ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部|日本人学生にインタビュー!

 

 

こんにちは! Goldsmiths, University of London(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ)でメディアを勉強しているKotokoです。今回はファウンデーションコースの時に出会った音楽専攻の日本人学生、Shuntaさんにインタビューをしました。日本では音楽専攻や音楽大学に進む人は限られていて少し特別なイメージがあると思います。イギリスの大学の音楽専攻では実際どんなことをするのか、そして留学生活はどんなものかなど同じ留学生として気になることを聞いてみました!

イギリス留学のきっかけ

まず留学を考えたきっかけを教えてください。

5歳の頃からバイオリンを始め、クラシック音楽が盛んなヨーロッパでの挑戦を望んでいたからです。日本とは全く異なる環境でハイレベルな学習がしたかったです。

なぜイギリスを選んだのですか?

自分の好きな音楽と英語を同時に学べる国だからです。英語があまり話せなかったのですが、調べていたときにロンドン大学ゴールドスミスカレッジにファウンデーションコースがあることを知り、ここなら挑戦できると思いました。県立高校に通った後に必死に勉強し、IELTSを取得して渡英しました。

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ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部: 授業・専攻

専攻について教えてください。

音楽学部バイオリン専攻です。クラシックやコンテンポラリー(現代)音楽など、形式に縛られることなく様々な音楽を学んでいます。

ブルガリアのイベントでバイオリンを演奏しているShuntaさん
ブルガリアのイベントでバイオリンを演奏しているShuntaさん
なんでその専攻を選んだのですか?

音楽が好きで特にクラシカルやコンテンポラリーは自分の好きなジャンルだからです。また将来は音楽関係の仕事に就きたいのでそれにつなげたいと思っています。

どんな授業を受けているのですか?

2年生では必修4科目(作詞や作曲など)に加え、選択科目で映画音楽やペア演奏を取っています。演奏の授業では、ホールなどでの演奏形式が多く、先生が成長を見て評価してくれます。今はバイオリンのソロ曲、アンサンブル曲、オーケストラ曲を含めた6、7曲を練習しています。

作曲の講義では曲の作り方の基礎を学び、そこから実際に紙で作曲します。最近はPC上での作曲アプリもあり、それを授業で使うこともあります。そのあとに作曲家の先生からアドバイスをいただいています。

映画音楽の授業では講義やセミナーを通して理論を学び、実際に映画のオーディオビジュアルを分析します。その結果をエッセイやビデオエッセイにまとめ、成績評価されます。

※文章として書かれたエッセイのように、議論を進めていく動画コンテンツのこと。

クラスの雰囲気は?

20人ほどの少人数クラスで、みんなフレンドリーで授業に積極的に参加しています。イギリス人が多いですが、日本人が3人いて心強いです。先生との距離も近く、個別に相談に乗ってくれるPersonal tutorがいるのも魅力です。私はtutorの先生と友達のように仲良くしています。

日本の音楽教育との違いはありますか?

日本では理論などを重視しますが、イギリスでは理論はできていることを前提にして自分の演奏に対して真摯に向き合うスタイルです。演奏する曲も自分で決められるし、表現の自由度が高いです。また先生たちは個人の成長をよく観察しながら評価してくれるので、自分らしさを伸ばせる環境だと思います。

イギリスでの留学生活

寮で生活していますか?どんな感じですか?

大学1年生の去年と大学2年生になった今年の2年とも寮に住んでいます。

去年: ドアノックをするようないたずらや夜の11時過ぎに廊下にスピーカーを置いて音楽を流すような騒音がありました。

今年: うるさい人がいなくなったので快適になりました。乾燥機が壊れているから部屋干しするしかなくて、それ用にハンガーを買いました!キッチンとトイレは共用ではなく部屋の中にあってよかったのですが、シャワーヘッドが固定されていて使いにくいです。

総合的に見ると、大学の迅速な対応や友達の助けもあり、何とかなっています。特に寮内のキャンパスサポートの方たちは親切です。いつでも相談を受け付けてくれる体制があるので、私の場合は部屋の交換などの的確なサポートをしてもらいました。

留学生活で心がけていることは?

自分の芯を持っていることが大切だと思います。日本と違って自分の意見を伝えることが大切でYES/NOだけでもはっきりと伝えるほうがいいと思います。

ロンドンのおすすめスポットはありますか?

自分は音楽が好きなので楽譜店に行くのが好きです。

その他、Wimbledon(ウィンブルドン)などの町がきれいで歩いているだけでも楽しいです。特に本屋さんをよく訪れます。

大学の授業以外にしている活動はありますか?

アルバイトを始めようかと思い、tutorの先生に相談したら劇場の受付案内バイトの応募サイトを紹介してくれました。今はCV(履歴書)を作成中です!

今年の夏の思い出はありますか?

バイオリンの先生がブルガリアでTrayvna Festivalというバイオリンのイベントがあることを教えてくれたので一緒にブルガリアまで行って参加してきました。先生がとても親切でバスなども手配してくれました。そこで大会に参加して見事受賞しました。そのあとにはアカデミー参加者によるコンサートがあり自分も演奏しました。

ブルガリアの街並み
ブルガリアの街並み
ブルガリアの首都ソフィアにあるアレクサンドル・ネフスキー大聖堂
ブルガリアの首都ソフィアにあるアレクサンドル・ネフスキー大聖堂

イギリスの大学を卒業したあとの予定

留学して成長したと思うことは?

英語力が上がったのはもちろん、自分に素直になれたことが大きいです。無理せず、自分らしく努力する大切さを学びました。またヨーロッパでの生活や先生・友人から刺激を受けて、ますますバイオリンが好きになりました。

将来は何をしたいとか考えていますか?

ベストな道として大会で優勝して奨学金を獲得し、ロンドンにあるGuildhall School of Music and Drama(ギルドホール音楽演劇学校)などレベルの高い大学院に行くことです。将来の夢としては演奏家になることが一番ですがレコード会社などの選択肢も考えています。

最後に、これからイギリスで学びたい人へメッセージをお願いします。

恐れずに挑戦することです。誰もあなたをジャッジしません。SNSの世界はリアルじゃないからこそ、自分自身に集中して、留学でしかできない経験を思い切り楽しんでください!

Goldsmiths, University of London
Located in south-east London and specialising in the study of creative, cultural and social subjects. Degree programmes,...

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イギリス高校留学2年目|ホームステイの体験や新しい出会いと学び

留学生活2年目以降の学校の様子、ホストファミリーとの出会いと別れ、学校の大きなスポーツイベントやA-level(Aレベル)の勉強法などについての体験談です。 ホストファミリーと過ごすイギリス高校留学 ホストファミリーの仕組み 私の学校の留学生担当の先生がホストファミリーの手配をしてくれました。ホストファミリーは、学校の近くに住んでいる家庭が立候補し、先生方の許可を得て留学生の受け入れを行っていました。この滞在には別料金が発生します。ホストファミリーの役割は留学生の生活のサポート、栄養バランスの整った食事の提供、イギリスの文化を教える、というものでした。留学生は2人1組のペアになり、それぞれの家に行きました。 初めてのホームステイでの苦労 私は香港人の最上級生とペアになり、初めて滞在したのは3人の子供がいる家庭でした。残念ながらあまり良い家庭ではなかったです。食事は十分にいただけなかったです。食べ盛りの男子2人と私たち2人の夕飯にMサイズの冷凍ピザ1枚だけの日もありました。どこかに行きたくても連れて行ってもらえず、「タクシーを使って自分で行けば?」と言われました。あまり整頓されていない家に2週間いるのは辛かったです。 当時は英語もあまり話せず、イギリス人は食事にあまり関心がないとはわかっていたので文句も言えず、我慢していました。自分は日本から来ているので期待値の違いがあるだけだと思っていました。3回くらい行ったところで私の母に「それはおかしい」と言われ、先生に初めて相談しました。するとその家庭はお金目当てだったことが発覚し、ホストファミリー失格になりました。ペアになる生徒は大体仲の良い子なのでそこは問題ありませんでした。 様々なホストファミリーとの経験と思い出に残る家庭 その後の家庭はどれも優しく、ご飯もしっかり栄養を考え、街に連れて行ってくれました。厳しい家庭では夜になるとWi-Fiを消されることやヒーターを止められて凍える日もありましたが……。 一番思い出に残っているのは両親共に学校の先生をしていた家族です。3人のとても可愛い女の子達がいて、温かく迎えてくれました。ご飯は日本人ほどこだわってはいませんが十分に用意してくれました。イギリスの文化や歴史、有名なドラマや映画も教えてくれ、一緒に見ることもありました。子供達ともたくさん遊び、仲良くなりました。この家庭がとても心地良かったです。私は卒業までこのホストファミリーを希望し、休日はその綺麗な家でのびのび休めました。 休暇制度 留学生は通常年に3回、春・夏・冬休みには母国に帰ることが多いです。そのほかにもいくつかの休みがありました。1つはHalf term(ハーフターム)といい、学期の中間に約2週間、年に3回あります。また、Exeat weekendという休みもあり、金曜日から週末にかけて寮が閉まります。これは学期中に2回、合計年6回ありました。普段は週末も寮で過ごしますが、Half termとExeat weekendではホストファミリーの家に滞在します。 ホームステイ以外の休暇の過ごし方 Half termでは私の学校がある地域に住んでいる友達に誘われてお泊まりしたこともありました。豪邸に住むその子の家には大きなベッドがいくつもあり、大きな暖炉で豚を焼き、皮をパリパリにしたようなご飯も出てきてとても素敵でした。このように友達の家に泊まることはホストファミリーよりも優先されます。先生方も私が地元の友達と過ごせることにとても喜んでいました。 他にも、学校の友達と街へ出かけたり、ロンドンへ旅行に行ったりもしました。2年目から兄がロンドンの大学に進学したため、会いに行くこともありました。 ドイツ人留学生との交流 2年目(Year 11)からドイツの留学生が 20人ほど増えました。彼らはグラウンドホッケーが上手で、スポーツ推薦で1年間来ていました。私は面倒見係としてそのうちの1人の子と部屋をシェアしました。とてもしっかりしている子で、私が日本から戻ってきて時差ボケだった時、6時と7時の点呼の合間の宿題時間に寝てしまったので7時の点呼の時間に起こしてくれました。私がYear 12の時に入ってきたドイツ人留学生とは特に仲良くなり、卒業後はドイツまで遊びに行くほどの関係になりました。今もSNSで繋がっています。 イギリス大学進学のための資格: A-level取得 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私のA-levelの勉強法は過去問を解き続けることです。インターネットに載っている過去問をひたすら授業がない時間に解いていました。同じ問題集を間違いがなくなるまで解き続け、時間を測って取り組んでいました。大体どの科目も試験は2〜3枚あるので、それぞれ5年分、満点を取れるまで解きました。この勉強法のおかげで私は学年トップを取ることができました。 自由な時間割と生活リズム 授業時間は選んだ科目によって異なるため、同じ学年の生徒でも時間割は全く違いました。朝授業がない日もあれば、朝1時間だけ授業を受け、午後は何もない日など様々でした。空き時間の過ごし方は基本的に自由です。多くの生徒は勉強や課題を進めたり、大学受験の準備をしたりしていました。もちろん、中には昼寝をする生徒もいました。でも寮母さんが時々突然部屋をノックするのでそれが怖くて私は寝なかったです。寮のHouse keeper(ハウスキーパー)さんも掃除に入ってきたり洗濯物を持ってきてくれたりするのでそういう時に勉強していないと寮母さんに告げ口されます。 まるでハリーポッター!英国ボーディングスクールの食堂 食堂の雰囲気とデザイン、メニュー等 学校の食堂の雰囲気は私が進学を決めた理由の一つです。天井が高く、歴代校長の肖像画が奥の壁一面に飾ってあります。周りには様々な賞をとった生徒やOxbridge(オックスフォード大学もしくはケンブリッジ大学)に進学した生徒の名前が壁に彫られていました。見た目はハリーポッターの食堂をそのまま小さくしたようなデザインです。食堂には長椅子と細長いテーブルが横向きに並べられています。イベントがある時には配列が変わっていることもありました。 食堂の右奥にはキッチンがあり、そこからお盆を取って温かい食べ物をよそいます。キッチンから出ると食堂の真ん中にサラダやデザートなどの冷たい物コーナーがあります。1人1品までと定められている温かい食事と違い、冷たい物には個数制限がないのでデザートを2つや3つ取っている生徒もいました。金曜日は必ずFish and Chips(フィッシュ&チップス)がオプションとして提供されます。日曜日はSunday roast dinner(サンデーロースト)がありました。 まるでホグワーツの食堂のミニバージョン イギリスの伝統的な料理 Sunday roastはローストされたお肉(ターキーやチキン、ポークなど)に加え、ローストされた野菜(じゃがいも、にんじん、パースニップ、芽キャベツなど)を周りに飾り、仕上げにGravyソース(調理中の肉や野菜から自然に抽出されたものにとろみをつけたソース)を全体にかけて食べるものです。この学校のみならず、金曜日と日曜日のイギリス全土の風習だそうです。ホストファミリーでも同じでした。 印象的なエピソード 一番印象に残っているのは、初めて食堂に入って食べ物をお盆に乗せていた時のこと。緊張していたのでサラダしか取りませんでした。それを見た初対面の先生が「そんなに食べるのか!」と笑いながら言ってきました。その頃、まだ慣れていなかった私は「イギリス人ってこんなに少食なのかな」と心配し、笑えませんでした。後にそれがイギリス人のSarcasm(皮肉)というユーモアだと気付きました。当時の少食ぶりをいろんな先生方に目撃されていたらしく、寮母さんに心配されて呼び出されたこともありました。良く言えば、みんな生徒を気にかけていて優しいですが、生徒によっては監視されている感じが嫌だと思う人もいました。 英国ボーディングスクールでの大きなスポーツイベント クロスカントリー大会 年に1度、クロスカントリーというマラソン大会と、水泳大会がありました。クロスカントリーでは、大会に向けて2ヶ月前から練習が始まり、放課後に寮ごとに裏のフィールドを走らなければなりませんでした。もともと長距離走が得意だった私は楽しめました。どんなに嫌でも走らなければならなかったのでその時期が苦痛な生徒もいました。大会直前になると寮の入口に出場生徒のリストが張り出され、それぞれの寮から30〜40人が選ばれます。寮の人数自体も40〜50人のため、ほぼ全員参加しますが、私の友達はやる気がなく、毎年応援係として楽しそうに過ごしていました。 学校のクリケットグラウンド 競技内容と応援 当日は女子が3km、男子は6km走ります。フィールドから裏のゴルフ場まで伸びるコースが定められていて、先生方が各ポイント地点に立ってエールを送りながら方向をガイドします。ゴール地点には先生や家族、そして選出されなかった生徒が花道を作りラストスパートを応援します。イベントが終わると順位が発表され、寮の順位も出されます。私の寮は運動が得意でない生徒がほとんどだったため毎年最下位の3位でした。 水泳大会 水泳大会前も練習が続き、女子は生理などの理由で逃れようとしてもタンポンが渡されほぼ強制参加でした。種目別に生徒が各寮から選ばれ、泳ぎ切ると点数がつきました。私は100メートルに出ましたが、50メートルやリレーもありました。これも私たちの寮は毎年最下位でした。それでもどちらもとてもいい運動になりました。 高校からのイギリス留学を振り返って 既に10年以上経ちましたが、こうして書いていると様々な思い出が蘇ります。色とりどりの思い出と共に、涙と汗をかきながら頑張った日々は一生忘れないと思います。 https://passport-to.com/articles/6/

