりしないといけなくて。私も旅行先のホテルからオンラインミーティングに出たりしていました(笑)。 インペリのコミッティーは普段から仲が良いので、単に「仕事仲間」だけでなく、お互いの時間も大切にしつつイベントを成功させたい気持ちもあって、そのバランスを取るのが難しかったです。でもそういう中で「連絡のプラットフォームを仕事用とプライベート用に分ける」みたいな工夫も生まれて、チームとしても個人としてもすごく成長できたと思います。 Q: 今回開催した中でよかった点や改善点を踏まえ、次回以降はどのような変更を行いますか? 毎年続けていけるイベントにしたいと強く思っています。 今回のイベントの良かった点の一つとして、参加者同士が大学や学年、留学の形態や先輩後輩といった枠にとらわれず、自由に交流できる雰囲気が自然と生まれたことです。当初私が目指していた以上に素敵なものでした。 今後は参加校が増えたり認知度が上がったりして規模がより大きくなっていく可能性もありますが、数に流されず「温かい雰囲気のイベント」であり続けてほしいです。 プレゼンテーションの内容に関しては改善できる点も多いと感じています。就活関連の少しシリアスな内容から、各都市の日本食事情といった日常に密着した話題まで、バランスの取れた構成にはなっていたと思いますが、基本的にコミッティーが一方的にプレゼンする形だったので、今後はもっとインタラクティブにできると良いと思います。 第二部は各校のブースを設置して、自由に話せるフリートークタイムとしましたが、ワークショップのような形で、いろんなバックグラウンドの学生を集めたグループで何かアクティビティをするのも面白いかもしれません。 インペリのJapanese Societyの場合、毎年2年生がコミッティーを担当するのが慣例です。来年以降私がどんな形でJapanese Societyに関わっていくかは未定ですが、今回のイベントで得た学びや感想は、必ず次の世代に引き継ぎたいと思っています。 Q: 最後に新入生へのアドバイスをお願いします! ワクワク、ドキドキ、緊張、色んな気持ちでいっぱいだと思いますが、ぜひ思いっきり楽しんでください!大学は自分の世界がどんどん広がっていく場所です。そしてロンドンは多様性にあふれ、毎日新しい刺激がある街です。たくさんの人に出会い、色んなコミュニティに参加して、多くの経験を積むことが、きっと素敵な大学生活になります! もちろん、勉強という本業も忘れずに。Japanese Societyにもぜひ遊びに来てくださいね☺︎ Pre-Departure Eventに参加した新入生とJapanese Societyのコミッティーたちの集合写真 コミッティー紹介 イベント中に主催したJapanese Societyのコミッティー3人に話を聞くことができ、現在の専攻やロンドン生活の楽しみなどをご紹介します。 Saraさん Saraさん 所属: Imperial College London, Medical BiosciencesJapanese Societyでの役職: Secretary 小さい頃から理科が好きで、人体構造や病気の仕組み、薬効を学ぶことが面白くて、そこから医療生物学に惹かれるようになりました。また、エジプトやミャンマー、インドといった医療体制が十分でない国々で暮らした経験も大きな理由です。 質の高い医療にアクセスできない現実を目の当たりにし、国際機関やNGOが医療支援で果たしている役割に感銘を受けました。その中で私は、医薬品や医療機器の研究開発を通じて、人々が安心して医療を受けられる社会づくりに貢献したいと考えるようになりました。 インペリアルのMedical Biosciencesは、医療生物学を幅広く学べるだけでなく、研究者としての基盤を養うことができるコースです。自分のやりたいことや将来必要なスキルと一致していたため、進学を決めました。 大学生活では、3歳からずっと続けているバレエを楽しんでいます。ダンスサークルのバレエ部門に入っていて、毎週のクラスに参加したり、コンペティションチームで踊ったりしています。2年生からはチームのコミッティーとしてクラスのインストラクターもやっています。 寮生活が始まってから料理にハマっていて、自分のキッチンでディナーパーティーを開いたり、作り置きを工夫したり、各国の友人からレシピを教わったりと、多国籍な環境ならではの楽しみを満喫しています。 それからJapanese Societyの活動も、今年度からコミッティーとして本格的にスタートしました。大変なこともありますが、Secretaryとして仲間と一緒に楽しく仕事しています! Rukaさん Rukaさん 所属: Imperial College London, Biomedical EngineeringJapanese Societyでの役職: Vice President 医療分野に応用できる工学の知識を幅広く学んでいます。1、2年のうちは講義とテストが中心で、3、4年になると実験・実習が増えると思います(MEng/学部・修士一貫課程なので4年間です)。 元々医学部を視野に入れながら医療系に関わりたいという気持ちがありました。将来のことを考えた時に、企業に入って医療機器の開発に携わりたいと思うようになりました。それで学部のコースをいろいろ調べていたら、インペリアルのBiomedical Engineeringが一番自分にぴったりだったのでそこにしました。 今のところ勉強は思っていたほどは忙しくないのですね。一応毎日勉強するように意識していますが、遊びに行く余裕は意外とあります。ロンドン生活の中で、観光が楽しいです。いろいろなマーケットというか屋台っぽいのがいっぱい集まっているバラマーケットなどがとても良かったです。 Shinichiroさん Shin-ichiroさん(左) 所属: The London School of Economics and Political Sciences, EconomicsJapanese Societyでの役職: Secretary and Language Officer 今回のイベントでは会長代理として来ました。LSEのJapanese Societyは他の大学と比べるとかなり小規模ですが、このイベントではLSEの新入生が一番多くてちょっと困惑しています(笑)。 今までブラジルのサンパウロ、インドネシアのジャカルタ、アラブ首長国連邦のドバイと、世界を転々としてきた中で、たくさんの気づきを得られました。貧困に直面している人や富裕層など、幅広い層の人々を見てきた中で、社会問題の解決に経済は大きいなツールの一つになると考えるようになりました。そこで経済に興味を持ち始め、社会科学に特化したLSEで経済学を専攻したいと決めました。 また、イギリスの大学の経済学専攻は数学重視で、どちらかというと理系寄りです。この点は自分に合っていたので、イギリスの大学を選びました。1年目の勉強はIBの延長線上くらいの感覚で、そこまで難しいとは感じなかったです。大体大学に入学できた時点であるの程度学力はあると思いますので、あとは努力を続けて、強い信念があればできると思います。 ロンドンでの生活はご飯がまずい以外は楽しいです。この前、久しぶりに日本に帰ってきて、お母さんが作った白米を食べた時は感動しました。 Pre-Departure Event全体の様子と新入生インタビューはこちらからご覧いただけますのでぜひ読んでみてください! https://passport-to.com/articles/36/ https://passport-to.com/articles/37/ 今回のイベントのスポンサー: https://jp.education-moi.com

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