イギリス大学留学Pre-Departure Event 2025@東京 #1

イギリスの大学留学を始める学生向けに8月23日にPre-Departure Event 2025が開催されました。このイベントは東京都内で行われ、4つの大学のJapanese Societyによる合同開催で、Moi Educationがスポンサーしました。 イベント当日の様子はこちらの動画からご覧いただけます! https://www.youtube.com/watch?v=pGcj4TY1IrA 参加したイギリスの4大学 Pre-Departure Eventのポスター 今回のイベントは4つの大学のJapanese Societyが主催しました。 Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)→インスタアカウント London School of Economics and Political Science(LSE)→インスタアカウント University of Cambridge(ケンブリッジ大学)→インスタアカウント University of Oxford(オックスフォード大学)→インスタアカウント その他にも、University College London(UCL)のコミッティーも参加しました。King's College London(キングスカレッジロンドン)からの参加者もいました。 Pre-Departure Eventに参加した新入生とJapanese Societyのコミッティーたちの集合写真 イベント開始 15時の受付開始と同時に参加者が続々と入場しました。参加者は9月から新しくイギリスの大学や大学院に進学する学生です。そのうちLSE進学者が12人と一番多く、その次にインペリアルの4人などで、コミッティーを含めると約40人でにぎわっていました。 新入生のバックグランドは十人十色で、今回の大学進学を機に初めてイギリスに行くという人から、中学や高校からイギリスのボーディングスクールに通い、そのままイギリスの大学に進学したという学生までいました。また、小さい頃から海外で暮らし、今までいくつもの国を転々としてきたという学生もいて、経歴はさまざまでした。 イベント開始前に参加者同士が歓談している様子 会場に入ったあとは近くにいる人と歓談したり、進学する予定の大学の先輩と情報交換したりしていました。 第一部: イギリスの大学生によるプレゼンテーション イベントは15時半にスタートしました。第一部ではJapanese Societyのcommittee(コミッティー)によるプレゼンテーションが行われました。来場者は会場の前方に集まり、コミッティーたちがスライドを用いた説明を熱心に耳を傾けました。 Japanese Societyのコミッティーによるプレゼンテーション まずはコミッティーの自己紹介から始まりました。主催した4つの大学以外にもUniversity College London(UCL)のJapanese Societyのコミッティーが登場しました。在籍大学とコース、趣味やJapanese Societyでの役割について紹介されました。 その後、イベントのスポンサーであるMoi Educationの代表、Makiさんの挨拶が行われました。Moi Educationが行っている留学・オンライン指導事業及び本メディア「PASSPORT」について、5月のイギリス訪問記録動画を視聴しながら説明されました。 https://youtu.be/sVUX9zAo1uE その一環で、動画撮影でドローンを使用しているとの説明があり、後ろから実際に使っているドローンが飛んできました。ドローンパイロットの小林佑誠さんが操縦し、来場者の頭上を数周回りました。最後はMakiさんの手のひらに着地する演出がありました。 目の前に飛んでいるドローンを見る来場者 その後、学生生活にまつわることをコミッティーたちの体験談や失敗談を基に紹介されました。授業の説明では、コミッティーたちの実際の時間割が表示され、それを基に忙しさや課題攻略法などが伝授されました。学部や専攻によって異なるため、コミッティー全員がそれぞれの時間割について話しました。 生活面では、入学した最初の1週間の予定や入寮の手続きが紹介されました。それからロンドンや近郊にある日本料理が食べられる飲食店、あるいは日本の食材が手に入る店が紹介されました。また、大学で参加できるソサエティ(サークル)やボランティア活動について説明され、各大学のJapanese Societyの活動内容も紹介されました。 学生生活に関わるさまざまなテーマのプレゼンテーションをするコミッティーたち その後、一部の大学では入学したと同時に就職を意識するような活動を行う学生が多いがあるとの説明がありました。あるコミッティーは「入学したあと、初めて会う人たちとはインスタ交換ではなく、最初にLinkedIn(リンクドイン)のアカウントを聞かれた」と実体験を語りました。 最後はイギリス出発に向けての準備や持ち物などについてアドバイスがありました。 第二部: 大学ごとのフリートーク時間 プレゼンテーション終了後、第二部の自由会話時間に入りました。参加者は大学ごとに分かれ、大学生活について気になることを先輩に質問したり、授業などの情報を入手したりしていました。 大学ごとに集まり、在学生と情報交換する参加者 その後は大学を区別せず、参加者は近くにいる人と情報交換したり、同じ大学に進学する人や異なる大学に進学する人と交流を深めました。イベント自体は18時終了ですが、時間になっても話したいことが尽きることなく、その後は希望者で夕食を食べに行きました。 新入生インタビューとイベントの舞台裏 参加した新入生はどのような気持ちで留学に臨んでいるのか、またイベントを開催するにあたりどのような準備が行われたのか。新入生インタビューとコミッティーが行った準備を次回以降の記事でたっぷりお届けしますのでそちらもご覧ください! https://passport-to.com/articles/37/ https://passport-to.com/articles/38/

英国ボーディングスクールから理系の名門大学インペリアルカレッジロンドンへ

 初めまして、Kenshuと申します。19歳で、香港で生まれ育ちました。幼少期から香港のインターナショナルスクールに通い、4年前からイギリスに留学しています。現在ロンドンのImperial College London(インペリアカレッジロンドン)でChemical Engineering(化学工学)を学んでいます。 香港で生まれ育ち、イギリス: Concord Collegeへ留学するまで 小さい頃、父のお仕事の影響で日本と香港を行き来していました。小学校から中学2年生までは香港のインターナショナルスクールに通っていました。途中、日本の中学受験をしたものの、香港に残ることにしました。2019年以降新型コロナウイルス感染症が世界各地で繰り返し流行り、深刻な問題になっている真最中、私はイギリス留学を決め、海を渡りました。2021年の9月に一人でイギリスに渡り、今までの4年間を過ごしてきました。 イギリスでの学校選びにはそれほどの時間をかけませんでした。いくつかの学校に応募し、最初に合格が決まったところに行くことにしました。私が行くことになったボーディングスクール(全寮制学校)はイングランド西部のShrewsbury(シュルーズベリー)にあるConcord College(コンコルドカレッジ)という高校です。 Concord Collegeの校舎 英国ボーディングスクール生活での戸惑いとホームシックの日々 最初の数日は英語で流暢に話し合う生徒たちを見て、会話にうまく入れなかったです。イギリス英語特有のアクセントやスラングを理解しようと必死でした。英語は何年も勉強していましたが、実際に学業や日常生活で使うのはまったく別の経験でした。 戸惑いは言語だけではありませんでした。イギリスの気候は日本とは大きく異なり、灰色の空と頻繁な雨が毎日続き憂鬱でした。食事にも全く慣れず、食堂で出会ったのはシェパーズパイやジャケットポテト、フィッシュアンドチップスばかり。日本のご飯が恋しくてたまりませんでした。 Concord Collegeのグラウンド 寮生活の思い出 Concord Collegeでは70%が寮生徒、30%が現地生です。全寮生徒には一人部屋を与えられました。私がForm4(中学3年)、Form5(高校1年)にいたときは小さい部屋でしたが、Form 6(高校2、3年)に入るともっと大きい部屋を与えられました。そこで夜遅くまで友達とゲームをしたりするのが一番の思い出です。 毎朝7時半に点呼があり、8時にダイニングホールで朝食を食べます。8時半に授業が始まり、午後4時まで9時限(1時限35分)あります。その間に昼休みと中休みが挟みます。4時に授業が終わると自由時間になり、私は毎日自由時間に昼寝をしていました。 6時半から8時10分までの100分間はprep timeという自習時間があります。全生徒が教室などに集って自習します。最初はすごく面倒で退屈な時間だなって思っていましたが勉強が忙しくなるにつれ、とても重要な時間になってきました。prep timeが終わると10時まで課外活動やクラブ活動が始まります。 課外活動 バレーボールとサッカーに打ち込んだ日々 私は学校のバレーボールとサッカーのチームに所属していました。毎週火曜日と日曜日はバレーボールの練習です。水曜日には他校との親善試合があり毎週それに向けて練習をしていました。Concord Collegeでの一番の思い出はバレーボールチームにいたことかもしれません。 一緒にバレーボールに打ち込んだ仲間たちと サッカーは毎週日曜日の午後にトレーニングがありました。イギリスはサッカー大国なのでみんなすごく上手でAチームに入るのにすごく大変でした。最終学年になった時にやっとAチームのセンターバックのスタメンをもらって嬉しかったのを鮮明に覚えています。 Aチームは日本で言う1軍のことで、全部で50人以上いる部員から15人ほどしか選ばれません。Aチームに入るには基本的に監督による評価、練習試合のパフォーマンスなどを総合的に見て選抜されます。Aチーム以外にもBチームがあり主に下の学年の生徒たちが所属します。 日本と香港には無いイベントの数々 クリスマスやハロウィーンになるとディスコやパーティーがよく開催されます。日本や香港の学校ではあまりない経験だったので友達とディスコに行ったときは圧倒されました。学外からDJを呼んでいたのでやっぱりイギリスの学校はすごいな〜って思いました。 毎年11月5日にあるBonfire Nightという日には学校で大きな花火が打ち上げられ、すごく綺麗です。 Concord Collegeで毎年Bonfire Nightで打ち上げられる花火 英国ボーディングスクールの授業内容 GCSE:理系科目が得意で、文系科目は必死 Concord Collegeのカリキュラムは、私がそれまで経験してきたものとは大きく異なっていました。最初の2年間では、GCSE(イギリスの中等教育修了試験)に取り組みます。選択科目からはHistory(歴史)、Geography(地理)、Computer Science(コンピューターサイエンス)、Statistics(統計学)の4つを履修しました。それからPhysics(物理)、Chemistry(化学)、Biology(生物)の3つの理系科目、English(英語)、Mathematics(数学)、Advanced Mathematics(応用数学)を選択しました。私は理系だったので地理、歴史、英語などの科目は苦手で、他の生徒たちについていくのに必死でした。 Concord College で一番ユニークだなって思うところがSaturday Testsという制度です。毎週土曜日に3つの科目の小テストがあります。科目は毎週ローテーションします。例えば、1週間目はMaths、Physics、Biology、2週間目はGeography、History、Computer Science、3週間目はEnglish、Statistics、Chemistryという感じです。特に2週間目はエッセイ科目が多く、その週の月曜日に復習を始めていたのですごく苦労しました。 2年目の5、6月になるとGCSEの試験が始まり、週に3、4つテストがありそれが2ヶ月間続きました。合計25テスト(9教科)を終えた後、2ヶ月間の溜まった疲れがどっと出てきてそれからの1週間は何もやる気が起きなかったです。 2年間のGCSEカリキュラムを終え、そのままConcord CollegeでA-levelに残ることを決めました。 A-Level:科目数が減り、内容が難しくなった イギリスでは2年間のGCSEを終えた後A-levelカリキュラムに2年間取り組みます。A-levelでは数学、応用数学、物理、化学を選びました。どれも理系科目で自分の得意分野でもあり、大学でChemical Engineering(化学工学)を専攻したいと思っていたのでこの4つを選択しました。 選択する科目がGCSEより少ない分、内容は難しくなり、特に物理は理解するのにすごく時間がかかりました。A-levelでもSaturday Testsは引き続き実施され、毎週2科目になりました。A-levelではGCSEとは違って授業がないfree periodという時間も増え、より自由な時間割になりました。でも私は勉強ではなくほとんどの時間を寮に戻って昼寝をしていました。 GCSEと同様、A-levelを始めてから2年目の5、6月になると試験があり、6月末までに10テストを終えました。志望大学の進学条件で、私は化学で最高評価のA*をとらなければいけなかったので化学の試験当日は落ち着かなかったのを覚えています。化学のA*を取るには90%以上得点する必要があります。そのため、化学の復習には他の教科より多くの時間を費やしていました。 A-levelが終わるとConcord Collegeから卒業し、夏休みに入りました。 https://jp.education-moi.com/boarding-schools/uk#a-level 高校の勉強と両立しながら挑んだイギリス大学受験 私はイギリスの大学に行きたいという思いが昔からあり、Personal statement(志望理由書)などの準備に力を入れていました。Engineering and Science Admission Test(ESAT)※の勉強だったり面接の準備だったり色々なことをやる必要がありました。Concord Collegeにいた最後の年は勉強と受験対策の両立で忙しくて大変でした。2025年の1月に運よくImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)からのオファーレターをもらうことができました。今でもその瞬間だけは忘れられないです。 ※ESATは、University of Cambridge(ケンブリッジ大学)やインペリアルカレッジロンドンなどの理工系学部への出願者に課す入学試験です。 https://esat-tmua.ac.uk/about-the-tests/esat-test インペリアルカレッジロンドンに進学 今年の9月にImperial College Londonに入学し、化学工学を専攻しています。 今はロンドンで大学生活を送っていますが、振り返ってみると15歳でイギリスに渡ったとき、不安だらけでした。言葉も文化も違う環境に飛び込んで、自信をなくしたこともあります。でも、その経験を通して、今まで気づかなかった自分の強さや、新しい視野を得ることができました。これからも留学に関する情報や経験を共有していき、少しでも同じ道を考えている皆さんの参考になれたらうれしいです! https://jp.education-moi.com/article-50-imperial

イギリスのETAとは?申請方法や学生ビザとの違いを徹底解説

2025年からの新ルールにより、イギリスに入国するためにはETAの申請が必要になりました。ETAは、主に観光、イギリスに滞在する家族や友人の訪問、出張、短期留学をする人が対象で、取得すると最長6ヶ月間イギリスに滞在できます。 一方で、大学進学などで6ヶ月以上の就学目的でイギリスに滞在する人はこれまで通り学生ビザが必要です。  この記事では、「ETAがいる人、いらない人、学生ビザとの違い」についてわかりやすく解説し、ETAの申請手順についてもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。 イギリスのETAとビザの違いは? まず、ETAとビザは別ものです。  ・ETA: Electronic Travel Authorisation(電子渡航認証)  ・ビザ: Visa(入国・滞在許可証)  ETAは、日本人を含む「観光などで短期滞在するためのビザを必要としない渡航者」に向けた渡航認証です。対してビザは、就学や就労、居住、結婚などで一定期間の滞在を許可するものです。ETAよりも厳格かつ証明する必要書類も多く、プロセスや費用が違います。  違いについて、学生ビザを例に以下の表に簡単にまとめました。   ETA 学生ビザ 目的 観光、家族訪問、短期留学、出張など 就学 滞在期間 最長6ヶ月間 6ヶ月〜5年 有効期間 2年間 (この間何度でも入国可能) コース期間による 有効開始日 申請許可が下りた日 コース開始の1ヶ月前〜 申請料※£16(3,040円) £524(99,560円) + IHS(医療費) 年齢 すべて 16歳以上(4歳から17歳はチャイルド学生ビザ適用) 必要書類 少ない 多い ETAと学生ビザの違い ※申請料の金額は1ポンド190円で計算しています。最新の料金は英国政府機関公式ウェブサイトでご確認ください。  学生ビザを取得する人は、ETAの手続きをする必要はありません。 また、ETAは入国を保証するものではなく、最終的にはイギリス到着後の入国審査で判断されます。  学生ビザの申請について、詳しく知りたい方にはこちらの記事がおすすめです! https://passport-to.com/articles/5/ イギリスのETAでできること&できないこと ETAがあれば6ヶ月間までイギリスに滞在できますが、その間にできることは限られています。 ETAでできること 観光、家族や友人の訪問、出張、短期留学  イギリスの空港を通過、入国をする乗り継ぎ(一旦入国して荷物をピックアップし、乗り継ぎ便のチェックインをする場合など)  クリエイティブワーカービザ保持者が特例を利用し最長3ヶ月間イギリスに滞在  特定の分野(スポーツ、音楽など)の専門家として、あらかじめ許可されたPermitted Paid Engagement(短期的な有給の活動)に参加し報酬を得ること  ETAでできないこと イギリスに居住  6ヶ月を超えてイギリスに滞在  イギリスの企業で有給・無給の仕事をしたり、自営業者として働いたりすること  生活保護や住宅手当など、国や自治体からの支援金を受け取ること  結婚またはシビルパートナーシップを登録、申請  ETAはなぜ始まった?  日本国籍保持者に対しては、2025年1月8日からETAが必要となりました。 ETA導入の目的は主にセキュリティーを強化するためです。すでにアメリカやカナダなど複数の国で電子渡航認証をはじめており、馴染みがある人も多いかもしれません。  イギリスでも渡航者に関する情報を事前に把握し、犯罪抑止力を高める狙いがあります。実際にETAの申請手続きのなかには犯罪歴についての質問があります。それにより、危険人物をいち早く特定し、犯罪を未然に防ぐことを目指します。  「ETA or ビザ」どっちが必要?確認方法 ビザを取得している多くの人はETAが必要ないとお伝えしましたが、ケースによってどちらがあればいいのかを政府機関公式ウェブサイトで簡単に確認できます。  例として、渡航目的を「就学」とした場合には、以下のような流れで誘導されます。  ①: 「スタートボタン」を押す  ②: 国籍選択  ③: 渡航目的を選択  ④: コース期間を選択 ⑤: コース期間次第で「ETA」もしくは「各種学生ビザ手続きページ」へ進む  イギリスETA申請の流れ  ここからは、実際にETAを取得するために何が必要なのか、どういった流れで申請するのかを解説していきます。 ETA申請に必要なものは? 渡航に使用するパスポート  メールアドレス  クレジットカード/デビットカード/Apple Pay/Google Payのいずれか  申請料£16(3,040円)  注意点 申請料金は返金されません。  16歳未満の手続きには保護者の同意書がいります。  ETAの有効期間はパスポート残存有効期限内です。パスポートの有効期限が残り少ない場合は、ETAの有効期間が短くなってしまいます。  イギリスETA申請手順は?  手続きは専用アプリか英国政府公式ウェブサイトから行います。政府機関Home Office(ホームオフィス)のYouTube動画では、スマートフォンでの手順をわかりやすく説明しています。 https://youtu.be/uG1zaOMl63M?si=uUFhIt6mgAhXKnLa 政府機関Home Office(ホームオフィス)提供のイギリスETA手続きに関する動画 ビデオの内容をまとめると…  UK ETAアプリをスマートフォンにダウンロード(公式ウェブサイト上のQRコードをスキャンするか、Google PlayストアまたはApp Storeからダウンロード) ※スマートフォンを持っていない人は、公式ウェブサイトから手続きできます  パスポートの顔写真ページをアップロード  スマートフォンをパスポートにかざしてICチップを読み取り  本人確認のため、スマートフォンで自分の顔をスキャン(9歳以下のこどもはスキャン不要)  スマートフォンで写真撮影(パスポートの顔写真撮影ルールと同様)  住所、職業、犯罪歴等の質問に答える  クレジット・デビットカードで支払い(Google Pay、Apple Pay可)  申請受付メールにて参照番号を受信  3営業日以内にETAがパスポートとリンク  このように、ETAの手続きは簡単かつスピーディーです。入国にはパスポートがあればOKです!  いざイギリス入国!ETA保持者の入国審査  イギリスの空港に到着したらまずは入国審査があります。2025年現在、イギリスの空港では日本パスポート(ICチップ搭載)保持者は自動ゲートを利用できます。  自動ゲートの利用方法  日本はEU、アメリカ、オーストラリア、韓国などと同じレーンが用意されているので、国旗のマークを目印に進みましょう。空港にはいくつもの自動ゲートの機械が設置されており、通常、ホリデーシーズンなどの混雑時以外はそれほど待ち時間が長くない印象です。  各自動ゲートの空き状況は、緑か赤マークの点灯で確認できます。緑のマークが点き、ドアが開いてゲートに入ると、目の前のスクリーンに、パスポートの顔写真ページを下にしてスキャンする指示が映し出されます(パスポートのカバーは外しましょう)。それに従い、帽子やマスク、サングラスやメガネを外した状態でまっすぐカメラを見つめると、自分の顔がスクリーンに映ります。  パスポートを伏せたままにし、動かずしばらくすると、ゲートが開くのでパスポートを手にとって進みます。これで入国審査は完了です。  自動ゲートが開かない?有人カウンターでの入国審査 ETAがあるのに、機械の不備やなんらかのトラブルで自動ゲートが開かない場合があります。そのようなケースでは、係員に有人のカウンターで入国審査を受けるよう指示されます。指紋認証やいくつかの質問により入国が許可されれば、パスポートに入国のスタンプが押されます。※自動ゲートではスタンプは押されません。  イギリスのETAについてよくある質問 QETAはいつまでに申請すればいいですか?A 明確にいつまでという情報はありませんが、出発までに前もってETAを取得しておく必要があります。許可が下りるまで3日間かかるので、それを見越して入国に間に合うように申請しましょう。 Qサマースクールなどの短期留学への参加もETAは必要ですか?A はい。6ヶ月未満の短期留学であればETAが必要です。当メディアを運営するモアエデュケーションでは、 サマースクールやスプリングスクールを含む短期留学のサポートを行っております。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。 https://jp.education-moi.com/summer-programs QETAがなくてもイギリス行きの飛行機に乗れますか? A 乗れません。ETAの承認がないと搭乗を拒否されますので、渡航直前ではなく余裕を持ってETAをとっておきましょう!  QETAとStandard Visitor Visa(スタンダードビジタービザ)の違いはなんですか?A 対象者や性質が違います。スタンダードビジタービザはETA対象国以外の国籍を持った人がイギリスに渡航する場合や、過去に入国を拒否されたことがある人などが対象です。申請料は£127(24,130円)で、ETAより高いです。※1ポンド190円で計算しています。 QETAがいらない人は?A イギリスまたはアイルランドのパスポートを所持している人や、ビザをすでに取得し、イギリスでの居住、就労、就学の許可を得ている人です。 Qパスポートを更新したらETAはどうなりますか?  A ETAの期限は残っているのにパスポートの有効期限が切れてしまったらETAも無効になります。再度イギリスに入国したい場合は、更新後の新しいパスポートでETAを取得し直す必要があります。  QETA申請が却下されたらどうなりますか?A ETAではなくスタンダードビジタービザやほかの種類のビザを検討しましょう。  入国ルールは常に最新情報をチェックしよう!  少し前まではパスポートがあれば短期滞在でイギリスに入国できた日本人も、今ではETAの取得が必須となりました。 特に留学生においては、就学期間や状況によってETAなのか学生ビザなのか変わります。ご自身がどちらに当てはまるかは、英国政府公式ウェブサイトでの確認がおすすめです。最新の情報には必ず目を通しましょう!  https://www.gov.uk/eta

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イギリスのNHS利用 | 留学生が知っておきたい医療サービス

イギリスの病院に行くとき、多くの人はNHS(エヌ・エイチ・エス National Health Service)という公共の医療制度を利用しています。留学生もビザ申請時に健康保険付加料(IHS)を支払えば、NHS提携の公立病院を受診できます。ですが、NHSをうまく活用するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があるんです。 この記事では、留学前に知っておきたいNHSの基本的な使い方や、ビザ申請時に支払うIHSについて、さらに病院やGP(かかりつけ医 General Practitioner)の違い、実際に病気になったときの流れまでわかりやすく解説します。 Haruna これまでに何度もイギリスの病院を利用している現地在住者が解説します!どんな流れで医療サービスが受けられるのか、ぜひ参考にしてみてくださいね。 イギリスのNHSって何?医療制度の基本 はじめに、イギリスの公的医療制度「NHS」の仕組みや利用方法についてわかりやすく解説します。 NHS(National Health Service)の概要 1948年にスタートしたイギリスのNHS(National Health Service)は公的な医療制度です。特徴は、多くの医療サービスが無料だったり、もしくは低料金で受けられること。留学生ももちろん対象。ビザ申請時にIHS(健康保険付加料)を支払うことで、NHSのサービスを使えます。 一部は自己負担になる場合もありますが、一般診療、救急医療、入院治療、妊産婦ケアなど幅広いサービスが無料です。 IHS(Immigration Health Surcharge)について イギリスに6か月以上滞在する留学生は、ビザ申請時に「IHS(Immigration Health Surcharge)」を支払っておくことで、ビザの開始日からNHSの医療をイギリス住民と同じように利用できるようになります。料金はビザの有効期間によります。 ビザの期間ごとのIHS料金 ビザの期間料金 ポンド/円6か月以下なし(申請がイギリス国内の場合は£388 / 約73,720円必要)6か月超〜1年未満£776 / 約147,440円 (1年分)1年£776 / 約147,440円1年超〜1年6か月以下£1,164 / 約221,160円 (1年半分)1年6か月超〜2年未満£1,552 / 約294,880円 (2年間分)2年£1,552 / 約294,880円 参考 https://www.gov.uk/healthcare-immigration-application/how-much-pay ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。IHS支払い時には最新の情報を必ずご確認ください。 オンライン上でビザ申請時にコースの開始日と終了日を入力し、デビットカードかクレジットカードで支払います。もしも支払いを忘れたり、金額が足りていないと UK Visas and Immigration(UKVI)からメールで知らされます。指定期間内に全額を支払わない場合はビザの申請が却下されてしまいます。 病院とかかりつけ医の違い(Hospital と GP) 日本では、自分の症状をベースに専門医を選んで直接病院に行くことが多いですよね。しかし、イギリスではまずかかりつけ医であるGP(General Practitioner)を訪問し、そこから病院(Hospital)の専門医を紹介してもらう流れです。 病院の外来は基本的に紹介制で、専門的な検査や手術、入院治療が必要な場合に利用します。救急(Accident and Emergency)でなければ、基本的にはGP→病院の流れが一般的です。 GPで相談できること GPは地域の診療所、かつ最初に相談する窓口で、必要に応じて病院や専門医を紹介してくれます。風邪や体調不良、慢性的な症状など病気や健康全般について相談でき、処方箋も出してくれます。 GPで診てもらい検査に進む場合は、その結果が出てから精密検査や追加診療で専門医のいる病院に紹介されるケースが多いです。診察は対面のときもあれば、GPに行かずに電話で遠隔診療する場合もあります。 閑静な住宅地にひっそりとたたずむGP 渡英後はまず「GP登録」から始めよう イギリスに到着したら、なるべく早めに「GP(かかりつけ医)」への登録をしましょう。登録のタイミングや方法をここからお伝えします。 登録のタイミングと方法 GPの登録方法は、直接GPに行くかオンラインのどちらかです。大学によってはキャンパスに近いGPを紹介しているので、スタッフに尋ねてみましょう。 GPの登録方法 ①GPを探す NHSの公式サイト「Find a GP(GPを探す)」から、新規登録者を受け入れているか、受付時間、利用者の口コミを確認できます。自宅から近く便利なGPに登録する人が多い傾向にあります。 ②登録フォームに入力/記入する 登録フォームは、各GPのウェブサイト、NHSアプリから入手できます。GPで渡される用紙も可能です。 【登録に必要な情報】 氏名 住所 生年月日 学生ビザ証明の共有コード(Share Code) 連絡先(緊急連絡先も含む) 現在の健康状態・病歴 アレルギーの有無 服用中の薬 など 身分証明や住所証明についてはGPによります。地域内の住民のみを受け入れているGPへの登録には、住所証明を用意した方が無難です。また、なかには新規の登録者を受け入れていないGPも。 もしも、留学中に住所が変わる場合はGPへ報告しましょう。NHSの予約に関することや検査結果などが郵便で送られてくることがあります。引っ越し先が登録中のGPの地域外でも、新居に近い新しいGPに移ることができます。 GPの予約方法・診察の流れ 診察は予約制です。コロナのパンデミックを経て、多くのGPでは感染拡大を避けるために、予約をしてからGPへ来てもらう形を取っています。予約方法は、電話、もしくはオンラインです。電話予約はすぐにつながらず、かなり待たされる場合も。オンライン予約を実施しているGPでは、NHSアプリや各GPの予約サイトからリクエストできます。 私が登録しているGPの場合は、GPの予約システムからメッセージ形式で問い合わせをし、少し待ったあとにメッセージや電話で返信があります。問い合わせ内容によっては、看護師や医師と遠隔で会話し、そこで診察が終わる場合もあります。もしくは対面での予約日を決めていきます。 オンラインのいいところは、問い合わせ内容を細かくテキストで伝えられるところです。電話での会話では医療専門用語がすぐに出てこず、詳細をすべて伝えきれないことも。オンラインで履歴を確認できるため、あとで詳細を振り返るのにとても便利です。近年どんどんオンライン化が進み、以前よりサービスの手軽さが上がったと感じています。 夜間や土曜日に予約が取れることもあり、大学のスケジュールに合わせて利用できるのは留学生にとってもうれしいですね。 実際に病気になったら?病院の使い方ステップ 実際に体調を崩したとき、どうすればいいのか不安に感じる方も多いかもしれません。ここでは、症状が出てから病院で診てもらうまでの流れや、緊急時の対応まで、具体的なステップをわかりやすく解説します。いざというときの参考にしてくださいね。 【NHS利用】症状が出てから病院へ行くまで ここでは、GPや病院などNHSを利用するフローの例をご紹介します。長年NHSを利用しているなかで遭遇した、よくあるパターンをシェアさせていただきますね。 NHS利用の流れ 問い合わせ(電話、オンライン) 問診(GP、電話、ビデオ通話) 必要に応じて診察や血液検査や尿検査などの実施(処方箋のみの場合もあり) 検査結果を聞く(GPか電話の場合が多い) 治療が必要な場合は処方箋をもらう or 病院紹介 【病院紹介の場合】 病院での診察予約に関する手紙が届く(病院が指定する予約日時の記載あり) 指定された予約内容を変更したい場合は病院に電話 予約日時の希望を伝え、確定 病院で診察・検査 GPで結果を聞く(病院の検査結果がGPに送られる場合) ※追加で検査を実施する場合は医師から連絡があり、新しい予約日時を相談する流れになります。 病院はGPと違って、多くの専門科が揃っており規模が大きいです。施設が広いため、初めて訪れる場合は指定の場所を見つけるのが難しいことも。予約時間の前に早めに到着しておきましょう。 病院の内部 NHS 111の使い方 NHS 111は、電話やオンラインですぐにGPにつながらない場合や、GPの診療時間外でも相談したいときに利用できる便利なサービスです。まずは電話かオンラインで問い合わせることで、どういったアクションを踏めばいいかをアドバイスしてくれます。相談内容によって対応は変わりますが、以下のような例があげられます。 看護師からの折り返し電話を予約 夜間・週末のGP診療を案内 歯科やメンタルヘルスなどの専門サポートを紹介 登録しているGPに連絡するよう指示 薬剤師に相談するよう案内 自宅で経過観察するよう指導 NHS 111では、病院の予約・キャンセルや診断書の発行はしてもらえないので注意してください。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/urgent-and-emergency-care-services/when-to-use-111/ 緊急の場合はどうする? GPの診察を待てずに急いでいる!そんなときは緊急外来(A&E)や救急車(999)を利用します。 まず、A&Eについて。 A&E(Accident and Emergency/事故・緊急外来)は、GPの予約を待っていられないほどのつらい症状や怪我があるなど、緊急性の高い場合に利用します。Accident and Emergencyのほか、Emergency Department(救急部)やCasualty(救急)とも呼びます。着いたらまず受付で症状を伝えます。 過去に利用した感想は、とにかく待ち時間が長いということです。予約を取らないことと、重症患者が優先されるため、先に着いているのに後から来た人が早く診てもらっていたりします。診察の流れは、各自の状態によって変わります。 緊急時の例 緊急性が低く深刻でないと判断→GPの予約をすすめられる、処方箋をもらう 緊急の場合→専門病棟に移り場合によっては入院 病院の正面玄関と別にある緊急外来用の入り口 緊急外来ではとても待てないような、命に関わる緊急時であれば、999へすぐ電話を。交通事故や発作など重大なシチュエーションには迷わず利用しましょう。電話で聞かれる内容は、場所、999にかけた理由、連絡先など。救急隊員の到着を待っている間ににできることや、どれくらいで着くかも教えてくれます。 黄色と緑が目印の救急車  処方薬と薬局の使い方 診療後に薬が出されたら...?ここからは、NHSの処方薬の受け取り方や薬代について、基本的な情報をわかりやすくまとめました。 薬はGPが発行する「処方箋」で薬局でもらう GPでの診察が終わり、処方薬が必要であれば処方箋が出されます。診察後にGPと連携している近隣の薬局(Bootsなど)に行き、Prescription(処方箋)というコーナーでスタッフに自分の生年月日、名前、住所を伝えると、あらかじめ用意してある薬が手渡され、支払いに進みます。 薬局内の処方薬受け取りカウンター 薬代の仕組み NHSで処方してもらう薬の料金は、2025年の時点で処方薬1品につき※£9.90(約1,880円)です。ひとつの処方箋に複数の処方薬がある場合は、すべての薬の合計金額を支払います。ですが、留学生でも18歳以下で大学やカレッジでフルタイム教育を受けている学生はNHSの薬代が無料です。 処方薬が頻繁に必要な人は、処方箋前払いシステム(Prescription Prepayment Certificate)を利用するのも手です。各自のケースが対象になるかの確認は必要ですが、利用できる場合はかなりお得です。 例えば有効期限が3か月間のPPCは、事前に£32.05(約6,090円)支払えば、有効期間中にいくつでも薬を受け取れます(一部は適用外)。PPCの購入はオンラインがメインで、申請日から有効です。申請を完了すると、メールでPPCの証明書が送られてくるので、薬を受け取るときに提示できると便利です。 ※上記の内容は2025年5月時点での料金と為替レート(1ポンド=190円)です。 参考 https://www.nhs.uk/nhs-services/prescriptions/save-money-with-a-prescription-prepayment-certificate-ppc/ 市販薬はスーパーや薬局でも買える 処方薬以外はどうでしょうか。結論として、スーパー、薬局で簡単に手に入ります。痛み止めや風邪薬、胃腸薬、花粉症などのアレルギー薬、目薬、塗り薬など種類は豊富です。自分に合えば、留学中にイギリスで薬を買って服用することもできるので、必ずしも日本から持ち込まなくてもなんとかなる場合もあります。 ※個人差がありますので、薬の調達については慎重に判断されることをおすすめします。 NHSと留学保険の違い これまでNHSのサービスについてご紹介してきましたが、イギリス留学中に本当にNHSだけあれば安心なのだろうか?と不安に思う人もいるでしょう。ここからは、NHSのサービスが対象外になる場合と、留学保険との違いについてお話ししていきます。 NHSで医療費の支払いが発生する例 処方薬1品につき£9.90(約¥1,880円)かかるとお伝えしましたが、そのほかにも支払いが発生する例があります。 ・歯科医療 ・眼科治療 ・かつらや布製の医療用サポーター NHSのサイトでは、歯科医療について、治療が始まる時点で18歳未満、または19歳未満で所定のフルタイム教育を受けている場合は、NHSでの歯科治療が無料になると伝えています(治療内容によっては費用が発生する場合もあり)。 治療費がかかる場合には、日本より高いと言われていますので、渡英までに歯の状態を診てもらうと安心ですね。 眼科の例では、街中の眼鏡屋で行っている一般的な視力検査なら£20(約3,800円)ぐらいから受けられますが、専門的な検査になるとさらに費用がかかります。眼鏡を作る場合、場所によっては学生割引が使えるので、検査の前にリサーチしてみましょう。 NHSを使って治療ができる街中の歯医者 Haruna 実は私も、イギリスで歯の詰め物が取れてしまって、数ヶ月放置したあとに日本の歯医者にかかったのですが、衛生的に良くない!こんなに放っておくなんて!とすごく怒られた記憶があります…。 留学保険で補える部分もある NHSのサービスがこれだけ充実しているのなら、留学保険はいらないんじゃ?と思う人も多いでしょう。しかし、留学保険に入ることで受けられる恩恵も多いのが事実です。 NHSの病院、つまりはイギリスの公立病院を利用するとなると、無料で診療が受けられる分、長く待たされることもザラです。問題の症状が落ち着くまでに、ある程度の時間を要すこともめずらしくないのです。その点、留学保険に入っておくことで、プライベートの私立病院が利用できます。ロンドンには日系クリニックが数件あるため、日本人ドクターに日本語でサポートしてもらえる点もありがたいです。 私がまだ学生だったころ、もうダメかと思うような辛い症状があったときや、小さな手術を受けたときもすべて留学保険が適用され、プライベートの日系クリニックを利用しました。電話一本ですぐに予約がおさえられ、スムーズな日本語のサービスが受けられたことで、改めて保険の大切さを知りました。 ※持病や既往症は補償されない場合がありますので、各保険会社に問い合わせてみてください。 医療以外のトラブルにも留学保険が活躍します。加入するプランによりますが、盗難や破損、飛行機の遅延も補償されるケースがあります。 「何がどこまでカバーされているか」知っておくと安心 NHSのサービスだけでいいの? 心配だから留学保険に入る?答えは人それぞれ。留学生のなかには、医療サービスにおいてはNHSだけでじゅうぶんだった、という人もいれば、留学保険があってよかった、という人も。しっかりとそれぞれの特性を把握したうえで、自分に合った選択をしてみてくださいね。 医療の備えは安心な留学生活の第一歩 イギリス在住の筆者も、これまでに何度もNHSのお世話になってきました。幸い、GPの受付スタッフや看護師、医師たちには毎回親切にしてもらっています。電話やオンラインでの問い合わせには、ほとんど返信があり、しっかり話を聞いてくれます。ただ、サービスの質に関してはGPによりけり、という声も多いです。GP登録をする際には、口コミをチェックしたり、同じGPに登録している学生の話を聞いたりと、下調べをしておくとより安心です。 安心して留学生活が送れるように、医療面での準備を万全にしておきましょう! https://www.nhs.uk

【実体験】イギリス留学準備術: 合格通知からビザ取得までの記録

3月に入り、イギリスの大学や大学院から合否結果が届いてきたと思います。大学からオファー(合格通知)を受け取るといよいよ本格的な留学準備が始まります。入学までには多くの手続きがあり、スムーズに進めるためには計画的な準備が必要です。本記事では、オファーを受け取った後の具体的な準備プロセスについて、僕の経験を踏まえて詳しく解説していきます。 合格結果の確認と入学手続き 出願してからオファーをAcceptするまで 合格結果が届く時期は大学や学科によって異なり、ここは待つしかありません。僕は出願した5校のうち4校は2月初旬までに結果が届きました。しかし第一志望の大学だけ3月までオファーが来ず、もどかしさを覚えました。遅くて7月ごろに結果が出る場合もあるそうなので、気長に待つことが大事だと思います。UCASのTrackシステムをこまめにチェックしましょう。 オファーの種類(Conditional・Unconditional) イギリスの大学からのオファーには、「条件付きオファー(Conditional Offer)」と「無条件オファー(Unconditional Offer)」の2種類があります。条件付きオファーは、IELTSスコアや最終成績の提出といった特定の条件を満たすことで合格となります。UCASで出願した全ての大学から合否が届いた後は、Firm Acceptance(第一希望)とInsurance Acceptance(第一希望に合格できなかった場合の第二希望)の大学とコースを選択します。第一希望の大学からUnconditional Offerをもらった場合はInsurance Acceptanceを選択する必要はありません。 オファーを受け取った後の対応 自分が受け取ったのが条件付きオファーの場合は手続きを早めに済ませることが大切です。通常、オファーの承諾期限が設定されているため、遅れないように注意しましょう。一部の大学ではInternational Students(留学生)がオファーを承諾する際、デポジット(Deposit - 入学金)の支払いが必要です。この金額は大学によって異なりますが、£1,000~£5,000が一般的です。支払期限も設けられているため、期日を確認して早めに対応しましょう。 不合格だった場合の選択肢(Extra・Clearing) もし出願した全ての大学が不合格(Unsuccessful)だったとしても、結果をもらった後に追加で一つのコースに出願できる「エキストラ(Extra)」と定員に達していないコースに出願できる「クリアリング(Clearing)」というシステムがUCASにあります。Extraは2月末から7月初旬まで、Clearingは7月中旬から9月~10月ごろまで行われます。期待した結果が出なかった場合でも諦めずに他の大学やコースにトライしてみましょう。  イギリス学生ビザ(Student Visa)の申請を徹底解説 イギリスでの長期留学には学生ビザ(Student Visa)が必要です。申請にはいくつかの書類が必要で、その用意やビザ発行までに時間がかかります。とにかく早めの行動が大事です。  必要書類 CAS 大学からのオファーを承諾し、パスポートなどの書類を提出すると、「CAS(Confirmation of Acceptance for Studies)」という入学許可証が発行されます。CASはビザ申請に必須な書類で、入学証明となる番号(CASナンバー)が書かれています。発行には通常数週間かかりますので、余裕を持って手続きを進めましょう。  パスポート パスポートの有効期間が留学期間をカバーしている必要があります。期限が短い場合、事前に更新しておきましょう。申請時にパスポートを提出し、そこにビザが発給されることになります。また、見開き2ページ以上の余白ページがあることも確認しておきましょう。  過去のパスポート 過去10年間の渡航歴を聞かれた時、昔使っていたパスポートがあると便利です。ただし、トランジットで立ち寄り、滞在期間が1日未満だった国も渡航歴に含まれます。こういった場合はパスポートにその記録がない時があります。できるだけ正確な情報を書くことが推奨されているので、僕は法務省の出入国在留管理庁というところで自分の渡航歴に関する開示請求を行いました。500円程度で調べてもらえます。https://www.moj.go.jp/isa/publications/privacy/record.html 英語力の証明書 大学によってビザ申請時に英語力の証明を求めるところもあります。GCSEやIBなどのスコアで証明できる場合と、イギリス政府が認定するSELT(Secure English Language Test)の結果しか受け付けてくれない場合があります。このSELTはイギリスのビザ取得専用の英語力試験です。中には「IELTS for UKVI」や「Pearson PTE Academic UKVI」などがあります。IELTSとは異なるもので、指定のスコアを満たすため改めて受験する必要があります。 申請費用と健康保険料(IHS) 申請時にはビザ申請料(£490)の支払いが必要です。さらにIHS(Immigration Health Surcharge)という健康保険料(£776×コースの年数)も支払います。IHSを支払うと、イギリス滞在中にNHS(国民保健サービス)を原則無料で受けられます。 ビザ申請の流れ 書類の準備ができたら、イギリス政府のUKVI(UK Visas and Immigration)の公式サイトから専用の申請フォームに情報を入力し、書類をオンラインで提出します。オンライン上の手続きが済んで、申請料及びIHSを支払うとVFS Globalのビザ申請センターの来館予約ができるようになります。日本には東京と大阪にビザ申請センターがあります。予約した日にパスポートを提出し、生体認証情(指紋と顔写真)を登録します。審査は通常3週間ほどかかり、終了しないとパスポートが返却されません。ビザはパスポートと共に返却されます。ビザ申請センターで受け取るか、郵送してもらうかを選べます。 審査開始後に財政能力証明書の提出を要求される場合があります。これはイギリスでの生活費をカバーできる資金があることを証明するためのものです。ロンドンの大学で勉強する場合は£12,492以上。ロンドン以外の場合は£10,224以上(授業料を除く)。つまりロンドンでの生活費: £1,438/月、ロンドン以外での生活費: £1,136/月: 9ヶ月分の生活費をカバーできる証明が必要です 。預金通帳や金融機関の取引明細書を英文に翻訳したものが必要です。あらかじめ準備しておくとビザ申請がスムーズに進むでしょう。  より詳しい流れについては下のサイトに説明してあるので、確認してください。https://www.westminster.ac.uk/sites/default/public-files/general-documents/student-visa-application-guide-applying-from-outside-uk-v2.pdf  申請は「何事も早めに」が鉄則! 前述の通りビザの審査には通常3週間ほどかかると言われています。繁忙期にはそれ以上の時間がかかることもあります。ビザ発行が渡英日に間に合わずフライトを変更せざるを得なかった友達が何人かいました。審査期間が多少長くなってもいいように、早めに必要書類を集めて申請することが大事です。「ビザ申請ドットコム」や「IMMIGRATION.UK」といったビザ申請を代行してやってもらえるサービスがあり、書類の翻訳など自分でできるか不安があった僕は活用しました。利用すれば必要な書類を揃えて代行者に提出するだけです。その後の申請フォームの入力やビザ申請センターの予約などは全部やってもらえます。  寮とシェアハウスの探し方 ビザ申請と並行して、イギリスでの住居を確保する必要があります。選択肢としては大学が運営している大学寮、民間の学生寮、シェアハウスなどがあります。 大学寮 vs 民間の学生寮の違い 同じ大学の人と交流できる大学寮は、初めての留学で最も安全で便利な選択肢だと思います。特にロンドンなどの都市部では、民間の賃貸物件の家賃が高いです。そのため、大学寮を利用することでコストを抑えられます。僕は大学1年の時に大学寮で暮らして、2、3年の時は民間の学生寮で暮らしていました。民間の学生寮だと、ロンドン中の大学から学生が集まるので他大学生との交流が深まります。ただし、これらの寮は人気が高く、申込期限が早いです。オファーを受け取ったらすぐに申し込むことをお勧めします。早めに申し込みをしなかったせいで、キャンパスから遠い場所にあったり、家賃が高い寮しか残っていなかったりという話も友達から聞きます。 大学が寮の情報を発信していますし、部屋の予約ができるResidence(住居)のサイトやWebポータルにも情報があるので、そこのSNSなどに登録して最新情報をチェックしましょう。  僕が住んでいた民間の学生寮 シェアハウス探しの注意点と便利サイト シェアハウスは費用を抑えつつ、学生のみならず現地の人々と交流できる点が魅力的です。ただし、契約詐欺や知らない人とシェアしなければいけないというリスクもありますので、信頼できるサイトを利用して物件を探し、可能であれば現地で内見してから契約を結ぶことが望ましいです。住居探しには、Rightmove(https://www.rightmove.co.uk/)やZoopla(https://www.zoopla.co.uk/)などの物件検索サイトが便利で、よく使われています。また、SpareRoom(https://www.spareroom.co.uk/)を利用すれば、ルームシェアの相手を見つけることもできます。  必須手続き: eVisaについて 返却されたパスポートに載っているビザはあくまで仮のEntry Clearance Visa(入国許可証)というもので、発行されてから90日まで有効です。正式なビザはeVisa(Online immigration status)という電子書類です。UKVIから送られてくる案内に従い、オンライン上でビザの申請番号やパスポート番号を登録して、アカウントを作成します。 イギリスに入国する際、パスポートのビザだけでなくeVisaの提示が求められる場合があります。そのため渡航前に手続きを済ませておくといいでしょう。これまではBRP(Biometric Residence Permit)カードという物理的な書類だったのでした。2025年の1月からオンラインに置き換わりました。 今回紹介したプロセスの他にも航空券を予約したり、持ち物を準備したりするなど、渡英までにやっておく必要があることはたくさんあります。それらについてはまた別の記事で書きますので、楽しみにしていただければ幸いです。CASやビザの発行などには思っている以上に時間がかかるものもあります。留学生活がスムーズに始められるよう、計画的に準備を進め、安心して渡英しましょう。  https://www.gov.uk/student-visa

インペリアルカレッジロンドンの年度初め: 学期最初の1週間

こんにちは!Kenshuです。今回は9月に始まったImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)での新学期の最初の1週間を紹介していこうと思います。海外の大学での新学期の始まりはどんな感じなの?って疑問を持っている皆様の参考になれば嬉しいです。 イギリスの大学はいつ始まる? イギリスの大学が始まるのは大体9月から10月です。大学によって始まる日にちは違います。例えば今年(2025/26年度)だとUniversity College London(UCL)は9月22日、King’s College London(キングスカレッジロンドン)だと9月22日、University of Cambridge(ケンブリッジ大学)だと10月1日などと大学ごとに変わります。僕の通っているImperial College Londonでは9月29日に始まりました。 大学によってはWelcome WeekやOrientation Weekと呼ばれる期間が設けられていて、本格的な授業はその翌週から始まることが多いです。 いつイギリスに行けばいい? 学期が始まる数日前に着くことをおすすめします。自分の住む家(寮やアパートなど)の入居可能日や家族と一緒に来るのかなどを総合的に考慮して決めるといいと思います。僕は一人で渡って、寮に入ったので学期が始まる2日前の27日に行きました。 初日は時差ボケや荷解き、買い出しなどで結構忙しくなります。そのため最低でも1、2日前には到着しておくと余裕をもって学期開始を迎えられて安心です。 インペリアルカレッジロンドンの寮はどんな感じ? インペリアルの1年生は寮に入れることが確約されています。入学する年の5、6月ぐらいにインペリアルからフォームが送られてきて、希望する寮を記入します。 インペリアルには6つの寮があり、キャンパスからの距離、設備、値段などがさまざまです。僕がいるWoodward Buildingsはキャンパスから一番遠い分、値段が安いです。キャンパスに近いSouthside HallsやEastside Hallsでは値段が倍ぐらい違うことがあります。 インペリアルカレッジロンドンの寮 WoodwardにはBlock A、B、Cがあり、各棟に200人ほどが住んでいます。各フロアには10人ほど住んでいて2つのキッチンを共同で使っています。キッチンは結構充実していてIH式のコンロが8つ、オーブン、冷蔵庫がそれぞれ2つ、電子レンジなどがあります。 毎日夕方の6、7時になるとみんなが料理をしに来るのでその度に仲良く話しています。共同生活ならではの出会いや会話が生まれやすく、友達を作るきっかけにもなります。 寮に着いた初日に学生全員がStudent Cardをもらいます。この学生証は講義棟や寮、自分の部屋に入る時などに使います。僕は入居して間もない時に一度Student Cardを部屋に忘れ、1階にあるReceptionまで行ってドアを開けてもらいました。10~15分かかったので絶対になくさないで常に持ち歩くようにしないといけないなって痛感しました。 寮からインペリアルカレッジロンドンまでの通学路 寮はNorth Acton駅の近くにあり、ヒースロー空港からは比較的簡単に辿り着けました。Central Lineが通っているのでロンドンの中心街(SOHO)にも乗り換え無しで行けます。 寮からインペリアルのSouth Kensingtonキャンパスまでは電車を2本乗り継いで行けます。でも個人的には乗換駅で次の電車に乗らず、そこから徒歩でHyde Parkを通過して大学まで行くのが好きです。毎朝友達とHyde Parkを歩くのは気分が晴れます。ビル群ではなく、自然の中が通学ルートになるのはとても魅力的です。 毎朝登校中に通り抜けるHyde Park Hyde Parkのすぐ近くにあるRoyal Albert Hall イギリスでの生活用品の準備 渡英してすぐに必要になのが生活用品の買い出しです。寮には家具が備え付けられていますが、枕、布団、調理器具などは自分で揃える必要があります。僕は到着した日に近くのJohn Lewis(家具量販店)で寝具一式、数日後によくわからない地元の店でフォークやスプーンなどを調達しました。Amazonを活用する人も多く、寮に直接届けてもらえるので便利です。 インペリアルカレッジロンドン: 年度初めのイベント Freshers Fair Freshers FairとはいろいろなSociety(サークル)やスポーツクラブなどが一堂に会して1年生に活動内容を紹介する新入生歓迎祭です。このイベントは2日間にわたって開催されます。 インペリアルには300を超えるSocietyがあり、文化、スポーツ、趣味などいろいろな種類があります。スポーツクラブだとトライアウトがあり、2、3回チャンスが与えられます。大学生活で勉強だけではなくスポーツにも打ち込みたいっていう人にはいい機会だと思います。 無料のグッズやクーポンを配っているブースもあるので、気軽にいろいろ回ってみるのがおすすめです。 Freshers Event 最初の1週間は寮単位や学部単位、Student Union(学生連合)主催のいくつものイベントが行われます。Halls Mixersやクラブを貸し切るイベントもあります。 Halls Mixersでは自分の寮の人たちとお酒を飲みながら交流します。新しい友達を見つけられることもあります。 他にはクラブを貸し切ってインペリアル生だけのパーティが行われます。ビールやテキーラなどのショットだけで6ポンド(約1200円※)以上するのでお金に余裕がない人にはあまりおすすめしません。経験を得るため友達やFlatmatesなどと行くにはめちゃくちゃいい機会です。 ※1ポンド=200円で換算 各コースのイベント 各専攻にもイベントが開催されます。僕はChemical Engineeringを専攻しているのでそれに関する講演やアクティビティなどがありました。インペリアルの学長やChemical Engineering Departmentの学部長によるスピーチ、自分と同じ専攻の新入生たちと一緒にランチを食べながら情報交換するなどいろいろ充実していました。 最後に 最初の1週間は勉強というよりかは学校のことをよく知り、周りの人たちと仲良くなる期間です。そのため比較的時間に余裕ができるので、友達や家族などとロンドン観光をしてみてもいいかもしれません。Natural History Museum(ロンドン自然史博物館)やいくつかの美術館などがインペリアルから徒歩数分のところにあるので行きやすいです。 https://passport-to.com/articles/27/

UCL現役大学生の留学体験記!イギリス留学のリアルと道のり

京都からイギリスへ: UCL大学留学を決めるまで 自己紹介・バックグラウンド  はじめまして。Nanaです。京都市出身で、中学まで地元で過ごし、高校からイギリスの学校に進学しました。  現在は、University College London(UCL、ユニバーシティカレッジロンドン)でArts and Sciences(アーツアンドサイエンス)学科で勉強しています。一つの専門分野を3年間かけて学ぶ一般的なイギリスの大学とは異なり、この学科ではリベラルアーツ教育に似ていて、文理問わず幅広い分野の科目・デパートメントの授業を取ることができます。  留学を決意したきっかけ 中学2年生の時にスイスでサマースクールに参加した体験が留学を志した原点です。いろいろな国から生徒が来ていて、英語だけでなく、ドイツ語、イタリア語、フランス語などを操る同年代の生徒と出会いました。言語がもたらす新しい人との出会い、つながりや発見に心躍らされました。私もグローバルな世界で過ごしたいと強く思った経験でした。 学校選びから出発まで 本格的に留学を考え始めたのは中学2年生の冬あたりでした。サマースクールで訪れたスイス、友人がすでに留学していたアメリカとイギリスを留学先の候補にしましたが、結局イギリスとアメリカの学校に出願し、先にオファーが来たイギリスの学校に入学することに決めました。 友人に紹介してもらった留学エージェントを通して、学校の選定、受験、インタビュー(面接)を経て、イギリス南西部にあるTaunton School International(TSI、トーントンスクールインターナショナル)への入学が決まりました。インタビュー(面接)や試験はすべて、オンラインで行いました。 Taunton School International(トーントンスクールインターナショナル) の校舎 しかし、この時期(2020年)にちょうど新型コロナウイルス感染症が流行り始め、4月に予定していた渡英は先送りされてしまいました。イギリスには行けなかったものの、学校側がいち早くオンライン授業を導入したため、4月-6月の1学期間は日本の自宅で授業を受けました。思い描いていた留学の始まりではありませんでしたが、振り返ってみればホームシックにならず、少しずつ英語に慣れていく良い機会だったと思います。 TSIではGCSEと呼ばれる中学課程に当たるものを1年間学習しました。2年目からはLancing College(ランシングカレッジ)という現地校に入学し、A-level経済、数学、応用数学、日本語を履修し、受験を経て、UCLに入学しました。 Lancing College(ランシングカレッジ)のチャペル UCL大学生のキャンパスライフ ロンドンならではの魅力と学びの日々 現在通っているUCLはロンドン中心部にあり、1826年に設立された大学で、150を超える国から学生が集まる国際性と400以上のコースを提供し幅広い研究分野を持っているのが特徴です。ロンドンという大都市ならではの刺激的な環境もあり、学びだけでなく生活面でも多くの発見がある大学です。 University College London(UCL)に入学 リベラルアーツ型の学び: Arts and Science学科の特徴 大学ではArts and Science(アーツアンドサイエンス)と呼ばれるリベラルアーツの学科で勉強しています。この学科はイギリスの大学にしてはとてもユニークです。イギリスの大学では基本的に高校で専攻した教科を中心により深く学びます。例えば高校で経済を専攻すると大学でも経済学部やビジネス系の学部に進み、その学部で必修授業をとります。 しかし私の学部では多くの学問の知識をいかに融合させて社会課題の解決策にアプローチするのかに重きを置いています。こういった学問を英語ではInterdisciplinary studiesと呼び、分野横断的(学際的)な学びを意味します。社会課題を解決するのにもさまざまな切り口や専門知識が必要なうえ、分野が異なる人々と協力することも欠かせません。そのようなことを中心に学んでいます。 そのため、履修する授業の半分以上を自分で選択できます。学科の中で、3年間を通して全く同じクラスの組み合わせを取っている学生は誰一人いません。こういった環境が自分の学習生活を唯一無二にします。 実際に履修している授業紹介 私が今年取っている科目は、Principle of international public law(国際法)、Mathematical analysis, Real analysis(解析学)、Database system(データベースシステム)、Macroeconomics/Open and Closed economy(マクロ経済学)、Quantitative methods(定量調査)、Sustainable energy(持続可能エネルギー)、Mandarin(中国語)です。 分野がバラバラでそれぞれ全く関係なさそうに見えますが、Sustainable energyで学ぶエネルギー政策はMacroeconomicsの経済政策につながっていたり、Quantitative methodsで習得する基礎プログラミングはDatabase systemで応用できたりと、他の学生とは違った視点で問題の解決法を見いだすことができます。 課外活動とロンドンでの暮らし 日本語を教えるJapan Societyでの活動 授業外では、Japan Societyと呼ばれるソサエティ(サークル)に参加していて、2週間に1度、学生に日本語を教えています。 Finance and Economics Societyで得た学びと人脈 また、Finance and Economics Societyにも参加しており、週1くらいの頻度で開催されるロンドンの投資銀行などの金融業界で働く方によるセミナーに参加しています。UCLのネットワークはかなり広く、トップ企業で働く卒業生も多いので、いろんな人から話を聞けるチャンスがたくさんあります。 ロンドンの美術館・博物館巡りで深める学び ロンドンには大英博物館(British Museum)やナショナルギャラリー(National Gallery)など、たくさんの権威ある美術館と博物館が集まっていて、ほとんどが入場無料ということもあり、休日にはなるべく行くようにしています。 昨年取ったSocial Theoryの授業ではオリエンタリズム(西洋が東洋をどのようにとらえていたのかを研究する学問領域)のトピックを扱ったのでテムズ川畔にあるTate Britain(テート・ブリテン) の絵画を見に行きました。 Colonialism(植民地主義)などのトピックを考える際、博物館の作品は貴重なソースとなり、実際に鑑賞することでコンテンツの理解をより深めることができます。 高校留学・大学留学を通じて得た学び 広がった視野と情報へのアンテナ 留学して良かったことは、視野が広がったことと得られる情報が増えたことです。異なる文化や価値観を持つ人たちと関わる中で、自分が当たり前だと思っていた考え方が、実は国や環境によって大きく異なることに気づきました。Taunton School時代のルームメートはブルンジ人でした。初めて聞く国からの生徒だった彼女とどうしても話をしたくて、どんな国なのか、何語を話すのかなどを調べた記憶があります。 多様な視点を学べる国際的なクラスメートとの出会い 授業では、さまざまなバックグラウンドを持つクラスメートと意見を交わす機会が多く、同じテーマでも多様な視点があることを学べたのは、とても刺激的でした。日本では、自分がどの政党を支持しているか、政策まで議論することはなかったですが、イギリスでは自国の政策はもちろん、他のヨーロッパ諸国の政策まで網羅している学生も何人かいて、意識の高さがうかがえました。 経済の授業では特に、GDP(国内総生産)成長率やインフレ、利子率を必ず頭に入れておく習慣ができました。円安など、身の回りで起きていることが身につけた知識で理解できるようになっていくのが楽しかったです。 英語力と自己発信力の向上 また、英語でコミュニケーションを取る力が自然と身につき、自信を持って自分の意見を発信できるようになったのも大きな成長です。さらに、留学生活を通じて新しい友人や経験に出会い、自分自身の挑戦する力や柔軟性も養われたと感じています。 留学生活で感じた辛さと乗り越えた経験 言語の壁とコミュニケーションの葛藤 留学で辛かったことのひとつは、最初の頃に感じた言語の壁です。英検2級を取得後に渡英しましたが、授業では、ネイティブスピーカーや先生たちのスピードについていけなかったです。留学当初は宿題を終わらせるのにも、クラスメートの3倍時間がかかりました。 授業がわかるようになっても、友達との会話や冗談を理解し、話すまでにはかなり時間がかかりました。小学校の間に英会話塾に週1で通っていましたが、実際に会話しようとすると、自分のシャイな性格も相まって単語が出てこない場面が多くあり、自分の意見を思うように表現できず、もどかしさを感じることがありました。 辞書を片手に専門用語と格闘する日々 大学に入ってからは、専門的な単語も多くて、今でも辞書は手放せません。ですが、一つ一つの単語の意味を調べる習慣がついたことで、理解できない単元があっても、わかるまで調べたり文献を読んだりして、人一倍深い学びを得たと思います。 これからイギリス留学を目指す人へのメッセージ 留学は挑戦の連続ですが、ぜひ恐れずに一歩踏み出してみてください。その経験が、自分自身を大きく成長させ、未来への大きな力になるはずです。 https://jp.education-moi.com/article-51-ucl https://www.ucl.ac.uk

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ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部|日本人学生にインタビュー!

    こんにちは! Goldsmiths, University of London(ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ)でメディアを勉強しているKotokoです。今回はファウンデーションコースの時に出会った音楽専攻の日本人学生、Shuntaさんにインタビューをしました。日本では音楽専攻や音楽大学に進む人は限られていて少し特別なイメージがあると思います。イギリスの大学の音楽専攻では実際どんなことをするのか、そして留学生活はどんなものかなど同じ留学生として気になることを聞いてみました! イギリス留学のきっかけ まず留学を考えたきっかけを教えてください。 5歳の頃からバイオリンを始め、クラシック音楽が盛んなヨーロッパでの挑戦を望んでいたからです。日本とは全く異なる環境でハイレベルな学習がしたかったです。 なぜイギリスを選んだのですか? 自分の好きな音楽と英語を同時に学べる国だからです。英語があまり話せなかったのですが、調べていたときにロンドン大学ゴールドスミスカレッジにファウンデーションコースがあることを知り、ここなら挑戦できると思いました。県立高校に通った後に必死に勉強し、IELTSを取得して渡英しました。 https://www.gold.ac.uk/international/pathways/ifc ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ音楽学部: 授業・専攻 専攻について教えてください。 音楽学部バイオリン専攻です。クラシックやコンテンポラリー(現代)音楽など、形式に縛られることなく様々な音楽を学んでいます。 ブルガリアのイベントでバイオリンを演奏しているShuntaさん なんでその専攻を選んだのですか? 音楽が好きで特にクラシカルやコンテンポラリーは自分の好きなジャンルだからです。また将来は音楽関係の仕事に就きたいのでそれにつなげたいと思っています。 どんな授業を受けているのですか? 2年生では必修4科目(作詞や作曲など)に加え、選択科目で映画音楽やペア演奏を取っています。演奏の授業では、ホールなどでの演奏形式が多く、先生が成長を見て評価してくれます。今はバイオリンのソロ曲、アンサンブル曲、オーケストラ曲を含めた6、7曲を練習しています。 作曲の講義では曲の作り方の基礎を学び、そこから実際に紙で作曲します。最近はPC上での作曲アプリもあり、それを授業で使うこともあります。そのあとに作曲家の先生からアドバイスをいただいています。 映画音楽の授業では講義やセミナーを通して理論を学び、実際に映画のオーディオビジュアルを分析します。その結果をエッセイやビデオエッセイ※にまとめ、成績評価されます。 ※文章として書かれたエッセイのように、議論を進めていく動画コンテンツのこと。 クラスの雰囲気は? 20人ほどの少人数クラスで、みんなフレンドリーで授業に積極的に参加しています。イギリス人が多いですが、日本人が3人いて心強いです。先生との距離も近く、個別に相談に乗ってくれるPersonal tutorがいるのも魅力です。私はtutorの先生と友達のように仲良くしています。 日本の音楽教育との違いはありますか? 日本では理論などを重視しますが、イギリスでは理論はできていることを前提にして自分の演奏に対して真摯に向き合うスタイルです。演奏する曲も自分で決められるし、表現の自由度が高いです。また先生たちは個人の成長をよく観察しながら評価してくれるので、自分らしさを伸ばせる環境だと思います。 イギリスでの留学生活 寮で生活していますか?どんな感じですか? 大学1年生の去年と大学2年生になった今年の2年とも寮に住んでいます。 去年: ドアノックをするようないたずらや夜の11時過ぎに廊下にスピーカーを置いて音楽を流すような騒音がありました。 今年: うるさい人がいなくなったので快適になりました。乾燥機が壊れているから部屋干しするしかなくて、それ用にハンガーを買いました!キッチンとトイレは共用ではなく部屋の中にあってよかったのですが、シャワーヘッドが固定されていて使いにくいです。 総合的に見ると、大学の迅速な対応や友達の助けもあり、何とかなっています。特に寮内のキャンパスサポートの方たちは親切です。いつでも相談を受け付けてくれる体制があるので、私の場合は部屋の交換などの的確なサポートをしてもらいました。 留学生活で心がけていることは? 自分の芯を持っていることが大切だと思います。日本と違って自分の意見を伝えることが大切でYES/NOだけでもはっきりと伝えるほうがいいと思います。 ロンドンのおすすめスポットはありますか? 自分は音楽が好きなので楽譜店に行くのが好きです。 その他、Wimbledon(ウィンブルドン)などの町がきれいで歩いているだけでも楽しいです。特に本屋さんをよく訪れます。 大学の授業以外にしている活動はありますか? アルバイトを始めようかと思い、tutorの先生に相談したら劇場の受付案内バイトの応募サイトを紹介してくれました。今はCV(履歴書)を作成中です! 今年の夏の思い出はありますか? バイオリンの先生がブルガリアでTrayvna Festivalというバイオリンのイベントがあることを教えてくれたので一緒にブルガリアまで行って参加してきました。先生がとても親切でバスなども手配してくれました。そこで大会に参加して見事受賞しました。そのあとにはアカデミー参加者によるコンサートがあり自分も演奏しました。 ブルガリアの街並み ブルガリアの首都ソフィアにあるアレクサンドル・ネフスキー大聖堂 イギリスの大学を卒業したあとの予定 留学して成長したと思うことは? 英語力が上がったのはもちろん、自分に素直になれたことが大きいです。無理せず、自分らしく努力する大切さを学びました。またヨーロッパでの生活や先生・友人から刺激を受けて、ますますバイオリンが好きになりました。 将来は何をしたいとか考えていますか? ベストな道として大会で優勝して奨学金を獲得し、ロンドンにあるGuildhall School of Music and Drama(ギルドホール音楽演劇学校)などレベルの高い大学院に行くことです。将来の夢としては演奏家になることが一番ですがレコード会社などの選択肢も考えています。 最後に、これからイギリスで学びたい人へメッセージをお願いします。 恐れずに挑戦することです。誰もあなたをジャッジしません。SNSの世界はリアルじゃないからこそ、自分自身に集中して、留学でしかできない経験を思い切り楽しんでください! https://www.gold.ac.uk

インペリアルカレッジロンドンの年度初め: 学期最初の1週間

こんにちは!Kenshuです。今回は9月に始まったImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)での新学期の最初の1週間を紹介していこうと思います。海外の大学での新学期の始まりはどんな感じなの?って疑問を持っている皆様の参考になれば嬉しいです。 イギリスの大学はいつ始まる? イギリスの大学が始まるのは大体9月から10月です。大学によって始まる日にちは違います。例えば今年(2025/26年度)だとUniversity College London(UCL)は9月22日、King’s College London(キングスカレッジロンドン)だと9月22日、University of Cambridge(ケンブリッジ大学)だと10月1日などと大学ごとに変わります。僕の通っているImperial College Londonでは9月29日に始まりました。 大学によってはWelcome WeekやOrientation Weekと呼ばれる期間が設けられていて、本格的な授業はその翌週から始まることが多いです。 いつイギリスに行けばいい? 学期が始まる数日前に着くことをおすすめします。自分の住む家(寮やアパートなど)の入居可能日や家族と一緒に来るのかなどを総合的に考慮して決めるといいと思います。僕は一人で渡って、寮に入ったので学期が始まる2日前の27日に行きました。 初日は時差ボケや荷解き、買い出しなどで結構忙しくなります。そのため最低でも1、2日前には到着しておくと余裕をもって学期開始を迎えられて安心です。 インペリアルカレッジロンドンの寮はどんな感じ? インペリアルの1年生は寮に入れることが確約されています。入学する年の5、6月ぐらいにインペリアルからフォームが送られてきて、希望する寮を記入します。 インペリアルには6つの寮があり、キャンパスからの距離、設備、値段などがさまざまです。僕がいるWoodward Buildingsはキャンパスから一番遠い分、値段が安いです。キャンパスに近いSouthside HallsやEastside Hallsでは値段が倍ぐらい違うことがあります。 インペリアルカレッジロンドンの寮 WoodwardにはBlock A、B、Cがあり、各棟に200人ほどが住んでいます。各フロアには10人ほど住んでいて2つのキッチンを共同で使っています。キッチンは結構充実していてIH式のコンロが8つ、オーブン、冷蔵庫がそれぞれ2つ、電子レンジなどがあります。 毎日夕方の6、7時になるとみんなが料理をしに来るのでその度に仲良く話しています。共同生活ならではの出会いや会話が生まれやすく、友達を作るきっかけにもなります。 寮に着いた初日に学生全員がStudent Cardをもらいます。この学生証は講義棟や寮、自分の部屋に入る時などに使います。僕は入居して間もない時に一度Student Cardを部屋に忘れ、1階にあるReceptionまで行ってドアを開けてもらいました。10~15分かかったので絶対になくさないで常に持ち歩くようにしないといけないなって痛感しました。 寮からインペリアルカレッジロンドンまでの通学路 寮はNorth Acton駅の近くにあり、ヒースロー空港からは比較的簡単に辿り着けました。Central Lineが通っているのでロンドンの中心街(SOHO)にも乗り換え無しで行けます。 寮からインペリアルのSouth Kensingtonキャンパスまでは電車を2本乗り継いで行けます。でも個人的には乗換駅で次の電車に乗らず、そこから徒歩でHyde Parkを通過して大学まで行くのが好きです。毎朝友達とHyde Parkを歩くのは気分が晴れます。ビル群ではなく、自然の中が通学ルートになるのはとても魅力的です。 毎朝登校中に通り抜けるHyde Park Hyde Parkのすぐ近くにあるRoyal Albert Hall イギリスでの生活用品の準備 渡英してすぐに必要になのが生活用品の買い出しです。寮には家具が備え付けられていますが、枕、布団、調理器具などは自分で揃える必要があります。僕は到着した日に近くのJohn Lewis(家具量販店)で寝具一式、数日後によくわからない地元の店でフォークやスプーンなどを調達しました。Amazonを活用する人も多く、寮に直接届けてもらえるので便利です。 インペリアルカレッジロンドン: 年度初めのイベント Freshers Fair Freshers FairとはいろいろなSociety(サークル)やスポーツクラブなどが一堂に会して1年生に活動内容を紹介する新入生歓迎祭です。このイベントは2日間にわたって開催されます。 インペリアルには300を超えるSocietyがあり、文化、スポーツ、趣味などいろいろな種類があります。スポーツクラブだとトライアウトがあり、2、3回チャンスが与えられます。大学生活で勉強だけではなくスポーツにも打ち込みたいっていう人にはいい機会だと思います。 無料のグッズやクーポンを配っているブースもあるので、気軽にいろいろ回ってみるのがおすすめです。 Freshers Event 最初の1週間は寮単位や学部単位、Student Union(学生連合)主催のいくつものイベントが行われます。Halls Mixersやクラブを貸し切るイベントもあります。 Halls Mixersでは自分の寮の人たちとお酒を飲みながら交流します。新しい友達を見つけられることもあります。 他にはクラブを貸し切ってインペリアル生だけのパーティが行われます。ビールやテキーラなどのショットだけで6ポンド(約1200円※)以上するのでお金に余裕がない人にはあまりおすすめしません。経験を得るため友達やFlatmatesなどと行くにはめちゃくちゃいい機会です。 ※1ポンド=200円で換算 各コースのイベント 各専攻にもイベントが開催されます。僕はChemical Engineeringを専攻しているのでそれに関する講演やアクティビティなどがありました。インペリアルの学長やChemical Engineering Departmentの学部長によるスピーチ、自分と同じ専攻の新入生たちと一緒にランチを食べながら情報交換するなどいろいろ充実していました。 最後に 最初の1週間は勉強というよりかは学校のことをよく知り、周りの人たちと仲良くなる期間です。そのため比較的時間に余裕ができるので、友達や家族などとロンドン観光をしてみてもいいかもしれません。Natural History Museum(ロンドン自然史博物館)やいくつかの美術館などがインペリアルから徒歩数分のところにあるので行きやすいです。 https://passport-to.com/articles/27/

イギリス大学留学Pre-Departure Event 2025@東京 #3|舞台裏に迫る

イギリスの大学留学を始める学生向けに8月23日にPre-Departure Event 2025が開催されました。この記事では開催までの経緯や当日の準備など、イベントの舞台裏をお届けします。 イベントの裏側はこちらの動画にもありますので、併せてご覧ください! https://www.youtube.com/watch?v=pGcj4TY1IrA 開催の経緯: Moi Educationとのコラボ 今回のイベントは4大学のJapanese Societyの合同開催ですが、中心となって進めてきたのがImperial College London(インペリアルカレッジロンドン)のJapanese Societyです。インペリアルJapanese SocietyのSecretaryのSaraさんによると、一つ上の学年のコミッティーから「いつか東京でイベントを開催したい」という話をずっと聞いていたと言います。 夏休みに代が替わり、25/26年度のコミッティーとしていろいろなイベントの企画が始まりました。その時に、Moi Education代表のMakiさんと別の件で打ち合わせをしていた際に、「東京で渡航前イベントを開催したいです」と話を持ち込み、Makiさんが「ぜひ一緒にやりましょう」ということでした。 インペリアルJapanese Society副会長のYukaさんによると、インペリアルにあるSingapore Societyなど、他の国の団体が毎年開催しているため、それらを参考にしたそうです。 事前準備: 4大学のJapanese Societyが打ち合わせで調整 イベントの運営は会場探しやInterest formを利用して参加者数を予測するところから始まりました。しかしインペリアルのみではかなり小規模になることが分かったそうです。加えて8月中旬にならないとA-levelの結果が出ず、その関係で参加を決められない新入生が多いことが浮かび上がりました。また、他大学からの参加希望者がいたことも踏まえ、合同開催に踏み切りました。 コミッティー全員が「去年の自分が渡英前にあったらうれしかったイベントを後輩たちに届けたい」という思いを原動力に準備を進めました。 本格的に動き出したのは開催の約1カ月前です。インペリアルのJapanese Societyのメインコミッティーがプログラムの大枠を決め、他の参加校のJapanese Societyとオンラインでミーティングを重ねました。イベント全体の企画は主にSaraさんが「去年の自分が渡航前に知っておきたかったこと」をベースに決めました。 それに加え、学部、大学、都市が異なるメンバーからも意見も入れて、より多様な視点から見たイギリス留学、そしてコミッティー全員が新入生に伝えたいことを追加していきました。 当日の準備: リハーサルなど最終調整 Pre-Departure Eventのポスター イベント当日の午後2時、コミッティーたちが会場に集まりました。まずは椅子や机の並べ替えなどをして会場設営をしました。第二部がスムーズに始められるように、大学ごとにテーブルを分け、印となる大学のロゴを貼った。その後、プレゼンテーションで使用する大型ディスプレーの準備と接続をし、発表の流れのリハーサルも行われました。 各大学のJapanese Societyのコミッティーが打ち合わせをしている様子 開場の時間になったらSaraさんが入口近くで受付の準備を始め、パソコン上に名簿を表示させました。受付と同時に参加者に名札を自分で書いてもらえるよう、名札シールが用意されました。 責任者のSaraさんインタビュー 今回のPre-Departure EventはImperial College LondonのSaraさんが企画し、他の3つの大学のJapanese Societyのコミッティーとの調整などを行いました。責任者のSaraさんに開催の経緯、準備の過程などについて聞きました。 Pre-Departure Eventでプレゼンテーションを行う責任者のSaraさん Q: 実際に開催してみてどうでしたか? イベントをやって本当によかった、というのが一番の感想です。何よりも「来てよかった!」「いろんな人と会って、話せて楽しかった」「役立つ情報をすでにイギリス留学している先輩たちから聞けて参考になった」という声をいただけたのがうれしかったです。 ぜひ今後も続けていきたいですし、来年度以降のコミッティーに引き継ぎたいですね。今回参加してくれた後輩たちに熱意とイベントの良さが伝わっていることを願います。 Q: 開催にあたって、大変だったことはなんですか? 一番苦労したのは、夏休みの時期に企画を動かしたことです。みんな旅行や予定がある中で、ミーティングに参加したりスライドを作ったりしないといけなくて。私も旅行先のホテルからオンラインミーティングに出たりしていました(笑)。 インペリのコミッティーは普段から仲が良いので、単に「仕事仲間」だけでなく、お互いの時間も大切にしつつイベントを成功させたい気持ちもあって、そのバランスを取るのが難しかったです。でもそういう中で「連絡のプラットフォームを仕事用とプライベート用に分ける」みたいな工夫も生まれて、チームとしても個人としてもすごく成長できたと思います。 Q: 今回開催した中でよかった点や改善点を踏まえ、次回以降はどのような変更を行いますか? 毎年続けていけるイベントにしたいと強く思っています。 今回のイベントの良かった点の一つとして、参加者同士が大学や学年、留学の形態や先輩後輩といった枠にとらわれず、自由に交流できる雰囲気が自然と生まれたことです。当初私が目指していた以上に素敵なものでした。 今後は参加校が増えたり認知度が上がったりして規模がより大きくなっていく可能性もありますが、数に流されず「温かい雰囲気のイベント」であり続けてほしいです。 プレゼンテーションの内容に関しては改善できる点も多いと感じています。就活関連の少しシリアスな内容から、各都市の日本食事情といった日常に密着した話題まで、バランスの取れた構成にはなっていたと思いますが、基本的にコミッティーが一方的にプレゼンする形だったので、今後はもっとインタラクティブにできると良いと思います。 第二部は各校のブースを設置して、自由に話せるフリートークタイムとしましたが、ワークショップのような形で、いろんなバックグラウンドの学生を集めたグループで何かアクティビティをするのも面白いかもしれません。 インペリのJapanese Societyの場合、毎年2年生がコミッティーを担当するのが慣例です。来年以降私がどんな形でJapanese Societyに関わっていくかは未定ですが、今回のイベントで得た学びや感想は、必ず次の世代に引き継ぎたいと思っています。 Q: 最後に新入生へのアドバイスをお願いします! ワクワク、ドキドキ、緊張、色んな気持ちでいっぱいだと思いますが、ぜひ思いっきり楽しんでください!大学は自分の世界がどんどん広がっていく場所です。そしてロンドンは多様性にあふれ、毎日新しい刺激がある街です。たくさんの人に出会い、色んなコミュニティに参加して、多くの経験を積むことが、きっと素敵な大学生活になります! もちろん、勉強という本業も忘れずに。Japanese Societyにもぜひ遊びに来てくださいね☺︎ Pre-Departure Eventに参加した新入生とJapanese Societyのコミッティーたちの集合写真 コミッティー紹介 イベント中に主催したJapanese Societyのコミッティー3人に話を聞くことができ、現在の専攻やロンドン生活の楽しみなどをご紹介します。 Saraさん Saraさん 所属: Imperial College London, Medical BiosciencesJapanese Societyでの役職: Secretary 小さい頃から理科が好きで、人体構造や病気の仕組み、薬効を学ぶことが面白くて、そこから医療生物学に惹かれるようになりました。また、エジプトやミャンマー、インドといった医療体制が十分でない国々で暮らした経験も大きな理由です。 質の高い医療にアクセスできない現実を目の当たりにし、国際機関やNGOが医療支援で果たしている役割に感銘を受けました。その中で私は、医薬品や医療機器の研究開発を通じて、人々が安心して医療を受けられる社会づくりに貢献したいと考えるようになりました。 インペリアルのMedical Biosciencesは、医療生物学を幅広く学べるだけでなく、研究者としての基盤を養うことができるコースです。自分のやりたいことや将来必要なスキルと一致していたため、進学を決めました。 大学生活では、3歳からずっと続けているバレエを楽しんでいます。ダンスサークルのバレエ部門に入っていて、毎週のクラスに参加したり、コンペティションチームで踊ったりしています。2年生からはチームのコミッティーとしてクラスのインストラクターもやっています。 寮生活が始まってから料理にハマっていて、自分のキッチンでディナーパーティーを開いたり、作り置きを工夫したり、各国の友人からレシピを教わったりと、多国籍な環境ならではの楽しみを満喫しています。 それからJapanese Societyの活動も、今年度からコミッティーとして本格的にスタートしました。大変なこともありますが、Secretaryとして仲間と一緒に楽しく仕事しています! Rukaさん Rukaさん 所属: Imperial College London, Biomedical EngineeringJapanese Societyでの役職: Vice President 医療分野に応用できる工学の知識を幅広く学んでいます。1、2年のうちは講義とテストが中心で、3、4年になると実験・実習が増えると思います(MEng/学部・修士一貫課程なので4年間です)。 元々医学部を視野に入れながら医療系に関わりたいという気持ちがありました。将来のことを考えた時に、企業に入って医療機器の開発に携わりたいと思うようになりました。それで学部のコースをいろいろ調べていたら、インペリアルのBiomedical Engineeringが一番自分にぴったりだったのでそこにしました。 今のところ勉強は思っていたほどは忙しくないのですね。一応毎日勉強するように意識していますが、遊びに行く余裕は意外とあります。ロンドン生活の中で、観光が楽しいです。いろいろなマーケットというか屋台っぽいのがいっぱい集まっているバラマーケットなどがとても良かったです。 Shinichiroさん Shin-ichiroさん(左) 所属: The London School of Economics and Political Sciences, EconomicsJapanese Societyでの役職: Secretary and Language Officer 今回のイベントでは会長代理として来ました。LSEのJapanese Societyは他の大学と比べるとかなり小規模ですが、このイベントではLSEの新入生が一番多くてちょっと困惑しています(笑)。 今までブラジルのサンパウロ、インドネシアのジャカルタ、アラブ首長国連邦のドバイと、世界を転々としてきた中で、たくさんの気づきを得られました。貧困に直面している人や富裕層など、幅広い層の人々を見てきた中で、社会問題の解決に経済は大きいなツールの一つになると考えるようになりました。そこで経済に興味を持ち始め、社会科学に特化したLSEで経済学を専攻したいと決めました。 また、イギリスの大学の経済学専攻は数学重視で、どちらかというと理系寄りです。この点は自分に合っていたので、イギリスの大学を選びました。1年目の勉強はIBの延長線上くらいの感覚で、そこまで難しいとは感じなかったです。大体大学に入学できた時点であるの程度学力はあると思いますので、あとは努力を続けて、強い信念があればできると思います。 ロンドンでの生活はご飯がまずい以外は楽しいです。この前、久しぶりに日本に帰ってきて、お母さんが作った白米を食べた時は感動しました。 Pre-Departure Event全体の様子と新入生インタビューはこちらからご覧いただけますのでぜひ読んでみてください! https://passport-to.com/articles/36/ https://passport-to.com/articles/37/ 今回のイベントのスポンサー: https://jp.education-moi.com

イギリス大学留学Pre-Departure Event 2025@東京 #2|新入生インタビュー編

イギリス留学のPre-Departure Event 2025が8月23日、東京都内で開催されました。Imperial College London(インペリアルカレッジロンドン)などのJapanese Societyが主催したこのイベントに参加した学生にインタビューしました。これから新生活を始めることにあたり、心境や楽しみにしていることについて聞きました。 大好きなロンドンで経済と数学の勉強を インタビューを受けるHanaさん Hanaさん 進学先:The London School of Economics and Political Sciences(LSE)専攻:International Social and Public Policy with Economics ロンドンが好きだから、そこの大学に進学しました。数学や経済は元々好きですが、それだけだと物足りないので、政治学の勉強もできるということでこの専攻を選びました。 今まで日本、ドイツ、アムステルダム、フランスで暮らしたことがあります。ロンドンに住んだことはないのですが、英検の海外受験会場がヨーロッパだとロンドンしかないので、受験のために何回かロンドンに行ったことがあります。その時に感じた街並みなどが気に入りました。将来役に立つと思って英検は1級まで取得したが、今のところ何にも役立っていないです(笑)。 大学に入ってからはいろんなソサエティー(サークル)の活動が楽しみです。あとは今まではとてもグローバルな環境で育ったので、これからもそのようなところで生活できることが良いです。将来は国際機関で働きたいです。 金融の勉強をするのが楽しみ Angelaさん 進学先:The London School of Economics and Political Sciences(LSE)専攻:Finance ドイツや横浜などに住んだことがあるが、昔ロンドンに住んで一番気に入ったのでロンドンの大学に進学しました。Stock pitch(ストックピッチ)※がきっかけで金融に興味が湧き、大学でその勉強ができるのが楽しみです。また、たくさんの人と出会って、友達を作るのも楽しみです。 ※Stock pitch(ストックピッチ)とは、特定の企業の株式を投資対象として推奨するためのプレゼンテーションのことです。企業のビジネスモデル、財務状況、成長可能性、リスクなどを分析し、「この株を買うべき/売るべき」と投資判断を論理的に示します。 研究者になり、革新的な研究をしたい 第二部のフリートークタイムで歓談するWakanaさん(左)とSeikaさん Seikaさん 進学先:Imperial College London専攻:Chemistry 4歳から4年間イギリスに暮らし、その後上海とノルウェーにも住んだことがありますが、イギリスが一番気に入ったので、大学はそこにしました。大学に入って、新しい人に出会って、友達を作ることが楽しみです。卒業後は大学院に進学し、その後研究者になって、革新的な研究をしたいです。 憧れの街並みでの学び Wakanaさん 進学先:King’s College London専攻:Digital Media and Culture ロンドンにインターナショナルな雰囲気があり、街並みに憧れがあったのでイギリスに決めました。勉強はもちろんですが、それ以外ではクリスマスマーケットが楽しみです。大学で学んだことを生かし、将来は人々のつながりを強くするためのサービスを提供する会社を起業したいです。 初イギリスだが、大学生活は楽しみ インタビューを受けるRintaさん Rintaさん 進学先:Imperial College London専攻:Economics, Finance and Data Science イギリスの大学受験はアカデミック活動を中心に評価されると知り、イギリスの大学にしました。アメリカの大学も検討しましたが、入学選抜では課外活動を中心に見られるため、自分にはあまり向いていないと思いました。 これからの留学で初めてイギリスに行きます。イギリスと言えば天気が悪く、ご飯がまずい印象ですね。でも大学生活は楽しみです。卒業後の進路ははっきり決まっていませんが、大学で学ぶことを生かし、教育にデータサイエンスを取り込んで、より効果的な教育環境にしていきたいと思います。 金融の中心――ロンドンで人脈を広げたい 入学後の抱負を語るTeruさん Teruさん 進学先:University College London(UCL)専攻:Mathematics with Economics 自分は中学受験をして慶應義塾湘南藤沢中等部に入学しました。その後中3になる前にタイにあるRugby School Thailandに行きました。この学校はイギリスにあるRugby Schoolの分校です。そこで5年間学び、GCSEとA-levelを履修しました。イギリス系の学校に通っていましたが、イギリスに行ったことがなく、ヨーロッパもないです。初めてのイギリスで不安はありますが、将来のことを考えると、良い経験をするためのチャンスがあるからロンドンに行く価値はあると思います。 金融系に興味があって15歳から投資をやっています。将来は金融系の職に就きたく、そのため大都市の大学に進学したかったです。本当はアメリカに行きたかったが、今のアメリカの政治によって経済も不安定になっているのでアメリカに行くことを断念しました。そこ以外で金融の中心と言えばロンドンですね。その中心にある大学を選びました。 ロンドンのような大都市の大学に行けば人脈が広がり、たくさんのコミュニティとつながりを持って有利になると思います。そういう意味でも、優秀な学生が集まるUCLのような有名な大学にはとても良い環境が整っていると思います。 次回の記事ではこのPre-Departure Eventの舞台裏をお届けしますので、そちらも併せてご覧ください! https://passport-to.com/articles/38/ また、前回の記事ではPre-Departure Event全体の様子が書かれています。ぜひ読んでください! https://passport-to.com/articles/36/ 今回のイベントのスポンサー: https://jp.education-moi.com

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